行政

災害対策用無線システム等を展示・デモ 「九都市合同防災訓練」 関東総通局

【2016年09月07日】

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       防災訓練の模様

 総務省関東総合通信局(高崎一郎局長)は、9月1日に埼玉県さいたま市大宮区北袋町1丁目(三菱マテリアル株式会社隣接地)で開かれた「平成28年第37回九都県市合同防災訓練・中央会場」(平成28年度さいたま市総合防災訓練)の啓発展示エリアに出展した。
 関東地方非常通信協議会等と連携して、最新の災害対策用無線システム等の展示・デモンストレーションを行った。関東総合通信局は、非常災害時における情報伝達手段の多様化・多重化等、ICTを利活用した防災・減災のための対策を推進しているが今回はその一環。
 展示・デモンストレーション等の概要は次の通り。
 関東総合通信局は▽災害対策用移動通信機器(衛星携帯電話、移動用無線機等)の展示▽災害対策用移動小型電源車の展示▽「災害時に活用できる情報伝達手段」のパネル展示▽「災害情報共有システム(Lアラート)」の展示・デモを行った。「Lアラート」は、安心・安全に関わる公的情報など、住民が必要とする情報が迅速かつ正確に住民に伝えられることを目的とした情報基盤。地方自治体、ライフライン関連事業者など公的な情報を発信する「情報発信者」と、放送事業者、新聞社、通信事業者などその情報を住民に伝える「情報伝達者」とが、この情報基盤を共通に利用することによって、効率的な情報伝達が実現できる。全国の情報発信者が発信した情報を、地域を越えて全国の情報伝達者に一斉に配信できるので、住民はテレビ、ラジオ、携帯電話、ポータルサイト等の様々なメディアを通じて情報を入手することが可能になる。
 災害対策用移動電源車の貸与では、総務省は災害の発生の際に、電気通信設備または放送設備等の必要な電力供給を支援するため、移動電源車を貸与する体制を整えており、この貸与は、災害の発生により重要な情報通信ネットワークの維持に支障が生じた場合等で、電気通信設備または放送設備等の応急復旧を行う地方公共団体、電気通信事業者、放送事業者等から要請された場合に行う。
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 一般財団法人移動無線センターは、MCA機器の展示・デモを行った。災害に強い高信頼のデジタルMCA無線「mcAccess e」は、法人向けの業務用無線で唯一、北海道から沖縄までのワイドなエリアを実現。地域密着の企業だけでなく全国展開の企業にも、ビジネスの効率化につながる。自治体の防災無線や企業の危機管理・BCP用通信システムも、低コストで構築できる。移動無線センターが、非常用発電機を備えた堅牢な中継局を全国で運用し、自動的に空きチャンネルを割当てて、混信の無いクリアな音質の通信を提供する。新登場「mcAccess e+」は、災害に強いMCA無線にIP無線機能(ドコモのLTE+3G)をプラスして通信を2重化し、通信エリアを大幅に拡大する。
 富士通は▽可搬型ICTユニットとIP無線装置▽自営通信網による可搬型無線装置の展示・デモを行った。公共ブロードバンド移動通信システム(公共BB)を活用した消防防災用広帯域無線伝送システムは、災害時において音声通信だけでは伝えきれない情報を、鮮明な映像やデータのリアルタイムな無線伝送で可能にする。同装置は可搬型にも対応し、災害現場での使用も可能で、かつ、自営通信であるため大災害にも公衆回線のように社会的に左右されないシステム。ポイントは大容量情報伝達(上り最大8Mbps程度の伝送が可能、VHF帯で電波での回り込みが大きく、不感地帯へも電波が到達しやすい)、自営通信網(通信料が不要、通信制限が無い、指令伝送回線断時もバックアップ運用可能)、可搬型対応(A4サイズの大きさで機敏性大、省電力〈バッテリーで2時間以上〉)、インターフェース(LAN対応の高汎用性)。
 加藤電機は、位置確認システム通信機器「SANフラワー」の実物展示を行った。「SANフラワー見守りサービス」は、日本で初めてGPS機能を用いない、920MHz帯の特定省電力無線を使った位置検索&見守りサービス。15秒に1回電波を飛ばす「SANタグ」と、「SANアンテナ」、SANタグを探し出す機器「SANレーダー」で構成されて、従来の位置情報検索では難しかった屋内における正確な位置表示が行えるという。SANフラワー見守りサービスでは、計算値では約4㌔㍍、見通し距離1㌔㍍以上、実用値数百㌔㍍を実現した。同社はこのほど、アキレス、ツクイと共同で、認知症患者の『徘徊を早期に検出、発見できるシステム』の実運用試験を始めたと発表。アキレスが開発した徘徊対策用の介護シューズに加藤電機が開発した小型の発信機(SANタグ)を装着するもの。
 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、多言語音声翻訳アプリ「VoiceTra」(ボイストラ)の展示・デモを行った。話した内容を外国語に翻訳、世界29言語に対応する「VoiceTra」。話しかけると外国語に翻訳してくれるアプリで、見やすい画面で操作も簡単。翻訳結果が正しいかどうかの確認もできる。
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 九都県市合同防災訓練とは、4つの都県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)と5つの政令指定都市(横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市)とで合同で行う防災訓練のこと。第37回九都県市合同防災訓練・中央会場(平成28年度さいたま市総合防災訓練)は、大規模地震災害発生時における迅速かつ円滑な災害応急対策の実施を目的として、市民、防災関係機関、事業所を主体とする総合的な訓練を実施したもの。併せて、「つながり」をテーマとして、防災意識、地域防災力の向上を目的とした、防災体制の強化を図る実践的な訓練を実施した。また、九都県市合同防災訓練実施大綱に基づき、さいたま市が幹事を務める九都県市合同防災訓練の中央会場として九都県市及び政府等と連携した訓練を実施した。主会場以外にも、首都高速埼玉新都心線で高速道路事故救出訓練、さいたま赤十字病院で多数傷病者トリアージ・医療救護訓練、さいたま新都心駅構内で列車事故救出訓練が行われた。

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