行政

植込み型医療機器への影響を防止する指針 総務省

【2016年09月21日】

 総務省は、平成27年度電波の医療機器等への影響に関する調査として(1)920MHz帯を使用したRFID機器から発射する電波が植込み型心臓ペースメーカ及び植込み型除細動器へ与える影響に関する調査(2)携帯電話端末が着用型自動除細動器へ与える影響に関する調査を実施した。
 これらの調査結果を踏まえ、「各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器等へ及ぼす影響を防止するための指針」について、生体電磁環境に関する検討会での検討を経て、改訂案を取りまとめて、10月20日までの間、意見を募集している。
 総務省では、安全で安心な電波利用環境の整備・維持のため、平成12年度から毎年度、植込み型医療機器等への電波の影響に関する調査を実施し、その結果に基づき、指針の改訂を行っている。
 27年度においては、次のRFID調査及び着用型自動除細動器調査を実施した。
 RFID調査の概要は次の通り。RFID機器については、「ゲートタイプRFID機器」「据置きタイプRFID機器(高出力型950MHz帯パッシブタグシステム)」及び「ハンディタイプ、据え置きタイプ(高出力型950MHz帯パッシブタグシステムを除く)」のそれぞれについて15年度、16年度及び18年度に実施した調査結果を基とした内容が現行の指針に記載されている。
 これらのうち、950MHz帯を使用したRFID機器は、電波法に基づき30年3月31日までに周波数帯を920MHz帯へ移行することが定められていることから、このほど、920MHz帯を利用するRFID機器からの電波が植込み型医療機器に与える影響に関して調査を行ったもの。
 着用型自動除細動器調査の概要は次の通り。近年、新たに利用が開始された着用型自動除細動器については、今後の利用がさらに見込まれることから、27年度は機器の配置状況を変えて、再度、携帯電話の電波による影響について調査を行ったもの。
 RFID調査及び着用型自動除細動器調査の結果の概要はそれぞれ次の通り。なお、調査結果の詳細については、電波利用ホームページ内の「電波の植込み型医療機器等への影響の調査研究」の中の27年度箇所で見ることができる。
 RFID機器については、日本国内で販売されている920MHz帯パッシブタグ用システム(構内無線局、特定小電力無線局)の代表的な24機種を、植込み型心臓ペースメーカ等については、電気的性能面から実際に国内で動作し、かつ測定可能な全ての機種を網羅していると解釈できる機種(植込み型心臓ペースメーカ類17機種、植込み型除細動器類18機種)を対象として調査を実施した。
 その結果、植込み型心臓ペースメーカに対して、構内無線局(送信出力1W以下)では10センチメートル、特定小電力無線局(送信出力250ミリワット以下)では1センチメートル未満の距離で影響が発生した。また、植込み型除細動器に対しては影響の発生はなかった。影響発生距離の最大値(10センチメートル)は、据置きタイプのRFID機器からの電波の影響を防ぐための指針が適用している離隔距離の22センチメートルと比較しても半分以下の距離であることが確認された。
 携帯電話の電波による着用型自動除細動器への影響調査については、27年度調査においては、IEC(International Electrotechnical Commission)のEMC試験(放射イミュニティ試験)を参考にした配置での影響調査を行った。その結果、携帯電話からの装着型医療機器への影響を防ぐための指針が適用している15センチメートルを超える距離において影響が発生した。この調査結果を受け、着用型自動除細動器の製造販売業者は、厚生労働省の指導のもと、医療機関を通じた利用者全員への周知等を実施している。
 これらの調査結果に基づき、生体電磁環境に関する検討会(座長・大久保千代次一般財団法人電気安全環境研究所電磁界情報センター所長)における検討を経て、指針の改訂案を取りまとめた。
 意見公募要領、意見募集対象、意見の募集期間等は総務省のホームページで確認できる。
 今後は、意見募集の結果等を踏まえ、指針を改訂し公表する予定としている。

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