行政

28年度「第2回関東テレコム講演会」開催 総務省

【2016年10月26日】

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     ▲ 高崎一郎局長
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    ▲ 瀧浪壽太郎会長
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      ▲ 小池聡氏

 総務省関東総合通信局(高崎一郎局長)は13日、一般社団法人テレコムサービス協会 関東支部(瀧浪壽太郎会長)との共催により、「平成28年度第2回関東テレコム講演会」を東京・九段の九段第3合同庁舎で開催した。
 最初に主催者あいさつとして高崎一郎局長が「IoT、ビッグデータ、AIなどが実用化の時期を迎えようとしていますが、地域の企業もビジネスや雇用の創出、さらには地域の課題の解決などにつなげていくことが期待されています。このような動きに対応するため、総務省でも、9月29日に『地域IoT実装推進タスクフォース』を設置、2020年までの地域IoT普及に向け、これまで実施してきた実証実験の成果の横展開、様々な課題の抽出およびその解決策の検討を行っているところです。関東テレコム講演会は、年間3回開催しておりますが、今年度2回目となる今回はIoTをテーマとして、この分野で活躍されている3人の方にご講演いただきます」と述べた。続いて瀧浪壽太郎会長が「当協会はおかげ様で会員数は昨年度、今年度とも順調に増加しています。また、存在価値を益々高めるため、各省庁や各団体に対してご支援の依頼やパブリックコメントなどを積極的に出しております。今講演会のテーマであるIoTについてもどのように利活用していくかは、当協会にとっても重要な課題です」と語った。
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 最初の講演は、ベジタリア社長の小池聡氏の「持続可能な食・農・環境の実現に向けて《科学とテクノロジーによる次世代農業への挑戦》」。小池氏は電通アメリカ副社長などを経て、米国でベンチャーキャピタルを創業。1999年に日本のITベンチャーの底上げを目指しビットバレー構想を提唱、拠点を日本およびアジアにシフト。東京大学・EMP(社会人向けビジネススクール)の1期生として入学し、食・農業・健康・環境に関心を持ち、修了後の2009年に就農。2010年にベジタリアを設立し、「次世代の緑の革命」の実現を目指している。小池氏は「エネルギー問題も大事ですが、人間のエネルギー源である食は非常に大事ではないかと気づきました。そこで就農したのですが、やはり素人がやることですから、病気などに非常に苦しめられました。このため、色々な農家の方に話しを聞いたのですが、基本的に農業は勘と経験則でなりたっています。何故、このようなやり方をするのかと聞いても、理論的に説明できる方はほとんどいません。一方、植物の病気発病のメカニズムや、どのように成長していくかなどのメカニズムは、最先端の研究者によりかなりの部分は解明されています。研究者と実際の農業に従事されている方の間には大きなギャップがあります」と語った。
 これからの農業は、科学的根拠に基づいた農業にならなくてはならず、それには計測(IoT/M2M)、システム(ビッグデータ、データサイエンス、人工知能)が不可欠なものになる。このため、世界で初めて土の中のミネラルをリアルタイムで計測できるミネラルセンサを開発。また、水ストレスを計測できる水マトリックスポテンシャルセンサも独自開発している。
 「色々な取り組みを実際に農業をやりながら次の緑の革命につながるような生産方法が自然の力を最大限に活用することでできるのではないかと考えております。日本の人口は減少していますが、世界の人口はどんどん増えていくわけで、農業のニーズはかなりあります。今、日本の農産物をどう輸出するかという議論がありますが、輸出だけでなく、農業自体を最先端の産業にする必要があります。若い人達がどんどん農業に入ってくるようにしていかなければなりません。これらにより、日本の技術を高めるとともに、世界に貢献できるような技術を広めていきたいと考えています」(小池氏)。
 次にHAROiD社長の安藤聖泰氏が「テレビの未来とIoT『テレビの再定義』への取り組み」について講演した。HAROiDとは、テレビをインターネットの力で大幅にアップグレードさせることを目指したプロジェクトの名前。2015年4月に、同プロジェクトの名前を冠して、日本テレビ放送網とバスキュールの合弁会社としてHAROiDは設立された。このプロジェクトのベースには、時代に合わせて進化させなければテレビはいずれ終わってしまうという強い危機感があったという。「地上波テレビ局のビジネスは絶大なリーチ力に依存しており、そのリーチ力は60年間で築き上げた『テレビデバイスの普及』と『コンテンツ力』の2つの柱に立脚しています。そのどちらかが欠けると、そのリーチ力は弱まり、テレビ局の収益が急速に減速するリスクがあります」
 このため、テレビのIoT化とオーディエンスデータ連携による地域活性化実証プロジェクトを、一般社団法人IPTVフォーラム、静岡第一テレビ、日本テレビ放送網、電通、三菱総合研究所と共同で実施する。実施地域は静岡県および関東。一例として「テレビマイレージ」サービスでは、テレビを視聴すればするほどポイントが貯まるサービスで、ポイントは地元の商品または商品券と交換でき、地元消費による地域振興を図る。最後に「私達が本当に危機感を持たなければならないのは『テレビ画面を他人に取られること』ではなく『テレビを買わなくなってしまうこと』だと思っています。インターネット時代に適応した『テレビの再定義』が必要だと考えています」(安藤氏)。

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