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5G用周波数確保に向け基本戦略策定へ 総務省

【2016年10月28日】

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   ▲ 富永昌彦局長

 総務省は10月12日、5G実現に向けた周波数の具体化と技術的条件を策定するため、情報通信審議会技術分科会に対し、「新世代モバイル通信システム(2020年代の移動通信システム)の技術的要件」を諮問した。2017年夏を目途に5G用周波数確保に向けた基本戦略を取りまとめる予定。その後、基本戦略に基づき5G用周波数帯を具体化し、周波数帯ごとに技術的条件を順次取りまとめる。移動通信への新たな割当を検討しているのは、6GHz以下の周波数帯では1・7/2・3/2・6/3・4/3・6~4・2/4・4~4・9GHzだが、6GHz以下の周波数帯は既に衛星・放送など他無線局が使用しているため、共用あるいは使用中の周波数帯を移動して空ける作業が必要になる。
 国際電気通信連合(ITU)は2019年に世界無線通信会議(WRC19)を開催し、5G用候補周波数として24・25~86GHzまでの11帯域を検討し、具体的な周波数を特定する。5G候補周波数帯は6GHz以上の周波数帯では24・25~27・5/31・8~33・4/37~43・5/45・5~50・2/50・4~52・6/66~76/81~86GHzとなっている。加えて、米国が28GHz帯を5Gに使いたいとしている。総務省では今後、国際的な仕様、周波数が決まるITU、3GPP等で国際標準化活動を展開する。
 総合通信基盤局の富永昌彦局長は「5Gでは最大10Gbpsの超高速、1平方㌔あたり100万台の多数同時接続、送受信時間1㍉秒程度の超低遅延等をターゲットとしている。5Gでは新たに加わる対象領域が増えて収益構造が変化するため、設備投資は幅広い産業とのパートナーシップビジネスを考える必要がある」と話した。5G実現に向けた課題は、①研究開発・総合実証試験の推進②国際連携・協調の強化③5G周波数の具体化と技術的要件の策定―の3つ。5G研究開発は2015年度から進めており、2020年に世界に先駆けて5Gを商用化できるよう、なるべく早い段階で技術を確立する。ユーザー参加型の5G実証試験を東京と地方で実施する。
 5Gシステム総合実証では例えば、スタジアムで数万人の観客が同時に大容量のデータを送受信できるシステム構築を想定している。超高精細、多視点、3Dの映像、ウェアラブル端末、VR等を活用するほか、ウェアラブル端末を通じて選手のデータを収集・分析する。スマートファクトリーでは5Gを工場に応用する。高性能イメージセンサーを多数配置して大容量データを収集し、瞬時に分析・解析して機器のリアルタイム制御やメンテナンスを行う。また、オフィス空間で活用することによりバーチャル会議を行う。富永局長は「日本企業が国際競争力を強化するためには重要技術で国際的なリーダーシップを取ることが重要だ。主要国と国際共同研究を実施して国際標準を獲得することが必要だ」と語った。

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