行政

三浦電波監視センター 開所70周年記念式典 総務省関東総通局

【2016年11月28日】

写真
▲ 髙﨑局長
写真
▲ 吉田三浦市長
写真
▲ 屋上から撮影したアンテナ群

 総務省関東総合通信局(髙﨑一郎局長)は、11月18日に三浦電波監視センター(神奈川県三浦市)で、同センターの開所70周年記念式典を開催した。式典では吉田英男三浦市市長らが祝辞を述べ、昭和30年代に同センターに従事した元関東総合通信局職員の野村邦夫氏は当時の思い出を話した。式典を前に出席者、報道関係者は施設を見学した。また、記念行事の一環として同センターの変遷をたどる古写真や関係資料を展示するスペースも設けられた。

 三浦電波監視センターは、短波帯電波監視業務と宇宙電波監視業務を行い、国際電気通信連合(ITU)の国際監視局に指定されている、日本唯一の施設。
 海外や国内から到来する短波帯以下の周波数の電波と人工衛星からの電波を監視している。また、わが国の重要無線通信(航空海上・宇宙通信等)に対する電波の混信や妨害に対しては発射源を特定し排除要請を行う。このように国内の電波秩序から国際秩序の維持まで、国民生活の安心安全を守るため日夜監視業務に努めている。
 三浦電波監視センターは、旧海軍横須賀海軍工廠通信実験部初声実験所が前身で、70年前の昭和21年、中央電波観測所初声分室として設置(短波帯の電波監視を開始)。23年、中央電波観測所が岩槻(埼玉県)から初声へ移転。24年、関東電波管理局(のちに関東電波監理局)の東京電波監視局に改称された。25年、ITU国際監視局に登録。国際監視業務を開始した。その後、組織改正などを経て、62年に短波帯監視施設(4ヵ所)を初声に一元化。平成7年に「DEURAS―H」を導入。10年、宇宙電波監視業務を開始。12年に宇宙電波監視センターを新設した。
 なお、三浦電波監視センターは組織名称ではなく、用語の意義を定める通達として定義したものである。
 開所70周年記念式典ではまず髙﨑局長が開会挨拶した。「当センターは昭和21年4月初声分室として発足した。それから70年、電波監視業務を続けている。昭和25年に電波法が施行された。この分野は、ラジオ、テレビの放送などで皆さんの身近なところで成長し、今日ではIoTや4K・8K放送と電波はさらに利用が広がっている。今年7月の総務省の電波政策2020懇談会報告書での電波を利用した各種ワイヤレスビジネスでの成長・海外展開に向けた検討では、官民共同で海外展開すべきとしているところだ。当センターが電波監視業務を行っている短波通信電波監視、宇宙空間電波監視業務は、世界的にも評価されているところで、将来にわたっても重要な取り組みであることに変わりない」と述べた。
 吉田三浦市市長が祝辞を述べた。「このような日本の重要な機関が三浦市にあることは市の誇りである。これからもぜひ、電波を監視するという高い使命感をもって、これからもご活躍いただければと思う。今回を契機に同センターをしっかりPRしていきたい」と述べた。
 続いて榊彰義神奈川県立海洋科学高等学校校長が祝辞を述べた。中川篤KDDI電波部長が祝辞を述べた。
 その後、浅見一浩三浦電波監視センター次長が施設を紹介した。映像による紹介も行った。  続いて「電波夜話」と題して元関東総合通信局職員の野村氏が昭和30年代から40年代に三浦電波監視センターで従事した思い出話を語った。「昭和32年、当時の郵政省に採用されて、9月にこちらの監視機関で働き始めた。当時の初任給は7千円いくかいかないか。私は監視第一課通信係で、24時間体制で当時はモールス信号のやりとりが主で、そのほか全国から電報のやりとり、また、不法電波を補足したときのやりとりなどで方位測定係と連携して発射源を特定する。当時は冷戦時代で、外国の在外公官絡みの暗号電波もあってそれを捕捉したこともあった。漁業無線での違法通信もあって、近海漁で通信士によって漁獲高が3倍違うといった話もあった」と当時のエピソードを語った。
                          ◇
 式典前に短波帯・宇宙電波監視施設などの施設見学会が行われた。短波帯による無線通信は、短波が地球の裏側まで届くという特性を持ち、航空海上無線をはじめとして、放送の分野ではNHKの国際放送「NHKワールド・ラジオ日本」が世界各国に届けられるなど、重要な役割を担う周波数帯である。同センターでは、70年前から短波帯の電波監視を開始し、今日に至っている。
 一方、地球を取り巻く宇宙空間における電波利用は年々拡大を続けており、同センターは宇宙電波監視を18年前から開始。国内外の人工衛星の監視、電波干渉の排除に加えて、衛星通信網の国際調整に資するデータ収集等を行う、国内唯一の貴重な施設として運用を続けている。
 そして、電波監視に対する理解を深めてもらうことを目的に見学会を開き、「監聴室」「宇宙電波監視監聴室」と施設の屋上の3ヵ所をまわった。
 短波監視施設では「DEURAS―H」(短波方位測定設備)、短波帯監査装置、電波スペクトル自動記録装置、短波帯アンテナが紹介された。宇宙電波監視施設では静止衛星監視施設、非静止衛星監視施設、パラボラアンテナ、VHF/UHF/X帯アンテナが紹介された。
 DEURAS―Hは、全国5ヵ所に電波の到来方向を検知するセンサ局と、これを高速デジタル回線で遠隔制御する地方センタ局を設け、さらに、これらの地方センタ局を三浦電波監視センターに設置する集中センタ局から高速デジタル専用回線で遠隔操作して電波の発射地点を特定するシステム。専門の担当職員が画面に表示される方位線などの情報を分析、また、受信した電波をモニターするなど、不法無線局の探索や無線局の運用監査、電波の発射状況調査などの業務を行っている。
 また、三浦電波監視センターで行っている宇宙電波監視は、人工衛星からの電波を受信し、その電波諸元の測定や衛星の軌道位置の分析などを行い、人工衛星が正しく運用されているかの監視、混信などの原因調査をその任務としている。宇宙電波監視センタ室では、宇宙電波監視用機器の制御を行っている。

行政一覧へ  トップページへ