行政

放送事業用無線局の技術的条件整備へ 情通審

【2016年12月16日】

 情報通信審議会の情報通信技術分科会の放送システム委員会(主査・伊丹誠東京理科大学基礎工学部教授)は、平成28年5月から「超高精細度テレビジョン放送のためのマイクロ波帯を使用する放送事業用無線局(FPU)の技術的条件」について検討してきた。
 このほど委員会報告(案)を取りまとめ、報告(案)について、平成28年12月13日から平成29年1月16日までの間、意見を募集している。
 情報通信審議会の情報通信技術分科会の放送システム委員会は、平成28年5月から「放送システムに関する技術的条件」のうち「放送事業用無線局の高度化のための技術的条件」のうち「超高精細度テレビジョン放送のためのマイクロ波帯を使用する放送事業用無線局(FPU)の技術的条件」について検討を行っており、報告書(案)はこれまでの検討の結果を取りまとめたもの。
 今後、意見募集の結果を踏まえ、報告をとりまとめる予定。
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 超高精細度テレビジョン放送のためのマイクロ波帯を使用する放送事業用無線局(FPU)の技術的条件では、その背景として次のように明記した。
 『超高精細度テレビジョン放送(4K・8K)については、「放送サービスの高度化に関する検討会」(座長・須藤修東京大学大学院教授、平成24年11月~平成25年6月)において、4K・8Kの推進に関するロードマップが策定され、本ロードマップを元に、「4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合」(座長・伊東晋東京理科大学理工学部教授)において、ロードマップの更なる具体化、加速化及び課題解決のための具体的方策について検討がなされた。
 本会合においては、平成27年7月に第二次中間報告を公表し、平成32年(2020年)には4K・8K放送が一般視聴者にも広く普及するよう、平成30年(2018年)のBS・110度CSによる4K・8K実用放送の開始などの目標が示されており、平成28年8月には、BSによる試験放送が開始された。
 このような状況の中、番組伝送用の放送事業用無線局(FPU1)についても、4K・8K素材伝送に対応した高伝送ビットレートをもつシステムが必要となるため、今般、現行の地上デジタル放送において主に使用されているマイクロ波帯を使用するFPUの高度化を図るため、必要な技術的条件の検討を行った」。
 そして、FPUの高度化に関する技術では次のように明記した。『現在のマイクロ波帯FPUの周波数は、1チャンネルあたりの占有帯域幅が17・5MHz、チャンネル間隔が18MHzで割り当てがなされている。
 このチャンネル割り当てを変えずに4K・8K用FPUを実現するためには、伝送効率を飛躍的に向上させる必要がある。
 そこで、水平偏波と垂直偏波を同時に用いる偏波MIMO(Multiple―Input Multiple―Output)技術と超多値OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を組み合わせた大容量伝送技術をマイクロ波帯FPUに導入する。
 偏波MIMO技術とは、同じチャンネルの水平偏波と垂直偏波を同時に使用し、それぞれ異なる情報を伝送する技術で、伝送容量を2倍にすることができる。
 これに対して超多値OFDMはサブキャリアの変調多値数を大幅に拡大することで一つのキャリアシンボル内で伝送できる情報量を増加させる技術である。(以下略)』。
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 そして、FPUの高度化に求める要件では次のように明記した。
 『現行のマイクロ波帯FPUは、地域毎に各放送事業者のチャンネル割当てが決められた中で運用されている。特に、マイクロ波帯FPUは緊急報道等でも使用されるため、隣接チャンネルへの影響も考慮して運用されていることから、4K・8K用FPUにおいても、現行のFPUとの共存を図るために、現行のマイクロ波帯FPUにおいて各免許人に割当てられた周波数チャンネルと同一周波数の繰り返し利用をすることに加え、占有周波数帯域幅及び送信電力等の電波の質に関わる技術的条件は、現行のマイクロ波帯FPUと同一のものとすることが前提となる』。

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