行政

29年度電波資源の拡大研究開発 総務省

【2016年12月21日】

 総務省は、平成29年度から新たに実施する予定の「電波資源拡大のための研究開発の基本計画書(案)」について、12月17日から来年1月20日までの間、意見を募集している。
 総務省では、新たな電波利用ニーズの拡大に対応するため、周波数のひっ迫状況を緩和し、電波の有効利用を目的とした「電波資源拡大のための研究開発」を実施している。
 このほど、29年度から新たに実施する予定の研究開発の提案の公募に先立ち、研究開発内容、技術課題、到達目標等を記載した基本計画書(案)について、広く意見を募集するもの。
 今後、総務省では、意見を踏まえ、基本計画書を策定し、速やかに研究開発の提案の公募を行う予定。
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 「基本計画書(案)」―膨大な数の自律型モビリティシステムを支える多様な状況に応じた周波数有効利用技術の研究開発―では目的を次のように明記した。
 『我が国が超高齢化と労働人口減少を迎える中、過疎地も含めた高齢者の安全・安心な生活や観光、土木、福祉等の多様な経済活動の生産性確保等を図るため、高信頼・高精度な自動走行を実現する自律型モビリティシステム(自動走行技術、自動制御技術等)の実現が期待されており、主要国でも官民を挙げた大規模プロジェクトが始動している。自律型モビリティシステムの実現のためには、移動体(電気自動車、電動車いす、自律ロボット等)自身に搭載するセンサーだけでなく、高度な自己位置推定や周辺環境認知を可能とする高度地図データベース等の情報を、遅延なくリアルタイムに収集・把握する通信技術の確立が極めて重要で必要不可欠である。
 一方で、現在日本で走行している約8000万台の車を含めた膨大な数の移動体が、無線通信を介して、大容量の情報をリアルタイムにやり取りするようになった場合には、膨大な通信需要が生じることが想定されるため、限られた電波資源を最大限有効利用するための技術の確立も必要不可欠である。このように多様な分野への展開が期待されている自律型モビリティシステムを支える通信技術を確立するため、高度地図データベース等の多様で大容量な情報について、膨大な数の移動体との間でリアルタイムなやり取りを可能とする技術を確立するとともに、限られた電波資源を最大限に有効利用するための技術を確立することが必要であることから本研究開発を実施する。』
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 「基本計画書(案)」―地上テレビジョン放送の高度化方式に対応したSFN方式による中継技術に関する研究開発(「地上テレビジョン放送の高度化技術に関する研究開発」の追加研究課題)―では目的を次のように明記した。
 『わが国においては地上テレビジョン放送で使用できる周波数は非常にひっ迫している状況にあるが、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会が開催されることもきっかけに、超高精細度放送やスマートテレビ等の機能を活用した新たな放送サービスに対する視聴者のニーズが高まっているところである。また欧米の標準化機関であるDVBやATSCにおいても第2世代地上デジタルテレビジョン放送の研究開発が進められ、一部の国や地域においては超高精細度放送の試験放送の実施、本放送の計画等が策定されている。わが国においても、「世界先端IT国家創造宣言(平成27年6月閣議決定)」に「次世代放送・通信サービスの実現による映像産業分野の新事業創出、国際競争力の強化」として「2020年には、4K・8K放送が普及し、多くの視聴者が市販のテレビで4K・8K番組やスマートテレビに対応したサービスを享受できる環境を実現」と記載されており、「4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合第二次中間報告(平成27年7月30日公表)」においては「地上放送における4K・8Kの実現には技術やコスト等の解決すべき課題は多い。
 このため、より効率的な伝送を実現すべく、速やかに総合的な研究開発の取組を進める。」旨記載されている。さらに、「放送を巡る諸課題に関する検討会 第一次とりまとめ(平成28年9月9日公表)」においては、「地上テレビジョン放送の高度化については、必要な研究開発を着実に進め、前向きに検証を行っていくことが重要であり、今後はその課題等について、関係者・有識者の知見を糾合する形で検討を進めることが適当である。」旨記載されている。
 こうした背景から、国として地上テレビジョン放送の高度化技術に関する研究開発に早期に着手し、超高精細度地上放送を可能とする伝送容量拡大技術や伝送効率向上技術等の確立により周波数の有効利用の一層の向上に資することを目指して、平成28年度から「地上テレビジョン放送の高度化技術に関する研究開発」において、放送システムを構築する上で基本となる親局からの送信技術に関する研究開発を実施している。
 逼迫している地上テレビジョン放送用周波数帯で、超高精細度地上放送を実現するためには、親局からの送信技術の確立とともに、同一の周波数を繰り返し利用するSFN(Single Frequency Network)方式による中継技術を実現し、親局及び多数の中継局により放送エリアの確保・拡大を図ることが必要不可欠である。このため、平成28年度から実施中の研究開発で開発される新たな伝送方式において、SFN方式による中継技術を実現するための研究開発を実施する。』

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