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若手研究者による「SCOPE」の成果など公開 関東総通局/電子情報通信学会東京支部

【2017年01月20日】

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▲ 主催者挨拶する髙﨑局長
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▲ 伊丹次期支部長
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▲ 京都大学大学院 守倉教授
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▲ 東京大学大学院 鳴海講師

 総務省関東総合通信局(髙﨑一郎局長)は、一般社団法人電子情報通信学会東京支部(川添雄彦支部長)との共催により、機械振興会館において「戦略的情報通信研究開発セミナー2017」~SCOPEによる若手研究者の活躍に向けて~を開催した。
 冒頭に主催者挨拶として高崎一郎局長が「ICTはイノベーションの原動力であり、これを活用することにより地域の課題解決力の向上、国際競争力の強化につながります。ICTの先進的な研究開発を推進するため、SCOPEの事業に取り組んでいます。SCOPEでは若手研究者の育成、中小企業の斬新な技術の発掘などを行っており、今年度で15年目を迎えています。また、ICT分野の研究開発による新事業創出を図るという観点から、企業や大学などによる新技術による事業化を支援する事業『I―Challenge』を一昨年度から開始しております。本日の講演は、いずれもSCOPEやI―Challengeに提案したり、ICT分野での研究開発に取り組む上で、重要かつ参考になる講演となっています」と述べた。続いて東京支部 次期支部長の伊丹誠氏(東京理科大学 教授)が「本日は、特別講演をはじめ、若手研究者によるSCOPEでの貴重な研究開発についてご講演いただきます。これらが少しでも皆様にご参考になり、SCOPEに積極的にご参加されるようになれば、主催者として非常に光栄です。今後も電子情報通信学会では、総務省関東総合通信局のご協力の基、色々とイベントを行っていきたいと考えております。本日はありがとうございました」と挨拶した。
 最初の講演は京都大学大学院 情報学研究科 教授の守倉正博氏による特別講演「M2Mネットワーク」。守倉氏は「現在、Wi―Fiが非常に普及していますが、M2Mネットワークを構築するにあたってはWi―Fiといかに共存するかがポイントとなります。また、研究分野としてはヘルスケアで、老人ホームやオフィスにおいて生対線さを用いた健康状態モニタリングシステムの運用を想定しています。この場合、1人に複数のセンサを装着しますが、これによりセンサの数は合計で数百個に達します。1つのセンサが電池で10年間持つとしても、これだけの数になるとしょっちゅう電池交換を行わないといけなくなります。このため、バッテリーレスのマイクロ波送電の開発に取り組んでいます。マイクロ波送電は電波を使用するため、通信用の無線と干渉してしまいます。従来の対策である周波数分割運用では充分ではないため、給電・通信の時分割運用法を提案。また、給電中の伝送レート低下の問題については、レクテナの出力を利用する適応レート制御法を提案している」と述べた。
 次にSCOPE若手ICT研究者等育成型研究開発プログラム(関東総合通信局管内)として、東京大学大学院 情報理工学系研究科 講師の鳴海拓志氏が「視覚触覚間の感覚間相互作用を利用した形状伝送システムの研究開発」、埼玉大学大学院 理工学研究科 准教授の辻俊明氏が「運動データベースのための力学モデルに基づく時空間データ解析技術」について講演した。「視覚触覚間の感覚間相互作用を利用した形状伝送システムの研究開発」は、視覚触覚間相互作用を利用した触知覚定時手法を通信に応用し、簡易に高精細な触知覚の取得・伝送・再現を可能にするシステムの実現を目指すもの。同研究開発では、3次元のなぞりに対する効果の検証として実験を行った。モニターの裏に円筒を置き、被験者にはモニターごしにその円筒を触ってもらう。円筒はカメラで撮影されており、被験者はモニターで触っている場面を見ている。しかし、画像処理により、実際は円筒だが画面では樽状になったり、中央部が細くなったり、色々な形状に変化させている。また、被験者の指も画像処理により、変化させた形状に追随するように動く。被験者は画面を見ながら指を動かすが、80%の被験者が実際に触れている円筒ではなく、画面に映った様々な形状と認識している結果になったという。この他、VRによる視触覚リダイレクションや超現実テレプレゼンスなどの取り組みも紹介した。
 「SCOPEでは、視覚と触力覚のクロスモーダル効果を利用することで、ほとんどメカニカルな部品は用いない簡易なシステムでもリッチな触覚を得られるシステムを開発して研究を行いました。実用に向けて必要な改良・新規手法の開発や、ワークショップでの利用・展示等を通じて多くの知見を蓄積することができました。さらに、視点を誘導することや、触覚の良い効果を上手く使うことにより、対面よりも豊かな遠隔の共同作業やコミュニケーションにつながるのではないかと思っております。このようなチャレンジングな取り組みへのチャンスをいただけたことについて、SCOPEには大変感謝しております」(鳴海氏)。
 最後に総務省 情報通信国際戦略局 技術政策課 技術企画調整官の岩間司氏が「SCOPEの公募概要について」、総務省 情報通信国際戦略局 技術政策課 課長補佐の白壁角崇氏が「I―Challenge!の公募概要について」のそれぞれを説明した。

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