行政

「固定電話網の円滑な移行の在り方」一次答申 移行後のIP網のあるべき姿 情通審

【2017年03月03日】

 情報通信審議会電気通信事業政策部会(部会長・山内弘隆一橋大学大学院商学研究科教授)は、「固定電話網の円滑な移行の在り方」一次答申~移行後のIP網のあるべき姿~(案)を取りまとめた。
 情報通信審議会は、28年2月25日、総務大臣より「固定電話網の円滑な移行の在り方」について諮問を受けたことを踏まえ、電気通信事業政策部会及び電話網移行円滑化委員会において調査審議を積み重ねてきた。そして、29年1月24日開催の第37回電気通信事業政策部会において、答申(案)を取りまとめた。今後、答申(案)については、意見公募を踏まえ、調査審議を行い、総務大臣に対して答申する。
 答申(案)では、「基本的な考え方」として次のように記した。
 NTT東日本・西日本のPSTNは、主に①基本サービス等(通話の発着信、緊急通報、INSネット(ディジタル通信モード)を含む)を自社サービスの利用者向けに提供②競争基盤(マイライン機能、中継選択機能を含む)を競争事業者向けに提供③交換機を介して事業者間の通話を媒介する「ハブ機能」を自社サービスの利用者及び接続事業者向けに提供するという役割を担っている。
 現在、携帯電話やブロードバンドなど多様な通信手段の利用が進んでいるが、全国あまねく提供され、拡大傾向にある0AB~J IP電話(光IP電話を含む)を含め約5600万件の契約を有する固定電話は、地域の住宅・事業所(ビジネス・学校・公共機関等)といった拠点との基本的な通信のための手段であり、社会経済活動に不可欠な基盤としてIP網への移行後も必要とされるものである。
 こうした基盤の提供とあわせ、IP網への移行により、IP網の特性を活かし、距離に依存しない低廉な電話サービスが利用可能になるとともに、アクセス回線の光化の進展と相まってブロードバンド等の高度で多様なサービスが利用者に対し提供されるものと考えられ、こうしたIP網への移行の意義を最大限活かすことにより移行の円滑化が一層図られることが期待される。
 電話網移行円滑化委員会においては、PSTNからIP網への円滑な移行に向けて、「NTT東日本・西日本のPSTNの役割」「ネットワーク構造の変化」「技術・市場の動向」等を踏まえつつ、2011年12月の情報通信審議会(情通審)答申で示した「継続性」「予見性・透明性」「発展性・柔軟性」に、「経済性・簡便性」を加えた4つの基本的視座に基づき、個別課題の検討を進めてきた。
 本答申においては、こうした検討を踏まえ、固定通信市場において拡大傾向にある0AB~J IP電話(光IP電話を含む)や光ブロードバンドへの移行を見据えた競争環境整備を促進し、メタル電話利用者の移行を促すとともに、過度な負担発生を回避しながら、移行に直ちに対応できない利用者に対しては適切な補完的措置(メタルIP電話等)を提供し、移行によるメリットを最大化し、想定されるデメリットを最小化するべく、政策の方向性や講ずべき施策等をとりまとめる―とまとめた。
 さらに、次のように記した。
 IP網への円滑な移行を図るためには、NTTを含む事業者と行政それぞれが、互いに連携をしつつ、2025年頃に中継交換機等の維持限界を迎えるとされている現状やIP網への移行の意義に関する国民の理解醸成、移行に係る必要な情報の開示を行い、積極的な移行の流れを生み出すことが重要である。
 事業者においては、本答申が示した個別課題の事業者間協議に加え、「事業者間意識合わせの場」等における事業者間協議を加速することが必要であり、総務省においては、必要な制度整備等を行うとともに、事業者の取組を促進することが必要である。
 本審議会は、本答申に基づく取組が適切かつ確実に実施されているかについて、NTTからの定期的な報告を求め、また、必要に応じて事業者等からの意見聴取を行いつつ、フォローアップを実施し、必要な検討・見直し等を行う。

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