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28年度第2回情報通信講演会を開催 電波協力会

【2017年03月13日】

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講演会の模様

 電波協力会(事務局:一般財団法人情報通信振興会)は、3月7日に東海大学校友会館(東京都千代田区)で「平成28年度第2回情報通信講演会」を開催した。
 テーマは『2020年に向けた社会全体のICT化アクションプランの推進~史上最もイノベーティブな2020東京大会を目指して~』。東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される2020年には、4000万人の訪日外国人が想定されている。政府では、これらの訪日外国人の快適な滞在を可能とする「おもてなし」の実現に向けて、都市サービスの高度化を目指す「IoTおもてなしクラウド基盤」の構築、4K・8Kを活用した高度な映像サービスの実現、第5世代移動通信システムの実現など、社会全体のICT化を目指して取り組みを進めており、2020年東京大会の成功と、大会以降のわが国の持続的成長を図ることとしている。今回の講演会は、ICT関係機関が一丸となり、これらの日本の最先端のテクノロジーによる「おもてなし」の実現を目指して、関連施策について理解を深めることにより、2020東京大会の成功及びIoT活用による社会課題解決や企業の事業機会創出等に役立ててもらうことを目指したもの。
 「2020年に向けた社会全体のICT化」と題して、総務省情報通信国際戦略局情報通信政策課長の小笠原陽一氏が講演した。
 小笠原氏は、『2020年に向けた社会全体のICT化 アクションプラン』の概要を説明。ここでは、8つの柱を明示。①言葉の壁をなくす 多言語音声翻訳対応の拡充②情報の壁をなくす デジタルサイネージの機能拡大③移動の壁をなくす オープンデータの利活用推進④日本の魅力を発信する 放送コンテンツの海外展開⑤接続の壁をなくす 無料公衆無線LAN環境の整備促進⑥利用のストレスをなくす 第5世代移動通信システムの実現⑦臨場感の向上。感動の共有 4K/8Kの推進⑧利用の不安をなくす サイバーセキュリティの強化―である。
 小笠原氏は、ここでの『各分野の横断的なアクションプラン』にスポットを当てた。ひとつは「都市サービスの高度化」。具体的には、スマートフォンや交通系ICカード等を活用。街中や公共施設のサイネージ、商業施設や宿泊施設等において、訪日外国人、高齢者、障がい者をはじめ、誰もが、属性(言語等)や位置に応じた最適な情報やサービスを入手することだ。2016年度中に実施地域での先行着手。20年までに社会実装を実現するとしている。
 もうひとつは「高度な映像配信サービス」。具体的には、映画館、美術館・博物館、競技場などの公共空間のデジタルサイネージ等大画面に対し、臨場感ある4K・8Kの映像配信を実現する。16年度中に実施地域での先行着手。20年までに全国の各地域へ展開するとしている。
 さらにこの2つで詳細を述べた。「都市サービスの高度化」では『IoTおもてなしクラウド事業の推進』だ。IoT時代の技術進歩の成果を踏まえ、訪日外国人等のスムーズな移動、観光、買い物等の実現に向けスマートフォン、交通系ICカードやデジタルサイネージ等と、共通クラウド基盤を活用した多用なサービス連携(個人の属性・言語等に応じた情報提供や支払手続の簡略化等)をめざすとして「ここでIDとひもづけて属性情報を管理する『共通クラウド基盤』がいわゆる〝情報信託銀行〟にならないか、内閣府や総務省、経産省で取り組んでいる。何らかの成長戦略にできないか、内閣府の中間とりまとめを経て、総務省、経産省で検討会を開く」と述べた。続いて、IoTおもてなしクラウド事業での地域実証事業を紹介。ホテルでのチェック手続きや販売店での免税手続きの効率化などを実証実験(本紙既報)した東京・港区の六本木・虎ノ門エリアでの取り組みなどを紹介した。「〝情報信託銀行〟を共通クラウドに担わせた時に、どの程度持たせるかが重要になる」と話した。
 「高度な映像配信サービス」では「ここでのアクションプランのポイントは、2020年東京大会に向け、4K/8K及び超高臨場感技術といったわが国の世界最先端の映像技術を組み合わせた〝ショーケース〟として、世界各国に対して新しい楽しみ方、リアルな映像体験を体現すること。ここでのショーケースとは、競技場に来られない方へいかに情報通信技術でお伝えするかだ。一般社団法人映像配信高度化機構が推進していく」と述べた。
 次いで、「映像配信2020」と題して、慶応義塾大学教授、一般社団法人映像配信高度化機構理事長の中村伊知哉氏が講演した。
 中村氏は①スマホ1st(ファースト)②4K/8K/PV(パブリックビューイング)③IoT/AI―をテーマに講演。「『Next Beyond Smart』は、WEAR(ウェアラブル)、IoT、AIの世界だ。つまり、いつでも何でも賢くなっていくことだ。日本で米国の『ネットフリックス』『フールー』などのサービスが始まり、日本の『AbemaTV』も登場した。日米でテレビに関わる動画配信の捉え方を比較すると、米国はIT業界中心でテレビをPCに変えようとするアプローチである。一方、日本は放送業界中心で、テレビもPCもスマホも一緒に使うというテレビを中心にしたビジネスモデルではないだろうか。そのひとつの例が『ハイブリッドキャスト』だ。テレビとネットの同期をとって画面をリンクさせるいわゆるダブルスクリーンが特長ではないか」と述べた。
 続いて「私は、一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアムの理事長を務めているが、デジタルサイネージの現状をみると、家内はスマホ主流だが、大画面高精細映像は表に出てきている。デジタルサイネージはネットにつながることが前提のメディアとなってきており、ビジネスとしてはこれからが本番だ。大きな画面でみんなで街に出ていって映像を楽しむ。2020年に向けて、それが一体感、共有感を生むのだ」と述べた。
 そして、自身が代表理事を務める一般社団法人映像配信高度化機構(NexCDi―F)の活動について述べた。
 最後に一般社団法人CiP協議会が進める〝デジタル×コンテンツ特区〟CiP(コンテンツ・イノベーション・プログラム、東京・竹芝地区)を紹介した。
 次いで、「多言語音声翻訳の開発と社会展開~第4次産業革命を超えて~」と題して、国立大学法人東京大学大学院情報学環教授、国立大学法人東京大学総合教育研究センター長の須藤修氏が講演した。
 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の多言語音声翻訳アプリ「VoiceTra」を紹介しながら、総務省の政策「グローバルコミュニケーション計画」を説明した。さらに多言語翻訳で、2020年をターゲットにした研究開発について、2020年の利用イメージをシチュエーション別に紹介した。

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