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NICTなど、世界初の実用型フェーズドアレイ気象レーダ

2017124日】

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世界初の実用型フェーズドアレイ気象レーダ

 内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「レジリエントな防災・減災機能の強化」の施策として、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、徳田英幸理事長)をはじめとする研究グループは、開発した世界初の実用型『マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダ』(MP―PAWR)を埼玉大学に設置した。12月1日に報道陣に公開した。このレーダは、発達する積乱雲を観測し、20~30分先の局地的大雨や竜巻危険度を高精度に予測することが可能であり、東京オリンピック・パラリンピックでの効率的な競技運営、自治体での水防活動や住民への避難指示、さらに日常生活では洗濯物の取込みなどへの活用も目指している。
 研究グループは、国立研究開発法人情報通信研究機構、首都大学東京、東芝インフラシステムズ、名古屋大学、埼玉大学の5者。
 NICTなどは、12月1日に埼玉大学(さいたま市桜区下大久保255)で、同レーダの見学会を開催した。SIP「レジリエントな防災・減災機能の強化」プログラムディレクターの堀宗朗・東京大学地震研究所巨大地震津波災害予測研究センター教授・センター長が挨拶した。続いて、同レーダを紹介した。MP―PAWRの特徴は▽高さ(仰角)方向に電子走査(ほぼ瞬時にレーダの指向方向の高さ分布を取得)▽水平(方位角)方向は機械駆動(30秒で1回転)▽マルチパラメータ化(2重偏波化)による精度のよい降水推定―であるとし、30秒で雨雲の立体構造を取得するという。『SIP豪雨竜巻』研究開発イメージも示して、MP―PAWRなどで観測・予測を行い、ゲリラ豪雨予測などの予測情報を発信。大規模イベント・水防活動から日常での活用まで役立てたい考えだ。自治体等との実証実験を通じて、これらの技術を社会に実装したいとしている。
 続いて、設置場所である工学部建設工学科3号館屋上に移動した。同レーダ及び受信システムを見学した。NICTはここで、設計と全体の取りまとめを行った。同地は東京都心部を俯瞰できる場所で最適だったという。周辺には荒川流域や東京オリンピック・パラリンピック開催の予定会場もある。同レーダは、11月21日に設置され、無線局免許取得に向けて性能評価を開始。来春にも稼動させたい考えだ。

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