行政

新春インタビュー:高市早苗総務大臣

202016日】

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高市早苗総務大臣

 令和元年9月11日に発足した第4次安倍第2次改造内閣で高市早苗衆議院議員が総務大臣に就任した。そこで、新春にあたって、高市総務大臣に「Society5・0の実現に向けて~2020年の情報通信(ICT)政策の展望~」をテーマに話を聞いた。
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 ―Society5・0の実現を支える5Gの全国展開支援策について、ローカル5Gの施策も含めて教えてください。
 「総務省では、昨年4月の5Gに係る周波数割当ての際に、各携帯電話事業者に対して、2年以内に全都道府県でのサービスを開始することを義務づけるとともに、早期かつ広範に全国展開をするよう条件を付しました。また、昨年6月に総務省が策定した『ICTインフラ地域展開マスタープラン』では、5G基地局やこれを支える光ファイバなどのICTインフラの整備について、特に条件不利地域における整備を促進することにより、都市部と地方部との隔たりなく整備を加速することとしております。本プランを具体化することにより、5GなどのICTインフラの全国的な整備を早急に推進してまいります。また、地域の企業や自治体などの様々な主体が、自らの敷地内などでスポット的に独自に5Gシステムを構築できる『ローカル5G』について、昨年12月に一部の周波数帯で制度整備を行い、免許申請の受付を開始しました。加えて、地域課題の解決に資することが期待されている『ローカル5G』について、地域のニーズを踏まえた開発実証を推進することとしています。総務省としては、携帯電話事業者による5G整備と合わせて、『ローカル5G』を推進することにより、地域における5Gの利活用促進策にも一体的に取り組み、全国各地で5Gが早期に利用できる環境を整えていきたいと考えています」。
 ―5Gに関わる予算・税制(令和2年度概算要求・税制要望)について教えてください。
 「『地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証』を実施するにあたり、令和元年度補正予算案と令和2年度予算案とを合わせ、43・8億円を計上しました。これも含め、令和元年度補正予算案及び令和2年度予算案では、地域における5Gの利活用促進、インフラ整備、5Gの発展・高度化のための周波数確保や技術開発など、5G関連予算施策を大幅に拡充し、合計約250億円を計上しました。また、令和2年度から2年間、ローカル5Gや携帯電話事業者による5G基地局整備を促進する『5G投資促進税制』を創設することとしています。具体的には、法人税・所得税の特例措置として、『ローカル5G』及び『全国5G基地局』の一定の設備について、15%の税額控除又は30%の特別償却を認めることとしています。また、固定資産税の特例措置として、『ローカル5G』の一定の設備について、取得後3年間の課税標準を2分の1とすることとしています。本税制により、安全で信頼できる5Gの導入を促進し、5Gを活用して地域が抱える様々な社会課題の解決を図るとともに、我が国経済の国際競争力を強化してまいりたいと考えております。これらの施策をはじめとする5Gの推進に向けた取組を着実に進めてまいります」。
 ―Society5・0時代の働き方改革の取り組みについて教えてください。
 「総務省では、これまで、ICTを活用した多様で柔軟な働き方の推進のため、関係府省と協力しながら、テレワークの全国的な普及展開に力を入れてきました。テレワークにより、子育て世代やシニア世代、障害をお持ちの方も含め、国民の皆様一人ひとりがライフステージや生活スタイルに合った働き方をすることができます。また、場所を問わず働くことができるテレワークは、都市部から地方への新たな人や仕事の流れを作り出し、地域活性化・地方創生にも寄与するものです。こうした認識のもと、総務省では、『テレワーク・デイズ』や『テレワーク月間』といったイベントによる普及啓発、企業や団体の先進的なテレワーク実施事例の収集・表彰、テレワーク導入を目指す企業などを対象とした全国各地でのセミナーの開催や専門家の派遣といった施策に取り組んできました。特に、昨年夏、テレワークの集中的な実施を呼びかけた、国民運動『テレワーク・デイズ2019』では、全国の幅広い業種・規模の2887団体、68万人が参加して下さり、テレワークの着実な浸透を実感しました。開催を目前に控えた2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会における交通混雑緩和の手段としても、テレワークに大きな注目が集まっていることを感じています。今後は、高精細映像で高速大容量の通信が可能となるなど、テレワークを支える技術も一層進展していくものと考えられます。革新的な技術を用いて、多くの方々がより快適な環境でテレワークを行うことができるようになれば、テレワークの普及に対する大きな後押しになると期待しています。これを好機として、テレワークという働き方を全国的に定着させるため、引き続き、積極的な推進策を講じていきたいと考えています」。
 ―電波制度改革のポイントについて教えてください。
 「『Society5・0』の実現に向けて飛躍的に拡大する電波利用ニーズに対応するため、総務省では2017年11月から『電波有効利用成長戦略懇談会』を開催して電波制度改革について御議論いただき、2018年8月末に報告書が取りまとめられました。その後、この報告書の提言を踏まえ、昨年2月に、周波数割当制度や電波利用料の見直し、技適未取得機器を用いた実験等の特例制度の創設などを内容とする電波法改正法案を国会に提出し、昨年5月に改正法が公布されたところです。このうち、周波数割当制度の見直しは昨年5月に、電波利用料の見直しは昨年10月に、技適未取得機器を用いた実験等の特例制度の創設は昨年11月に施行されています。しかし、電波を巡る環境は刻々と変化しています。これを踏まえ、報告書において提言された内容をフォローアップするとともに、更に深掘りすべき課題や新たに顕在化した課題を検討するため、昨年9月から、『電波有効利用成長戦略懇談会 令和元年度フォローアップ会合』を開催しています。本会合では、ダイナミック周波数共用システムの実用化に向けた制度整備や技術基準不適合機器の流通の抑止、ワイヤレスIoT人材の育成の在り方などについて御議論いただき、昨年12月に『追加提言』が取りまとめられました。この『追加提言』の内容を踏まえ、現在、本年の通常国会への電波法改正法案の提出に向けて、鋭意検討を進めております。電波は、国民共有の財産であり、また、電波利用を巡る状況も絶えず変化していますので、技術革新の状況なども踏まえつつ、電波の更なる有効利用に向けて、引き続き不断の改革を進めてまいります」。
 ―電波システムの海外展開の状況について、お聞かせください。
 「日本が直面する高齢化などの課題を乗り越えて国際的な地位を確保するとともに、国連の定めるSDGsの達成に日本として貢献していくためには、日本の製品やサービスの海外展開を一層推進していくことが重要です。その中で電波システムの海外展開については、2017年度から、我が国が優れた技術を有する電波システムを、アジア諸国を中心にグローバル展開するために、官民で協力して戦略的な取組を推進しています。その一環として、例年、アジア諸国から対象システムの運用・調達に携わる政府機関などの関係者を広く招待し、我が国の電波システム及び航空交通インフラなどを紹介する国際展示会・セミナーを開催しています。昨年は、国土交通省と共同で、4月に『Japan EXPO and Seminar on Wireless×ATM』をマレーシアのクアラルンプール国際空港で開催いたしました。展示会では、マレーシアで取り組んでいる『滑走路面異物検知レーダー』の実演やパネルなどの展示を行ったほか、セミナーでは、アジア諸国の関係者に向けて、我が国が誇る電波システムの紹介を行いました。総務省からは、5Gなど我が国の電波施策に関する講演を行い、我が国の電波システムの優位性を説明するとともに、マレーシアをはじめとしたアジア諸国での活用を呼びかけました。会場では、アジア諸国の関係者から具体的な商談をもちかけられる企業もあり、官民の協力による我が国の電波システムの実用化に向けた取組が着実に進んでいます。来年度からは、対象国・対象分野を広げるなど、一層積極的に海外展開を進めてまいります。総務省全体の国際戦略としては、電波システムのみならず、縦割りを排し総合力を一層発揮して海外展開を進めるため、より実質的な内容を盛り込んだ『総務省海外展開行動計画2020』を本年度内に策定する予定であり、引き続き、精力的に海外展開に取り組んでまいります」。

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