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第42回「放送文化基金賞」贈呈式

【2016年07月27日】

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 公益財団法人放送文化基金(末松安晴理事長)は7月7日、今年で42回目となる「放送文化基金賞」をホテルオークラ東京(東京都港区)で行った。今年は268件の応募・推薦が寄せられ、それらの中から「番組部門」で16番組・5件が、「個人・グループ部門」で8件が受賞した。「番組部門」の「テレビドキュメンタリー部門」では、青森放送の「しあわせ食堂 笑顔と孤独と優しさと」が最優秀賞を受賞。「ラジオ番組」では、CBCラジオの「贄の森」が最優秀賞を受賞した。一方、「個人・グループ部門」の『放送技術』では、NHKの「多視点ロボットカメラによる「ぐるっとビジョン」を用いた新しい映像表現技術の開発」などが受賞した。
  放送文化基金賞は、視聴者に感銘を与えた優れた放送番組や放送文化、放送技術の分野での顕著な業績を対象に表彰するもので、今回が42回目となる。表彰対象は、4月1日から翌年の3月31日までに初めて放送された番組、放送文化、放送技術の分野で成果をあげた個人・グループ。審査方法応募・推薦された全ての放送番組と業績について、専門委員会で審査・選考し、さらに審査委員会を経て、理事会で決定する。
 放送文化基金 理事長の末松安晴氏は、冒頭の挨拶で「今回は268件におよぶ応募・推薦の中から、約2カ月におよぶ審査期間の間、審査委員に皆様には熱心に審査していただき、お礼申し上げます。また、厳正な審査の末に選ばれた、受賞者の方々には敬意を表します。放送を取り巻く環境は大きく変化しております。4K/8Kなど高精細化や、インターネット経由での番組視聴など、多様なシステムが具現化しております。しかし、質の高い番組作りという重要性は全く変わらない」と述べた。
 続いて来賓挨拶が行われ、まずNHK会長の籾井勝人氏が登壇し「いよいよ8月1日から4K/8Kの試験放送が開始されますが、技術が進んでもどんなテーマでどのように伝えるか、ということは絶えず課題となります。これを解決するのは、制作者の皆様のクリエイティビティと努力で切り開かれると思っております。今回、放送文化基金賞を受賞した番組は、民放番組も含めてできるだけBSプレミアムで今秋から放映する予定で、準備を進めています」と挨拶した。次に一般社団法人日本民間放送連盟 会長の井上弘氏(東京放送ホールディングス兼TBSテレビ代表取締役会長)のコメントを専務理事の木村信哉氏が代読した。「受賞者の皆様おめでとうございます。今回もNHKの実力がいかんなく発揮されるとともに、民放においても、特に地方局が多数受賞しています。今後も切磋琢磨していくとともに、技術の向上や地域の掘り起こしなどに取り組んでいいきたいと思っております。受賞者の皆さんには、今後の放送界を牽引していくことを期待します」。

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 続いて贈呈式。はじめに個人・グループ部門の8件の表彰となり、「放送文化」で4件が受賞。「放送技術」では、多視点ロボットカメラによる「ぐるっとビジョン」を用いた新しい映像表現技術の開発した多視点ロボットカメラ開発グループ(NHK)をはじめ、FPU、SNG共用受信アンテナを開発したFPU、SNG共用受信アンテナ開発グループ(テレビ朝日)HTML5を用いた自局放送プログラム確認システム「Tereco」の開発した山陽放送、現行地上波でHDと4Kのサイマル視聴を実現する番組技術を開発した、(フジテレビジョン)が受賞。「ぐるっとビジョン」は、カメラマンが操作する1台のカメラに対応した複数(15台)のカメラを連動制御させることにより、設営が簡便でスポーツ中継のように広範囲で動く選出への多視点映像化を可能にした。会場では実際に「ぐるっとビジョン」を用いた連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の映像が紹介された。
 次に番組部門、16番組、5件の表彰となった。会場では受賞者が表彰を受ける前に、それぞれの受賞番組のダイジェスト版を流し、内容を一部紹介した。テレビドキュメンタリー番組の部門では、青森放の「しあわせ食堂 笑顔と孤独と優しさと」が最優秀賞を受賞した。放送文化基金賞審査委員会の吉田喜重委員長は講評の中で、「青森市内の過疎化する浅虫温泉では、高齢化が進み、その健康を守ろうと設置された病院が、病院長夫妻の発案で、高齢者の日々の健康を考え、食堂を併設、それが街の高齢者たちの憩いの場、コミュニティーとなってゆく長い歳月を記録したものです。それは地方のテレビでなければできない作品として、高く評価されました。ドキュメンタリー部門では毎年、公共性の高いNHKが受賞することが多かったのですが、今回の青森放送は4年ぶりの民放の受賞となります」と語っていた。
 この他、テレビドラマ番組部門では、TBSテレビ朝日の「赤めだか」、テレビエンターテインメント番組部門では、東海テレビ放送の「人生フルーツ ある建築家と雑木林のものがたり」、ラジオ番組部門では、CBCラジオ「贄の森」が最優秀賞を受賞した。また、番組部門で個人を表彰する5件の中の演技賞では、俳優の佐藤健さんと女優の樹木希林さんが受賞した。佐藤健さんは「完全に作品に取らせてもらった賞です。改めて志の高い作品に声をかけていただいて、ありがたく思っております。なかなかこのような作品と出合うことは簡単ではないのですが、この作品や頂いた賞に恥じぬように仕事に励んでいきます」とコメントした。樹木希林さんは「三島由紀夫賞受賞会見での蓮實重彦さんばりに"迷惑"と言おうと思ってきましたが・・・ありがたく頂きます」と述べ、会場は笑いに包まれた。

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