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31日から「2016年年次大会」 映像情報メディア学会

【2016年08月29日】

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   昨年開催の「年次大会」の模様

 一般社団法人映像情報メディア学会(ITE、高畑文雄会長)は、「2016年年次大会」を8月31日(水)?9月2日(金)の3日間、三重大学の工学部講義棟(三重県津市)で開催する。映像情報技術は、放送・通信・パッケージなどさまざまなメディアにおけるキーテクノロジーとなっており、多方面で精力的な研究開発が進められている。同大会はその最新成果を持ち寄り、研究者、技術者が一堂に会して意見交換を行う場として開催される。毎年好評の企画講演は、今年もホットなテーマを第一人者が論じる。また、注目されるキーワードに関わる講演を集めて、発表に関する密度の高い質疑が行える特集テーマ講演を多数用意している。新たに映像情報メディアの分野に入られた方や、専門以外の知識を得たい方などの参加も歓迎するという。

 2016年映像情報メディア学会年次大会の主要プログラムをいくつか紹介すると、毎年注目度の高い公開特別講演会(聴講無料)は9月1日(木)の13時30分?15時、講堂(小ホール)で行われる。今回はJR東海特別顧問の松本正之氏(元NHK会長)が「放送メディアを活用した観光開発と地方創生」と題して講演する。日本が持っている有効な観光資源を生かし、いろいろな観光産業を活性化させることは、これからの日本の発展および地方の創生に欠かせない。
 その観光開発は、まず放送・映像メディアによる五感への訴求、そして「行ってみたい!」という動機付け無しには成り立たない。鉄道事業も、観光客を増加させるため、移動の速さや利便性を向上させているが、加えて、映像メディアとのコラボレーションが大きな効果をあげている。
 これら、観光、映像メディア、鉄道、そして地方創生など、お互いの強い結び付きについて話すという。
 チュートリアルは8月31日(水)の1・2限目(9 時?12時)に行われる。テーマは「4K/8K放送サービスを可能にするARIB標準規格と運用基準?スタジオ編」で、会場は「会場A10番教室」、司会:菅原正幸氏(NEC)。主な内容は▽ARIBスタジオ設備開発部会の組織体制、活動内容▽4K、8Kスタジオ番組制作に関わるARIB標準規格/運用基準策定の背景とその役割▽STD―B56超高精細度テレビジョン方式スタジオ規格▽TR―B36超高精細度テレビジョン番組制作用ディスプレイの色域包含率計算法▽STD―B66UHDTVマルチフォーマット・カラーバー▽STD―B59三次元マルチチャンネル音響方式スタジオ規格▽TR―B32デジタルテレビ放送番組におけるラウドネス運用規定▽STD―B58超高精細度テレビジョン信号スタジオ機器間インタフェース規格▽STD―B64超高精細度テレビジョン信号スタジオ機器間インタフェースにおけるデジタル音声規格▽STD―B68超高精細度テレビジョン信号スタジオ機器間インタフェースにおけるタイムコードフォーマットなど。
 シンポジウムは、初日と2日目の2日間で計3回開催される。初日となる8月31日(水)の3・4限目に、「会場A10番教室」で【シンポジウム1】ついに始まった世界初の8K衛星試験放送、「会場C12番教室」で【シンポジウム2】VR技術の進化が映像サービスにもたらすインパクト、が開催される。
 【シンポジウム1】では、8K試験放送の全体像、および新しい放送を支える制作・送出・受信機などの各種最新技術や機器、設備に関して、実際に開発や実用化に携わった関係者が、8Kの現状とその将来について議論する。NHKの増原一衛氏が「8K試験放送に向けた開発と整備」として、8Kフォーマット特徴を概説し、開発・整備してきた番組制作設備や、送信・受信などを含めた送出設備の概要を説明する。また、実際の番組制作例や8月6日から放送しているリオ五輪の中継やパブリックビューイング、2018年の実用放送に向けたロードマップや8Kを応用した放送外利用への展開についても紹介する。
 主に海外の家電技術動向として、360度映像やHMDといったVR(バーチャルリアリティ)関連技術における進展が著しい。【シンポジウム2】では、研究、メーカ、サービス(放送、通信)にわたるそれぞれの切り口から、最新の技術トレンド・研究開発動向の紹介を行い、2020年に向けたサービスイメージ・利用シーンを踏まえた新規創出市場の展望を行う。中京テレビの川本哲也が「デジタルチルドレンのためのVRシステムの開発?中京テレビ放送の取り組み?」と題し、特に子供向けのVRエンターテイメントシステムについて開発運用事例を紹介する。児童にとっての「超臨場感」「仮想現実」のあり方など中京テレビの取り組みを報告する。
 9月1日(木)の2・4限目(10時45分?17時)には、【シンポジウム3】ネットワーク時代における映像情報メディアの役割と今後?IoTを中心に?が、「会場A10番教室」で開催される。映像情報メディアはデジタル革命により、大画面薄型テレビの登場やデジタルカメラの普及に代表されるようにユーザの便益は格段に向上した。しかし、ものづくりの主な担い手が一気に新興国に移りグローバルな産業構造にもまた大変革ももたらした。さらに、コンテンツ面でもスマホの爆発的な普及で、放送をはじめとする従来メディアの存在も脅かされるようになってきている。同シンポジウムでは、激変するメディア革命の中、工学系の技術者はどこへ向かって何をしていけば良いのかを探る。関西学院大学教授の玉田俊平太氏が、「日本のイノベーションのジレンマ?テレビに見るイノベーションの歴史と課題?」として、(1)破壊的イノベーションとは何か(=敵を知り)、(2)なぜ日本のテレビメーカーは破壊的イノベーションに打ち負かされてしまったのか(=己を知り)、(3)自らが破壊的イノベーターになるためにはどのようにすれば良いのか(=戦略)について、豊富な図表を使いながら、順を追ってわかりやすく解説する。
 なお、同シンポジウムは、IEEETEMSJapanChapter、日本MOT学会、研究・イノベーション学会(予定)が協賛する。
 今回のデモ展示は3件。
 (1)8K試験放送受信デモ▽会場:工学部管理棟、期間:8月31日?9月2日10時?17時。協力: NHK放送技術研究所
 (2)HTCNIPPON(株)『想像を超えたVRを体験しよう』▽会場:工学部講義棟C大会議室(総合受付&大会本部)、期間:8月31日13時?17時
 (3)(株)ミライトデジタル情報スタンド『PONTANA』▽会場:工学部講義棟C大会議室(総合受付&大会本部)
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 この他にも、一般講演は約150件(詳細プログラムは、http://www.ite.or.jp/annual/2016/program/を参照)。9月1日(木)の17時10分から生協第二食堂において、懇親会(会費:一般3000円、学生1000円)が行われる。
 なお、聴講参加費は、事前予約の場合、正会員が1万円、会員外(一般)が1万4000円、学生会員1000円、会員外学生が2000円。当日聴講の場合は、正会員が1万1000円、会員外(一般)が1万5000円、学生会員1500円、会員外学生が2500円。今回から予稿集はダウンロードとなる。また、会期終了後、予稿集をCD―Rで販売する。
 申し込み・問い合わせ先は、一般社団法人映像情報メディア学会▽〒105―0011東京都港区芝公園3―5―8機械振興会館内▽E mai―lgyoji@ite.or.jp▽学会サイト:http://www.ite.or.jp

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