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新放送センター 総工費1700億円で現在地の建設 NHK

【2016年09月05日】

 NHKは8月30日、放送センター建て替えの基本計画を発表した。それによると、現在地での建て替えとなり、工事は2回に分けて実施する。2020年の東京オリンピック・パラリンピック後に第1期工事に着手し、2025年に運用を開始。第2期は2036年に完成の予定。建設費は1700億円を想定している。当初予定より大幅の減額となるが、これは新規用地の取得費がなくなったことや、建物だけで放送設備が含まれていないことなどによる。NHKでは、新規用地に建設する場合、放送設備なども一気に導入しなければなくなるが、今回は現在地での建て替えとなるため、徐々に設備などを入れ変えていくことになる。このため、効率的な設備導入が可能になるため、全体のコストを抑制することができるとしている。
 基本計画の概要は以下の通り。
 【基本コンセプト】
 ▽世界を代表する公共メディアの拠点に:インターネットを活用したサービスやスーパーハイビジョン(SHV)など新たな価値を視聴者に提供し、世界を代表する公共メディアの拠点を目指す。
 ▽防災・減災報道に拠点に:「放送を通じて一人でも多くの命を救う」ことがNHKの使命であり、どのような災害が起きても国民の命とくらしを守ることができるよう、強靭で機能的な放送センターを建設する。
 ▽創造性を生み出す空間に:視聴者・国民の期待に応えられえるよう、放送センターを創造性を生み出す空間にし、あわせて効率的な番組作りにも心がける。
 ▽街づくりとの調和:渋谷駅の整備や周辺再開発など、渋谷の街は2020年のオリンピック・パラリンピックの前後に大きく変化する、公開性を高めたり、緑化を進めることなどで、生まれ変わる渋谷の街にふさわしく、環境にも配慮した放送センターを目指す。
 【建て替え後の概要】
 新放送センターは、情報棟、制作事務棟、公開棟、人工地盤(コンクリートなどで作った人工の屋外地面盤)、NHKホール(既存残置)、広場・駐車場で構成される。
 ▽情報棟:放送センターの中核・心臓部として、放送基幹機能を整備する、大規模災害発生時などに国民の安全・安心を守るNHKの使命を確実に達成できる機能を持たせる。首都直下地震などの際にもニュース・報道番組の制作、送出を情報棟単独で自己完結的に行える機能を整備、長期間にわたる災害情報を実施できるように必要な設備を配置する。緊急報道に備えて、NC(ニュースセンター)と番組送出の中枢との連絡、またNCと音声波や国際放送との情報共有、制作機能連携を視野に入れた配置とする。また、社会情勢の変化を想定し、テロやサイバー攻撃から放送基幹機能を間守るためのセキュリティを確保、施設をセキュリティレベルごとに分け、レベルに応じた対応を実施する。また、情報系システムを守る高度なセキュリティ機能も整備する。
 ▽制作事務棟:製作部門と事務部門にそれぞれコンセプトに基づき建築する。製作部門は、コンテンツ制作機能を充実させ、4K・8K SHVやネット展開など新サービスに確実に対応できるよう、公共メディアへの進化を見据えた創造空間を目指す。機能の分散についても検討しつつ、常に時代状況に応じた新たな業務スタイルが確立できるよう、汎用性・柔軟性・拡張性を重視する。また、制作各部局、報道との連携強化で他の追随を許さない緊急報道体制を整備する。一方、事務部門は高度なセキュリティの確立と共用機能の効果的な配置に加え、オフィス環境の改善も図る。
 ▽公開棟:日常的な視聴者とのつながりを維持・強化し、公開棟屋上や人工地盤も活用して大型の公開イベントも開催できるようにする。ナトリウムを整備し、ハードプラザやスタジオパーク、公開スタジオなどにつながる明るく親しみやすい空間とする。さらに、スタジオパークは、ここに来ればいつでもナマの放送を体感できる場にするとともに、最新の放送システムを見聞きできるゾーンや展示ゾーン、新たな視聴者を開拓するゾーンなどに分け、インターネット時代の視聴者にも魅力的なコンテンツを提供できるようにする。
 この他、東日本大震災の教訓を踏まえた機能強化により、電力の供給が停止した場合に備えて放送センターの自家発電用液体燃料を100時間分に増やしたが、建て替えに合わせてさらに増強し、168時間(1週間)の停電時間に対応が可能な非常用電源機能を確保する。液体燃料だけでなく、耐震化が進んだ都市ガスも併用するデュアルフューエルシステムによる自家発電装置の導入を検討する。災害時、放送センター内の職員・スタッフなどのために、飲料水、食料、その他必要な物資を3日分備蓄する。

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