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特別展望台と大展望台を順次リニューアル 日本電波塔 吉成二男取締役執行役員インタビュー

【2016年09月14日】

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 ――以前より東京タワーには、電波塔と観光塔の役割があるとおっしゃっていますが、近年では観光塔、特にイベントに力を入れているイメージがあります
 吉成 集客効果を狙い、定期的に行う日本の季節的な「定番」のイベントに加え、スポット的に行うものもあります。また、地下のイベントスペースや地上の正面玄関前のスペース、駐車場なども使用して、限られたスペースを有効活用するよう心がけています。
 ――色々とユニークなイベントを行っていますが、そのようなアイデアはどこから生まれてくるのでしょうか  吉成 他社からご提案いただくこともありますが、内部で考えて出てきたアイデアもあります。例えば、先日開催した「山の日」(8月11日)のイベントは、内部のアイデアです。通常、土日祝日の午前11時から解放している約600段の外階段を、山の日は営業開始の午前9時に特別に平常よりも早く開放しました。営業開始時間から外階段を開放するのは初めてのことだったのですが、約1300名のお客様にいらしていただき、想定を上回る規模となりました。良いアイデアであれば、どんどん取り入れていくようにしています。
 ――現在のイベントの状況と、今後どのようなイベントを予定していますか
 吉成 昨年から開始したお化け屋敷は、今年も松竹様の協力で第2弾を行いました。夏のイベントとして恒例化させていきたいと考えています。また、今夏初の試みである夏のプロジェクションマッピング(PM)「TOKYO TOWER SUMMER LIGHT FANTASIA」は、好評いただいており、9月30日まで期間を延長して開催しています。このPMに「花火」のコンテンツを追加しており、「バーチャル花火大会」を楽しむことができます。  東京タワーでは、2014年冬に日本で初めて展望台の窓ガラスに投影するPMを実施し、昨年はこれも日本初の360度PMを実施しました。PMでは先行してきたと自負していますが、各地でPMが使用されるようになっており、差別化を図るためにはより一層、知恵を絞る必要があります。
 ――リニューアル工事も計画されていますね
 吉成 特別展望台のリニューアル工事を2016年10月3日から開始します。2017年の夏頃に完成する予定で、工期は約10か月間です。今回のリニューアル工事は、2018年12月に迎える開業60周年、さらにその先の未来を見据えて、サービスと利便性の向上を目的に、特別展望台の内装、大展望台(高さ150㍍)と特別展望台を結ぶエレベーター、エレベーター乗り場(エレベーターホール)などを一新します。工事期間中は特別展望台の営業は休止となりますが、大展望台は通常通り営業します。特別展望台リニューアル工事の完了後、今度は大展望台のリニューアル工事に着手します。さらに、塔体塗装工事も実施する予定です。塔体塗装工事は5年ごとに実施してきましたが、今回は新たにフッ素系塗料を採用することにより、塗装工事は7年ごとになり、長期化できる見込みです。
 ――外国人の来塔者が順調に伸びているようですね
 吉成 2015年度の来塔者は約230万人ですが、この内、約3割が外国人の方です。今年度は多い時で4割に達する月もあります。外国人の方には、特別展望台の人気が高いようです。また、現在、大展望台および特別展望台は23時まで営業していますが、夜間に外国人の方が増える傾向にあります。夜間営業は人員の確保など課題もありましたが、売上拡大に寄与しています。東京タワーからの夜景をゆっくり見たいということからか、例えば夕食後に東京タワーを訪れて、営業終了までいらっしゃるというケースも多いようです。
 ――より海外からのインバウンドを増加させるために、どのようなことを実施していますか
 吉成 実際にお客様と接する際の現場対応力の向上に注力しています。特に語学力の向上に取り組んでいます。お客様と直接接するスタッフに語学力がなければ適切な対応は難しいためです。
 また、外国人の方の悩みの1つは宿泊施設です。このため、宿泊施設や地域とのコラボレーションなども考えています。例えば、東京だけでなく、千葉や埼玉の宿泊施設などとコラボレーションすることにより、より選択肢が広がります。バスを直接東京タワーまで乗り入れることで利便性を高めることも計画しています。
 ――60周年に向けて何かお考えでしょうか
 吉成 60周年では、55周年記念で実現できなかったアイデアも採用したいと考えておりますが、まずはこれからの大規模な工事をしっかり完了させることに集中します。
 ――世界大タワー総会が迫ってきましたね
 吉成 現在、「World Federation of Great Towers」(世界タワー連盟)には、世界22ヵ国/地域・54タワーが加盟しており、規模がどんどん大きくなっています。今回、東京タワーがホストタワーとなり、日本の文化やおもてなし、今まで我々がやってきたことなどを世界に発信したいと思っています。
 また、弊社社長の前田伸が常々言っていることに、「観光業というのは平和のシンボルである」ということがあります。平和があってはじめて観光業というものが成り立ちます。現在、世界にはあらゆる難しい問題がありますが、東京から世界平和を発信したいと思っています。これに関連した特別ライトアップを9月26日に予定しており、すでに、石井幹子先生にデザインを監修していただいています。世界タワー連盟総会に参加される各国・各地域の方々と一緒にセレモニーを行う予定です。合わせて、全日本タワー協議会の方にもセレモニーに参加していただきます。さらに、石井幹子先生にもご参加いただき、ライトアップセレモニーの点灯式を開催します。日本から、平和や愛を発信する場にしたいと思っています。
 総会では各タワーが、何をやってきたか、これから何をするかなどについてお話いただきます。また、様々なセッションや講演も用意しています。講演は石井幹子先生にご講演いただく他、東京タワーの耐震補強工事が国土交通大臣の大臣表彰を受けたことから、設計を担当した日建設計の常木康弘取締役常務執行役員にもご講演いただく予定です。また、3日目の9月28日にはオリエンタルランドの永嶋悦子執行役員に、ディズニーランドならではのおもてなしなどについてご講演していただきます。東京タワーも26日の朝の最初の発表(グローバルアップデート)を弊社社長が行います。
 ――最後に東京タワーの今後の展開、抱負を教えてください
 吉成 東京タワーは知名度と企業の規模のギャップがあります。知名度は世界レベルに達しており、これをいかに維持・発展させていくかがポイントになります。先輩達が築いてきたものを、これからどのように次の世代にバトンタッチしていくかが我々の役目です。
 幸い、東京タワーで働きたいという方は多くいらっしゃいます。しかし、より一層東京タワーで働きたい、働いてみてよかったと思われるような会社にしていきたい。また、若い世代はチャンレンジしていく意欲が強く、それをバックアップする環境があります。自分で制限をつけなければ、やれることは無限大にあります。それも、日本だけでなく、世界に向けて可能性を秘めている企業です。
 これから控えている大規模工事をやり遂げるとともに、60周年、100周年に向けて磐石な東京タワーを作り上げていきたいと思っています。

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