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「8K:VRシアター」に長蛇の列 デジタルコンテンツEXPO

【2016年11月02日】

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▲ 「8K:VRシアター」
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▲ 「8K Time into Space」

 「デジタルコンテンツEXPO 2016」の最大の目玉は、NHK エンタープライズ(NEP)とNHK メディアテクノロジー(MT)による「8K:VRシアター」。人気のロックバンド・サカナクションと全面的にコラボレーションし、8K3D 映像&22・2ch立体音響を駆使した、世界初の8K:VR作品「Aoi ―碧− サカナクション」を上映した。渋谷ヒカリエや、今年3月「SXSW2016(サウス・バイ・サウスウエスト)」にも出展しているが、一般公開は初めてとなる。7階のイノベーションホールに「8K:VRシアター」を設置、270インチのシルバースクリーン、25台のスピーカー、7灯のレーザー照明を導入した。画面サイズは今まで最大ものとなる。JVCケンウッド製の8Kプロジェクター2台(各4500ルーメン)により、左右それぞれの目向けの8K画像を表示する。また、特筆すべきは音響で、ヒカリエなどでは場所的な制約から音量などはどうしても絞らざるをえなかった。しかし、今回は音量面の制約がないため、フルで22.2ch立体音響が体感でき、特に低音の響きがこれまでとは違って感じられた。また、270インチの大スクリーンにより、等身大のメンバーが目の前で演奏しているかのように感じられ、さらにメンバーを中心に360度映像など実際には見ることができない映像も楽しめた。レーザー照明も音や映像と連動して効果的な演出となっていた。従来のVRと違い、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)が不要(3Dメガネのみ)なため煩わしさがなく手軽に楽しめる点も大きなポイントで、採択を行った審査委員会の講評でも「8Kによる高精細な3D映像と22・2chサラウンドによる立体音響による臨場感にレーザー照明による空間演出を加えたことで、VR的な空間が体験できる。HMDとは異なる感動を与えてくれる点に期待がもてる」と高い評価を受けている。演奏シーンは約5分ほどだったが、映像データは左右それぞれ約3・5TBの合計約7TBに達している。プレス向け上映会の後に一般公開されたが、長蛇の列ができていた。
 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT) ユニバーサルコミュニケーション研究所が開発した「fVisiOn」は、何もない平らなテーブル上にバーチャルな3D物体が浮かぶように表示できる、テーブル型の新しい裸眼3D映像再生技術。現実世界の物体は、両目が左右に離れているので、それぞれの眼には少しずつ違う見え方で写る。この見え方の差が立体を感じる要因のひとつです。「fVisiOn」はでは、円状に並べた多数のプロジェクタを使って様々な方向へ向かう光線群を大量に作り出し、それらの進み方をうまく制御する光学素子を使うことによって、見る方向で見え方が変わる映像をテーブルトップに表示し、立体的な映像として両目で知覚することができるという。会場に設置した「fVisiOn」の試作機では、円状に配列された228個のプロジェクタと、すり鉢状の異方性背面投射スクリーンの組み合わせを用いた。また、カードゲームのキャラクターを3D化し、それらがバトルするデモも行っていた。
 NHKは、MIT Media Labと共同開発した「8K Time into Space」を出展した。8Kディスプレイにおいて、テレビ番組や映画などの一つの映像を何百個もの動画に時分割し、それら全てを同時に再生する新しい映像表現技術。番組の初めから終わりまでを一目で見渡せるとともに、一つ一つの動画の細かい部分までもはっきりと見ることが可能になる。静止画を連続表示して動画として見せるしくみと再生の処理負荷を軽減する技術を新たに開発し、映像の長さや分割する数に依存することなく、人が満足する15fps以上の速度でスムーズに動画を再生することを可能にした。会場では1つの番組を256(16×16)に分割して流し、そのうちの1つの画面にタッチ(タッチインターフェース)すると画面が大きくなり(64分割:8×8)、周りの画面はタッチした画面の前後を表示し、さらにタッチすると16分割(4×4)、次に4分割(2×2)となり、最終的には1画面になるデモを行っていた。また、4Kディスプレイを用いて100分割(10×10)したドライブレコーダーの画像も流していた。デジタルサイネージの他、防犯カメラなどへの展開も計画しているという。
 この他、NHKの3次元リアルタイム物体追跡、オリハルコンテクノロジーズの全天周ドームシアターなどを展示した。

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