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8K番組「ルーブル永遠の美」 NHK

【2016年11月21日】

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▲「聖母戴冠」でのマリアの顔
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▲「ナポレオンの戴冠」の撮影現場

 NHKは、フランスのルーブル美術館と8K番組の国際共同制作を行った「ルーブル 永遠の美」のプレス向け試写会を開催した。
 番組全編にわたって国際共同制作するのは初めてのこととなる。昨年2月に来日したルーブル美術館のヴァンサン・ポマレード氏(メディエーション・文化プログラム局長)が、NHKにおいて8Kで撮影した美術コンテンツを見て驚き、所蔵作品の映像制作に向けて協議を開始したという。2016年1月、10日間にわたり、ルーブル美術館が所蔵する「サモトラケのニケ」「ミロのヴィーナス」「聖母戴冠」「宰相ロランの聖母」「レースを編む女」「ダヴィデ王の手紙を手にしたバテシバ」「アモルの接吻でよみがえるプシュケ」「ナポレオンの戴冠」「モナ・リザ」、世界最高の名作9点を撮影した。通常、ルーブル美術館での撮影は休館日に行うが、今回はスケジュールがタイトだったため、1日1点のペースで基本的に閉館後の夜間に行っている。ただし、休館日も撮影しているため、自然光を取り入れた映像も含まれている。従来よりも表現できる色の範囲の広い「広色域」、さらに表現できる明暗の幅の広い「HDR(ハイダイナミックレンジ)」で撮影している。カメラは日立国際電気の8K小型単板式の「SK―UHD8060B」に富士フイルムのレンズを装着したシステムを2基用いている。カメラ内部の記録装置をおよび外部記録装置(P2レコーダ)の2種類で記録している。モニターはソニーの4K有機ELマスターモニター「BVM―X300」を用いている。音楽は千住明氏が担当した。
 また、108か国から1万4000人が参加した世界最大級のコンテンツ見本市であるMIPCOM(10月17日~19日)において、日本をPRするために設置された「ジャパンプラザ」で、「ルーブル 永遠の美」10分のダイジェスト版を30分ごとに50回上映した。毎回ほぼ満席となり、800名以上が視聴した。「4Kとは格段に異なる映像体験だった」など、番組制作、映画、美術関係者などから高い評価を受けたという。さらに、10月25日にルーブル美術館においては、「ルーブル 永遠の美」(59分版)をフランスの美術関係者、マスコミ関係者、約140人に上映。ルーブル美術館のマルチネズ館長からは、「彫刻の質感がこれほど表現できるのはすばらしい。絵画は詳細な細部が見え、見たことのないような絵に見えた。8Kによって美術作品の新たな鑑賞方法を生み出すことになるだろう」という評価を受けた。その他、「見慣れていると思っていた作品が、初めて見る作品のように感じられた」、「8Kの美術分野への応用に対して期待する」「現場で見る以上によく見える」「修復について非常に参考になった」など様々な意見が寄せられたという。
 プレス向け試写会では、59分版を上映した。モニターはシャープ製HDR対応8Kモニターを用いている。映像はガラス越しに撮影しているとは思えないほどクリアで、全体像から、かなり近くまで接近した映像の他、通常では見ることのできない裏側などの角度からも見ることもできた。高解像度およびHDRなどにより、立体感や奥行き感、質感などが明らかに増している。さらに、彫刻(特にアモルの接吻でよみがえるプシュケ)などでは、みずみずしささえ感じることができた。「モナ・リザ」では、左右の目の表情に違いがあることが改めて確認できた。確かに右目が前方を強く凝視しているのに対し、左目はおだやかな慈愛に満ちたまなざしを向けているように見えた。

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