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世界初の8Kコマ撮り人形アニメ「あの日まで」 NHKメディアテクノロジー

【2016年12月14日】

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▲ 撮影の様子

 NHKメディアテクノロジー(NHKMT)は、8K撮影・編集技術の研究開発の一環として、8K画質のコマ撮り人形アニメーション「あの日まで」(約6分)を制作した。 8Kのコマ撮り人形アニメーションの制作は、世界でも初になるという。
 「あの日まで」は東日本大震災で被災した家族をモデルに、被災までのごくありふれた日常を人形アニメーションで綴ったもの。あの日まで確かに存在した家族の幸せの姿を、未来に遺していきたいと考え制作した。ストーリーは、宮城県石巻市が舞台で、13歳、10歳、8歳の3人の子どもがいる木工作家の遠藤伸一一家は笑いが絶えない家族だった。4月になったら、皆でディズニーランドへ行こうと楽しみにしていた。その矢先に大津波が襲う・・・というものだが、アニメでは震災の前日の夜で終わっており、あえて地震や津波は描いていない。
 人形アニメーションは、一コマ一コマ人形を動かしながら撮影するので、今回8K画質の静止画が撮影できる一眼レフ(カメラ:CANON 5DsR)で撮影(解像度:8688×5792 RAW)。実写撮影はRED WEAPON HELIUM 8K Cameraを使用。ジオラマは、石巻専修大学が3Dプリンターで被災前の石巻の街並みを再現している。
 アニメの美術造詣/撮影/編集はスタジオプラセボが担当、監督はスタジオプラセボのアニメーションディレクターの長井勝見氏。人形の素材は和紙・樹脂・フォームラバー、セットは和紙・木材・塩ビ板を使用している。人形の衣服は和紙が使われていたが、これは布などでは繊維が目立ちすぎるので、より決め細やかな和紙を採用したもの。また、コマ数は、背景が30コマ/秒、人形の動きは10コマ/秒であり、人形の動きは一部“カクカク感”を感じる部分もあった。しかし、あくまでもコマ撮り人形アニメであることから、人形的な動きを残しているという。人形を動かすためには、倒れないように“支え”を用いているが、撮影後の編集段階でこれら支えを完全に除去する必要がある。撮影には約2ヵ月を要している。  同社では、様々な課題を克服し、今後の8K人形アニメーションの制作に一定のノウハウを確立できたとしている。

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