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北斎を8Kリアルタイム3DCG化 NHKアート

【2016年12月21日】

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▲ プロジェクトメンバー
 (後列右から3人目が坂本氏)
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InterBEE での上映の模様

 NHKアートは、Inter BEE FORUM2016の映像シンポジウム「進化する4K・8K映像コンテンツへの挑戦〜ハリウッド・日本におけるチャレンジ〜」の開催に合わせてフォーラム会場内で、8Kリアルタイム3DCGによる超臨場感空間「北斎ジャポニズムの世界観」を上映した。
 この「北斎ジャポニズムの世界観」は、昨年11月にSIGGRAPH Asia 2015で公開したものである。以前より北斎の代表的な作品である鳳凰と竜を、何らかの形で8Kにしたいという思いがあり、SIGGRAPH Asia 2015の主催者に企画を打診したところ、特別招待講演として上映および講演を行うことになった。最終的に上映・講演が決定したのが、約1ヵ月前であったが、そこからプロジェクトを立ち上げ、講演まで実際の作業期間は約2週間ほどで制作した。この元となった北斎の絵は長野・小布施の北斎館が所蔵しており、8Kリアルタイム3DCG化について許可を得て制作した。北斎館では講演前にデモを行い、最終的にはチャレンジすることを認めてもらったという。
 制作にあたっては、まず北斎の絵を8K対応カメラで撮影した写真がベースとなる。写真を数枚撮影し、それを参考にしながらテクスチャを作成している。3D化では2Dでは見えない部分も当然描くことになるが、それは写真では確認できないので、すべて手作業で着色した。その際にできるだけ2Dのフラットな色調を維持することに配慮しながら作業をしている。
 リアルタイムCGの制作にはUnityを用いており、Unity用プログラム開発には、東京電機大学の高橋時市郎教授(ビジュアルコンピューティング研究室)の協力を得ている。アニメーションは、あまり凝ったものが多くなると、作業時間が増え、容量も増加するため、できるだけシンプルにして、ダイナミックな動きを見せるような方向で制作した。
 SIGGRAPH Asia 2015では、シャープおよびエグザジャパンの協力を得て、シャープ製8K/HDR対応85型液晶ディスプレイで上映された。音響は16chを用意している。「SIGGRAPH Asia 2015でも多くの方にご覧いただき、大変好評でした。大画面で8Kをじっくり見るということはあまりないため、びっくりしていた方もいました。音についても16Chを設置して上映したため、映像の空間と音の空間がうまくマッチして相乗効果が生まれたのではないでしょうか」(NHKアート デジタルデザイン部電子映像開発 技術主幹 坂本敏幸氏)。
 NHKアートでは、ハンディカメラによるVRなど様々な取り組みを行っている。今後も同社では、4K8Kの超高精細時代に向け、番組美術で培った技術を生かして、新感覚の映像表現を追及していくとしている。

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