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FTTH化でアドバイザーチーム 日本ケーブルテレビ連盟 吉崎理事長定例会見

【2017年06月07日】

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▲ 会見する吉崎正弘理事長

 一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟(JCTA、東京都中央区)は、5月30日に連盟内で吉崎正弘理事長が定例会見を行った。「この一年間の課題と処方箋」と題し、まず〝大きな環境変化〟として『4Kパネルの普及』『通信による映像伝送サービスの拡大』について触れた。「私は昨年6月に理事長に就いた。この一年を振り返って、ここ最近の動きはとても大きな環境変化を感じる。地上デジタル移行の時以来なかったことだ。薄型テレビに占める4K対応テレビの割合をみると、2017年4月では4K対応テレビの出荷台数が11万台、4K対応テレビの累計出荷台数は263万台。日本の総世帯数が5600万世帯でそれを分母にすると4%だ。大型テレビといえばだいたい4K対応テレビで、着実に増えてきている。来年の12月に予定されている高度BSの本放送の頃には数百万台のさらに上の方に増えるだろう。政府としても東京オリンピック・パラリンピックの頃には総世帯数の半分で4Kテレビで五輪を観てもらおうと目標をたてている。ケーブルテレビ業界がこれにどう対応していくか。通信による映像配信では、ハリウッドのコンテンツから最近では日本人向けの映像といったローカライゼーションができている。これがケーブルテレビ業界にとってとても対応を急がないと大変なことになるという大きな環境変化だ。うまく対応しなかったら大変」と述べた。
 次に〝帯域確保の重要性の高まり〟について話した。『通信・放送トラヒックの拡大』『必須のFTTH』について述べた。「この環境変化に何が必要かというと帯域確保である。通信の映像伝送が非常に増えてきて、その結果、通信のトラヒックが増加し、放送のトラヒック自体は来年の12月の本放送になったら今までのBS、CS、地上波の2Kに加えて高度BSの4K、8Kが入ってきて、新たに帯域を確保しなければいけない。非常に大きな課題だ。伝送路を抜本的に見直さなければいけない。それが今、FTTHに真剣に取り組んでいこうという話。FTTH化率の推移をみると、15年度はFTTHは加入世帯全体のまだ5・5%(141万世帯)、その理由はやはりお金がかかるということ。高度BS本放送に向けて帯域を確保するためには、HFCからFTTHに乗り換えなければいけない会社も相当あるはずだ。ここでは、昨年8月末の概算要求に向けて、FTTHに正面から取り上げた補助金の制度を創設するということで総務省の中で意思決定して、そして概算要求、今年3月末の新年度予算の国会承認、そして今、新年度予算の中で交付申請を締め切って、そろそろ6月には交付決定となる。ただ、まだ補助金が出ていないのに、さきほどの推移では16年度では17・4%(447万世帯)と増えてきており、それは『そういう機運であった。時機であった』。加えて、実はこれまではFTTH化したくても、様々な事情でできなかった個社が、総務省が補助金をつくろうとしていると聞いて、では設備投資をしようという経営トップが出てきたということだろうと思う。現在、ケーブルテレビ業界全体の売上高は年間だいたい1兆円。その業界が完全にFTTH化と進めば、厳しい設備投資をせざるを得ないので、補助金制度の活用等を行っていただきたい。それから、FTTH設備工事の単価を下げるようにしてほしい。FTTH化してノウハウのある会社は、どうすれば安くなるかもわかっており、その先行事例の良いところをこれから行うところへ伝えていく、個別に設計をどうするかリクエストがきたら先行社で構成されるアドバイザーチームで個別対応するといったことを委員会で決めたりしている。お金をかけないで、公的補助も加えてできるだけFTTHをやっていこうとしている状況だ」と話した。
 続いて〝高度BS放送への対応(ヘッドエンド、STB、帯域確保)〟について述べた。「新しいCASへの対応とCASに対応したチューナーが必要になってくる。さきほどの4Kパネルの普及について述べたが、これは本放送が映らない4Kテレビで、観たい人は外付けチューナーを買ってつけるなどしなければいけない。もしくはケーブルテレビに加入して観ていただく。これはケーブルテレビ業界にとって商機。ただ、今のSTBでは高度BSは観られない。STBを入れ替えなければいけない。ここまで、部品の共通化など連盟の各支部などがメーカーと折衝して、来年の8月には第1陣が入荷できるように動いている。せっかくの商機でありながらこのSTBの件は解消したので、見守っている状況である」と述べた。
 次に〝これからのケーブルテレビ〟と題して今後の方針を述べた。「ケーブルテレビの特性は3つある。地域性、機動性、総合性である。地域性は大手通信キャリアに比べると〝お茶の間〟まで入れるのがケーブルテレビの強み。機動性は、規模が小さいので、意思決定も早い。総合性は、とても重要で、それはひとつは有線・無線、通信・放送といったインフラの総合性。ケーブルテレビは有線・無線、通信・放送の4つのマトリックスで出来上がる総合的なインフラになっており、これを活かさなければいけない。2つ目はインフラ、プラットフォーム(ケーブルID)、コンテンツ(映像、データ通信〈IoT等〉)という3層構造の垂直的総合性である。」と述べた。

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