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日本ケーブルラボ、LPWAでYRPと共同研究

2019220日】

 一般社団法人日本ケーブルラボは、2月5日に日本ケーブルラボ会議室(東京都中央区)で、定例会見を開いて、松本修一専務理事、森元晴一理事が日本ケーブルラボの活動状況報告、トピックスを発表した。本年度の主なラボ活動として▽宅内Wi―Fi▽IPv6普及促進(ハンズオンセミナーを開催)▽IP放送規格とラボの役割▽ITU―T活動▽LPWAにおけるYRPとの共同研究―などで会見した。
 『宅内Wi―Fi(機器評価、宅内ネットワーク設計サポートツール、リモート監視システム)』での本年度中の活動は次の3点。①Wi―Fiアクセスポイントを測定・評価=単体Wi―Fiルータ、メッシュAPを対象にガバレッジ、最大スループット、複数端末でのスループット、動画視聴評価、連続運転時の安定性を測定しラボ会員に公開(リモート保守運用の認定に合格した機器が対象)②宅内ネットワーク設置・保守サポートツールを作成=AP設置と保守作業ガイド、ユーザー向けWi―Fi利用ガイドを作成▽宅内Wi―Fiリモート管理システムを仕様化し機器認定を整備=TR―069標準プロトコルをベースにリモート保守運用仕様を策定、ACSシミュレータとリファレンスCPEを開発し認定環境を整備。
 ポイントは『ケーブルの宅内Wi―Fiの保守品質を向上させるとともに、機器メーカーにWi―Fiにおけるラボの存在を周知する』。
 『IP放送規格とラボの役割』では、IP放送普及を目指し、総務省の情報通信審議会の情報通信技術分科会放送システム委員会の傘下にIP放送作業班が設置され、ケーブルラボ研究員が主任代理として参加した。品質における技術基準を策定した。ラボでは技術委員会傘下にIPエキスパートグループを設置して実証実験を実施。技術基準値を提案した。
 ケーブルテレビ事業者のフィールドでマルチキャスト映像配信における品質測定実証実験を行った。パケット損失および遅延、遅延揺らぎを測定し、届け出に必要な品質を満たしているのか実測し、測定方法を確立した。また、IP再放送仕様として「高度BS」「地デジ」「BS」の3運用を作成した。技術的に検討可能な方式をすべて記載した。主な方式としては「再符号化方式」「再多重方式」「再暗号方式」「直接配信方式」で、事業者の要望によって実装仕様を決定する。
 「総務省は、ケーブルテレビにおけるIP放送に関する技術基準の制度整備を1月に行い省令化された。何が省令化されたかというとIP放送の基準値でパケット損失率が1×10のマイナス7乗以下、パケット平均遅延時間が1000ms以下、パケットジッタ(遅延の揺らぎ)が100ms以下と定められた。ここではラボの実証の数字などを利用、参考にして制度整備がなされた。RFの長い歴史の放送と並んで、IPの技術基準ができたという歴史的なできごとにここまでラボが深く関わったという結果である。参入事業者の免許申請でのデータとなる品質測定実証実験はラボが進めている」(森元晴一理事)。
 『最近のITU―T SG9活動について』では、昨年11月21日~28日にコロンビアで開かれた同会議に日本ケーブルラボから2名が参加した。ここでの主なトピックスとして挙げられたのが①開発途上国向け最小機能STB②ACSとSTB間インターフェースの機能要件③スマートホームゲートウェイ標準化の提案④ケーブルテレビとOTTとの連携―だった。
 『LPWAにおけるYRPとの共同研究』では、日本ケーブルラボ、愛媛CATV、横須賀リサーチパーク(YRP)が共同で実証実験を行うことを発表した。2月~3月末に行う。なお、ケーブルテレビ局向けにデモツアーを企画している。実証の目的は▽LoRAと地域BWAで、地域の見守りサービスを実現▽LoRAで収集したセンサー(GPS)データを地域BWAを用いて中継伝送▽BWAとLPWAの組み合わせによる活用事例を実証実験。具体的な実証内容は①LoRA基地局がGPSドラッガーからの位置情報を収集②LoRA基地局はこれらのGPS情報を地域BWA網を介して収集センターに送信③収集された位置情報(居場所)をSTBでTV画面に表示。主な利用装置等は愛媛ケーブルが地域BWA基地局と端末等の提供。YRPが基地局設置場所、展示ルーム、その他の装置を提供。日本ケーブルラボがLoRA基地局/GPSドラッガー及びSTB上でのアプリケーションなど。ポイントは『YRPのLPWAテストベッドへのCATV及び地域BWAを設置』『BWAはLPWAのセンサデータ(GPS情報)の中継網として利用』である。
 「YRPの設備をお借りして、LoRAと地域BWAを組み合わせて地域の見守りサービスの実用化を進める。これはひとつのアプリケーション例であるが実証実験を通じて業界内外に向けて、こういう取り組みができるのだということを提案していく。電波を使っていくケーブルテレビ業界であるとの位置づけだ。将来的に5Gも視野に入れている」(森元晴一理事)。
 日本ケーブルラボによる民間資格「JLabs Qualified Engineer」(JQE)はケーブルサービスを支える技術、ならびにケーブルサービス革新技術について基本的知識を修得し、新しい事業の構築や現状事業の改善に関して、それぞれの事業環境に適したシステムを設計できる技術者やサービス企画担当者の育成を目的としたもの。JQE資格制度は2016年度に導入した。会見では今年度のJQE資格検定結果、JQE資格検定取得者概要、本年度の新たな取り組み
(eラーニング、倶楽部JQEの設立)について発表した。今年度は検定講習会を5回行い、2回の検定試験で113名の受検者のうち28名が合格した。過去3年間の累計で全検定取得者は106名になる。eラーニングはJQE基礎講座とケーブルサービス向けソフトウェア基礎講座を開講中である。倶楽部JQEとは、JQE資格取得者に限定したメンバー制の特別な会を立ち上げて、情報共有・情報交換の場を設けるもの。
 「JQEのコンセプトは、これまで業界は工事・運用、モノはベンダーが持ってくるというスタイルだったが、セミナー・資格も運用技術者、工事技術者の資格が多かった。ラボは企画・開発、モノを考えられる技術者の育成を行い、幅広く今のシステムを理解して全体がどう動いているかを勉強してもらうものだ。今年は、ITによりネットワーク化された試験であるCBT試験を採用し全国150の試験会場から選択できるようにした。eラーニングで遠隔で自分の好きな時に講座を受けられるようにした。技術革新がはげしい時代に技術者が勉強し、経営者はその機会を与える、業界を活性化していく教育事業は非常に大事なことだ」(森元晴一理事)。
 松本修一専務理事は来年度の展望で「業界の5Gの免許取得に向けて全面的に協力する。そのコストをいかに安くしてサービスを実現するかだが、方向性としてはクラウドの活用。設備の共用を図る、そういうアプローチとなる。また、AI関係は何とかやらなければいけない。マイグレーションでは、業界全体がIPになった時に必要なセキュリティー関係がある。今から注力していかなければいけないことだ。それからIPv6関係も重要だ」と述べた。

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