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日本ケーブルラボが定例記者発表会を開催

201958日】

写真 1
会見する森元晴一理事

 一般社団法人日本ケーブルラボは、4月23日にラボ内(東京都中央区)で記者説明会を開いて、松本修一専務理事、森元晴一理事が活動状況報告やトピックスを発表した。発表案件は▽2019年度事業計画▽IP放送品質測定運用仕様▽宅内Wi―Fi運用仕様▽放送・通信動的切換え技術の最新検討状況▽ケーブル技術用語検索サービス開始―など。
 「2019年度事業計画」では、重点課題(技術課題)において、5大プロジェクトを①次世代映像サービス(映像サービスの在り方、IP放送運用仕様、AR/VR運用仕様、自主放送2K/4K HC)②AI応用(番組制作自動化、業界ACS・BDP、AI活用運用自動化)③5G・ワイヤレス(5G実証・クラウドコア、Wi―Fi高度化・リモート監視、PON高度化)④マイグレーション(ALL―IP、セキュリティ〈コンテンツ・ネットワーク・IoT〉、IPv6)⑤イノベーション(第4世代STB骨子、次世代ケーブルアプリ、仮想化技術)―と置いた。
 松本専務理事は「現状認識である『5G免許取得によるケーブルと無線技術の融合』では、CATV業界では〝5GとWi―Fi”がなかなか見えない部分のあるところで、5Gが事業者にとってこれからの大きな武器になるということを提示する。また、AI活用もこの業界は手付かずで、〝AI応用による利活用〟を同拡大していくかがポイントになる」と述べた。
 IP放送品質測定運用仕様「JLabs SPEC―040」(2019年4月8日策定)では、測定項目と測定点、測定時間と方法、測定系統図などを説明した。試験項目にひとつで専用機器での測定と汎用機器ソフトウエアでの測定を紹介した。後者はフリーソフトの「Wireshark」を用いるもので、パケット損失測定とパケット遅延ゆらぎ測定が行える。
 次に宅内Wi―Fi運用仕様「JLabs SPEC―041 1・0版」(2019年3月19日策定)では、宅内で場所を選ばずに安定して4Kビデオが視聴できる環境を提供すべく宅内Wi―Fiの品質の向上と、保守費用の低減を目的として宅内Wi―Fi運用仕様を策定したとし、項目では①宅内Wi―Fi リモート保守システム②宅内Wi―Fi AP評価システム③宅内Wi―Fi 設置・保守サポート―をひとつの仕様書にまとめた。ポイントで紹介すると①では、ケーブル事業者のコールセンターからユーザー宅内のWi―Fiルータを監視、抑制するためのACSとWi―Fiルータ間のインターフェースに、国際標準のBBF TR―069とTR―181を採用した。また、1・0版を対象に、ACSとWi―Fiの機器認定を5月から開始する。
 ②では、Wi―Fiルータの性能を評価しケーブル事業者の導入検討の参考となるべく独自に5つの性能指標を設定し、実測環境を整備した。これまでに国内外のWi―Fiルータ10台以上を測定した。
 ③では、Wi―Fiルータの設置時に、ユーザー環境(端末を使用する場所、周辺の無線状況)に基づいて調整することで、その後の保守作業を軽減することを目的として作業手順を記載した。また、ユーザー向けの情報をすぐに配布できる形式で掲載した。
     ◇
 『放送・通信動的切換え技術の最新検討状況』では、ラボが提案する放送・通信動的切換技術の概要を説明した。2017年の総務省からの受託研究として検討を開始している。「放送(RF)と通信(IP)のリソースを共有した効率的な4Kコンテンツの伝送技術である。視聴率、番組属性、回線品質に基づき配信方法を動的に切り換えるもの。限られた帯域を有効利用するのに必要な技術だ。現状、HFCとFTTHのスロットを分けて放送帯域と通信帯域に分けて使っている。違う質の使われ方をしているものを、交互に使う」(森元理事)。
 「コスト的な考え方であり、この技術をオールIPのマイグレーションの過程のなかで必要な技術と位置づけている。その過程のなかで、RFとIPをうまく共存して一斉同報できるもの」(松本専務理事)。
 具体的には、2018年度、提案技術の有効性をエミュレータを試作開発して、次の側面で評価した。検証1=様々な実伝送網を想定したQoEの検証、検証2=様々な視聴シナリオを想定したQoEの検証、検証3=最適な切換間隔と閾値の検証。その2018年度有効性検証結果は『提案技術は、有効帯域容量が小さく、視聴率に分散があり、分散位置が時間変動する場合に、最も効果を発揮。提案技術適用時に、最適な切換間隔と閾値を選択することで、1日当たりのQoEの低下幅を最高水準から10%以内に収容しつつ、必要な切換回数を90%以上削減できる』である。2021年度の実用化を目指し試作評価を進めるという。
 『ケーブル技術用語検索サービス開始』概要は次の通り。『技術の革新に伴い、日々新たな技術用語が生まれるが、その言語自体についていけず、技術の理解までたどり着かないという声も多く聞かれる。そうした状況を踏まえ、2019年3月より、最新技術を含めたケーブル全般の技術用語の解説をスピーディーに検索できるサービスをラボ・ホームページ上でラボ会員向けに開始した』。 
 森元氏は「物理レイヤーからアプリ・サービスレイヤーまで網羅した重要用語の意味、用法、用例を検索できる。優先度の高い情報を一覧表示する。不可欠な知識・情報を得られる。検索結果画面をスクロールすることで、キーワードを起点に関連情報も得られる」と説明した。

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