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3次元ARで保守点検作業支援 三菱電機

【2016年11月25日】

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  ▲ ゴーグル型ウエアラブル端末による
    点検イメージ
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 ▲ ウエアラブル端末上に映し出される画面

 三菱電機は、ゴーグル型のウエアラブル端末のAR(拡張現実)表示機能による点検手順の確認と、声による点検結果の音声入力が可能な「3次元モデルARを用いた保守点検作業支援技術」を開発した。作業現場の騒音対策として「高騒音下音声認識技術」により音声入力の精度を向上しており、騒音環境下にある水処理プラントでも高精度に音声での点検結果が記録できることから、さまざまな現場での作業員の負荷軽減や点検ミスの抑制に貢献するとしている。
 「3次元モデルARを用いた保守点検作業支援技術」は、作業者が装着したカメラと点検対象の距離に応じて、複数機器の点検順序と各機器の点検項目のAR表示を自動で切り替えることで、直感的な点検作業を実現するもの。AR表示により、点検手順が直感的に理解できるので、作業負荷を軽減する。
 3次元モデルを活用して位置と方向を算出することで、点検対象の位置にかかわらず正確にARを表示し、3次元センサー搭載のタブレットPCによる撮影だけで点検対象の3次元モデルを構築でき、点検手順との関連付けも一括で実行する。
 また、3次元モデルと関連付けた点検手順データベースから音声対話手順を自動生成でき、AR表示と連動して音声による点検結果の入力も可能。音声入力した点検結果はAR表示にすぐに反映され、作業者は音声入力結果に誤りのないことをウエアラブル端末上で確認できる。また、不明確な入力や点検漏れがある場合でも、システムが再入力を促すことにより確実に点検結果を入力することができるとしている。
さらに、非定常騒音下であっても音声区間を正しく検出し、多様な騒音を考慮したディープラーニングに基づく音響辞書を構築する「高騒音下音声認識技術」により、現場の騒音下での使用に耐える高い認識精度を実現した。
 三菱電機は11月7日、マスコミに向けた新技術に関する発表会を開き、システムを公開した。説明に当たった同社情報技術総合研究所音声・言語処理技術部の石井純部長は、「点検現場での、作業のペーパーレス化と効率化、漏れ防止のニーズを受け『3次元モデルARを用いた保守点検作業支援技術』に当たってきたが、点検結果の入力に際し、大量データ入力や現場の騒音下での音声認識精度の向上などが課題としてあった。開発した新技術では3次元センサーを搭載したタブレットPCで撮影するだけで簡単に構築できる3次元モデルを使用したので、大量データの入力が必要な大規模施設の点検にも対応できる。また、音響辞書の学習によりディープラーニングを使用し、音声認識制度を向上している」などと説明。
 また、竹内浩一副所長は「音声認識業務での実用レベルは正解率90%と言われている。新技術はこれを超えた世界最高水準の技術。加えてウェアラブル端末を活用することで作業の負担軽減などにも貢献できる」と展望を示した。

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