デジタル家電

新興国地域中心にフラットパネルTVの需要拡大 JEITA「AV&IT機器世界需要動向調査」

【2017年03月06日】

 一般社団法人電子技術産業協会(JEITA)CE部会はこのほど、「AV&IT機器世界需要動向調査」の結果をまとめた。この中で、2016年のフラットパネルテレビの世界需要は前年比102・7%の2億3861万台にのぼり、アジア等新興国地域を中心に全体で需要が増加したと報告。今後も先進国では横ばい傾向が続く一方、新興国地域では引き続き需要増加が見込まれ、世界全体では顕著な成長が続くと予測。2021年には世界需要は2億7745万台に拡大すると予測した。
 この調査は、外部機関にて策定した2021年までの需要に関する数値をベースに、CE部会傘下の各事業委員会参加会社に対しアンケート調査とヒアリング調査を実施したもの。結果を取りまとめた詳細な報告書は黒本の愛称で呼ばれる。CE部会は2月下旬、JEITA本部で報告会を開き、調査結果の概要を報告した。
 今回の調査では、新たに調査対象品目として「8K(対応)テレビ」、「4K(対応)BDプレーヤー」を追加。調査対象地域を世界、アジア・オセアニア、米州、欧州・中東・アフリカに再編する等内容が充実した。
 調査の結果、映像機器の需要動向については、2016年のフラットパネルテレビ需要(世界)が前年比2・7ポイントアップの2億3860万台に達したと報告。先進国の需要低迷により伸長率は鈍化したが、新興国が需要を牽引したとした。
 また、2017年以降の世界需要の見通しについては、引き続き先進国で横ばい需要(日本は地デジ移行時の特需からの買い替えで市場成長を見込む)、新興国では経済成長に伴う中流階級層の増加により需要拡大が続くと見通した。
 製品個別では、「4K/8K」は日本と中国で今後の対応率が高まると予測。その他地域でも40型以上製品は4K標準対応が進むと予測した。8Kは2018年以降、60型以上の大型製品の一部で製品化されると見込んだ。「H.265」は、機器側への搭載拡充で4Kコンテンツ配信がより容易になると予測。また、放送と通信の連携対応技術について、「Android OS」の搭載が進むほか、コンテンツや通信網の整備が進み、40型など中大型製品を中心に世界的に需要が拡大していく予測した。有機ELやHDR対応機については、40型以上の中大型製品で高画質化が進み、有機ELでは「黒」の再現性、HDRでは輝度レンジ拡大による高画質が、差別化のポイントになると分析した。
 録画再生機器の需要動向については、2016年のBD/DVD世界需要は前年比1・9%減の7693万5000台となり、微減だったと報告。北米・西欧・中国はネット配信サービスの普及により、BD/DVD需要は縮小傾向であったのに対し、新興国はネット配信サービス普及の遅れから、BD/DVD需要が微増だったとした。2017年以降は、北米・西欧・中国は引き続き需要縮小傾向が、新興国は微増傾向が続くとしたが、ネット配信の拡充で将来的には需要縮小に転じると見通した。
 製品別では、BDレコーダーは全録対応製品が一定の需要を獲得。4K対応製品は、再生ではUHD BD再生対応レコーダーとプレーヤー市場が立ち上がったと報告。日本では東京オリンピックに向け4K録画のニーズが高まる一方、「録画禁止」とする動きなどの不確定要素もあるとした。
 音声機器の需要動向については、2016年はステレオセットが前年比4・4%減少の1806万7000台、デジタルオーディオプレーヤーが前年比12・7%減少の3417万1000台、ホームシアター音響システムが前年比1・2%増加の1433万2000台だったと報告。音楽鑑賞スタイルの多様化が一層進みつつあり、スマートフォンやタブレット端末、PCを利用するユーザーの増加がステレオセット市場、デジタルオーディオプレーヤー市場にマイナス影響を与えていると報告。一方で、ホームシアター音響システムはそれら機器との通信連携により需要が安定していると分析した。2017年度以降も、ホームシアター音響システムは安定して推移し、ステレオセット/デジタルオーディオプレーヤーは需要減少が見込まれるとした。
 製品別では、ハイレゾ対応製品が日本を中心に対応比率が向上し製品が拡充していると分析。スマートフォンへの機能搭載も進みつつあり、一層の差別化を目的に高音質なDSFネイティブ再生対応などハイスペック化が進むと予測。Bluetooth/Wi―Fi機能搭載製品についても低消費電力/音響改善から、再生機器と出力機器とのワイヤレス連携が進んでいると分析した。さらに、ワイヤレス連携の利便性から、ワイヤレスを使ったヘッドフォンの需要も拡大傾向にあるとし、高価格製品も人気になっているとした。
 IT機器の需要動向については、PC市場は個人向けのスマートフォン、タブレットへの需要シフトがひと段落し、今後は買い替えサイクルとOSサポート終了による駆け込み需要に期待が持てると報告。タブレットは、大画面スマートフォンへのシフトによる需要減が徐々に下げ止まり、買い替えサイクルの長期化につながるとし、需要は今後も微減傾向が続くと見通した。
 製品別では、タブレット端末としても使用できる2in1タイプのノート型PCが、ノートPC市場の一角を占めると分析。ハードウェアの進化はすでに飽和感があり、周辺機器との融合や連携が進むと予測した。
 カーAVC機器の需要動向については、2016年は好調な自動車販売に支えられ、カテゴリーとしてプラス成長になったと報告。高級車を中心にIVIシステムの搭載が進む一方で、コスト重視でディスプレイなしのカーオーディオの需要も堅調だったとした。2017年以降も自動車販売台数が堅調に推移すると予測したうえで、KT法の施行などもあり、車室内におけるディスプレイ搭載ニーズが高まると見通したが、スマホナビのニーズ拡大に伴い、カテゴリーとしては横ばいから微増で推移すると予測した。
 製品別では、自動車電装化の進展に期待を示し、自動運転の実現に向けたカメラやセンサーデバイスなどの部品点数の増加から、収集・享受できる情報の幅が広がると予測。外部ネットワークとの接続についても、自動車への通信モジュールの搭載により、外部からの情報取得などが可能となると期待を示した。

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