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空の日 メディア向けヘリの販売本格化 ベルヘリコプター

 

【2016年09月21日】

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 ▲ リチャード・ソーンリー社長

interview インタビュー リチャード・ソーンリー社長に聞く
ベルヘリコプターの市場戦略


 ベルヘリコプターは、メディア向けヘリの販売を本格化する。最新鋭の小型双発機「429」と、世界各国のメディアで主流の単発機「407」を日本市場に投入する。また、防災ヘリ等として使用されている「412」をベースに次世代型多用途ヘリを富士重工と共同開発し、日本で生産する。そこで顧客第一主義のリチャード・ソーンリー社長に日本市場での戦略について聞いた。
(大泉滋)

 ―通信・放送分野での販売実績は。
 「日本でベルが初めて民間用ヘリとして販売したのが報道ヘリ『47』で、毎日新聞、朝日新聞、中日新聞に販売した。それ以降、色々な機種を販売し、双発機『427/430』の2機種が放送局に計15機が導入され、現在も日本の空で活躍している。世界のメディアでは、単発機『407』がよく使われている。日本では、色々な機材を積むため双発機志向が強いが、単発機ではコストを抑えられるのでメディアの単発機のニーズを探る。また、当社が誇る最新鋭の小型双発機『429』は、パワーがあってコックピットにも最新技術が使われている。『429』は、日本のメディアではまだ使われていないので積極的に売り込む」。
 ―メディア向けヘリでベルの強みは。
 「『429』は、高出力・高速だが振動が少ないのが特徴でドクターヘリにもよく使われている。現場に辿り着くスピードが速く、振動が少ないので映像撮影にも適している。キャビン内は防音性が高く静かで、ヘッドセットなしでも会話ができる。『429』は世界各国で使われており、色々な機材を設置するノウハウがある。日本では、認定工場の中日本航空、朝日航洋、富士重工業のほか、池上通信機等のパートナーと共に、また世界で経験豊富な当社のエンジニアがチームとなって日本で必要なソリューションを提供していく。当社のヘリは、信頼性と稼働率に優位性がある。ベルは22年連続でカスタマーサポート第一位を獲得している。日本にもカスタマーサポートチームがあるので、直接日本の顧客をサポートする。社内のカスタマーサポートエンジニアが24時間体制で対応する」。
 ―日本市場での販売戦略は。
 「顧客の声をしっかりと聞き、日本独自のユニークなニーズを捉える。既存顧客は必ず取りに行く。搭載機器の進化による顧客ニーズの変化に合わせて、ベルの製品ラインアップから最適な機種を提案する。顧客をサポートすることが最も販売促進につながる。いま日本で使われている15機をサポートすることが重要。予備部品を十分確保し、いつでも部品供給できる体制を取っている。標準的な商品を渡すのではなく、顧客ニーズを捉えてカスタマイズし、独自の機体にする。日本で求められているものに見合った機体と装備品を提案していきたい」。
 ―メディア向けヘリのラインアップは。
 「空飛ぶ中継局のような大型の場合は『412』、さらに上位の『525』、リポート中心の場合は小型で小回りの利く『407』や『505』とニーズに合った機体を提案する。なお、防災ヘリ等として使用されている『412』は、富士重工とのパートナーシップによって今後日本で生産する」。
 ―昨年度の成果は。
 「防衛省から次世代陸上自衛隊向け多用途ヘリ『UH―X』を150機受注した。民間向けの最新中型機種を『412EPI』をベースに富士重工と共同開発しており、その機体をベースに自衛隊向け多用途ヘリを開発する。『412』は日本で生産し、世界にも輸出する。ベルは中型機4000機を販売しており、その更新需要を考えると、日本からの輸出は相当可能性がある。富士重工がアジアの整備需要を引き受ける。また、『412』は、三菱電機製ヘリサットシステムを搭載して日本で飛んでいる。『412』は、4枚羽根でローターによる電波のブロッキング率が低いため、ヘリサットの性能を出すのに適している。ヘリの構造的にも最適な位置にアンテナを付けられる。放送用アンテナをつける場合にも『412』はいいプラットフォームになる」。
 ―そのほか新型ヘリの開発計画は。
 「最上位機種『525』を開発している。20人乗り、航続距離900キロ、9トンクラスで、当社が手掛ける民間ヘリで最大となる。また、オスプレイの後継機『V280』を、ベルを中心にパートナー企業数社と共同開発している。来年初飛行する予定」。
 ―今後の展望について。
 「防衛では将来に向けた確固たる基盤となる事業を取ることができ、ベルの将来は明るい。ベルが日本法人を立ち上げ、直接顧客とコミュニケーションするようになってサポートが良くなったと言われたのが嬉しい。顧客満足度1位を長年継続しているが、そこで満足せずに常に改善策を考えている。また、新サービス『CAP(カスタマーアドバンテージプラン)』を開始する。飛行時間毎に費用を支払うことによって部品が故障しても無償で代品の提供を受けることができる」。
 ―10月12~15日に東京ビッグサイトで開催される「国際航空宇宙展」への出展概要は。
 「505のモックアップと他の機体のモデルを展示する。米国本社の営業開発担当の副社長が14日(金)に『垂直離着陸機の将来』をテーマに講演する。最大級のブースを用意し、商談スペースもあるので是非お越しください」。

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