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CEATEC JAPAN 多様な4K・8Kの展開を紹介 NHK/JEITA

【2016年10月24日】

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     ▲ 厚さ1ミリのディスプレイ
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     ▲ NHK/JEITAのブース
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     ▲ SDRとHDRのデモ
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     ▲ 4K・8K放送システム

CEATEC JAPAN2016
 NHKは一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)と、10 月4~7日に開催された「CEATEC JAPAN 2016」において、共同でブース出展した。会場では、KDDI、ジュピターテレコム(J:COM)、日本デジタル配信と共同で開発した4K・8Kスーパーハイビジョンケーブルテレビ用小型受信装置や130インチシート型ディスプレイを紹介していた。

 ケーブルテレビ局で受信した4K・8K衛星放送の信号を複数のチャンネルに分割して家庭側で正しく合成することで、既存の伝送路のままで家庭に配信することができる。具体的にはMMT・TLV形式の4K・8K信号を3つ(256QAM+256QAM+64QAM)に分割し、ケーブルテレビの伝送路を介して家庭に届ける。家庭では復調・合成し再生するもの。今回この方式に対応した、ケーブルテレビ局からの信号を映像・音声信号に変換する復調用LSI(ソシオネクスト製)が開発されたことにより、受信装置(チューナー)を試作している。従来は複数のLSIが必要だったが、1チップ化により受信機の大幅な小型化に成功した。信号を分割する「複数搬送波伝送方式」は、すでに2015年に一般社団法人日本CATV技術協会から国内標準規格が発行されており、同規格に整合した仕様が国際勧告化されている。分割は3つに限定されているわけではなく、64QAM×4でも8K再放送は可能。64QAMのほうがノイズに強く、消費電力も小さいというメリットがある。実際、チャンネルが空いているケーブルテレビ局には64QAM×4が適しているとの話もあるという。
 130インチシート型ディスプレイは、NHKと、韓国LG Displayとアストロデザインが共同で開発したもの。4K 65インチ有機ELを鉄板に4枚貼り付けて130インチ・8Kを実現している。このディスプレイは1システムしかないため、NHK技研公開やアストロデザイン内覧会など様々な場所に借り出されており、9月にオランダ・アムステルダムで開催されたIBC 2016にも持っていき、日本に戻ってきてすぐにCEATECで展示されるというハードスケジュール。しかし、欠陥などは生じておらず、高い耐久性を示している。残念ながらデモとして流していた映像がリオオリンピックのものであったため、撮影はできなかったが、色鮮やかな映像に多くの人が見入っていた。また、厚さが1㍉という点も大きなインパクトを与えており、あまりの薄さに不思議そうな顔をしている来場者もいた。
 8K対応モニタは2台あり、1台はブース正面に設置し、8K試験放送を幕張メッセのパラ簿名アンテナで受信した映像をリアルタイムに表示していた。もう1台はブースの奥まったところに設置し、8K HDRのデモ映像が表示していた。解像度が高いのは当然だが、HDRにより映像に奥行き・立体感が確実に増しているのが実感できた。さらに、8K HDRの隣では、1台のモニタを2分割表示し、左側ではSDR(スタンダード)、右側ではHDRで同じ画像を表示するデモを実施、HDR映像の鮮やかさが一目瞭然でわかった。
 8K関連では、医療への展開も展示していた。8Kの超高精細映像の活用するため、8K内視鏡カメラや8K手術撮影用の電動雲台、カメラスタンドなどが試作され、有効性の検証が行われている。会場では8K内視鏡カメラで、腕時計の機構部品を撮影して表示するデモを行っていた。
 2018年には4K・8Kの実用放送が開始される予定だが、従来のBS(右旋)だけでなく、BS(左旋)および110度CS(左旋)も加わる。このため、従来の右旋用アンテナだけでは全てに対応できないため、左旋用アンテナを付加するか、右旋左旋対応アンテナに変更する必要がある。実際には、左旋用アンテナは販売されないため、全てを受信するためには右旋左旋対応アンテナに更新することになる模様。また、4K・8K放送を視聴するためには、アンテナだけでなく、テレビ信号を増幅するブースタ(増幅器)やテレビ信号を分ける分配器、テレビ信号を取り出す壁面のテレビ端子なども、8K放送の使用周波数帯域(3224MHz)まで対応する必要がある。JEITAでは、「SHマーク(スーパーハイビジョン受信マーク)」を策定している。SHマークは、JEITAが審査・登録し、一定以上の性能を有するスーパーハイビジョン衛星放送受信に適した衛星アンテナ、受信システム機器に付与させるシンボルマークで、その性能を証明するもの。2016年8月31日現在で、8社・244機種の製品が登録されているが、さらに増加している。担当者によると、技術面では大きな問題はなく、一部古い集合住宅での工事で課題を残すが、最大のネックはコストという。機器によっては、現在(2K対応)の数倍の価格になるものもあり、実用放送開始までに大幅なコストダウンが必要になる模様。

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