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平成28年・日本民間放送連盟賞テレビ番組部門テレビ教養番組「最優秀賞」 「撮影監督ハリー三村のヒロシマ」 WOWOW

【2016年11月09日】

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WOWOW制作局映画部 小野秀樹氏

 日本民間放送連盟賞・テレビ番組部門「テレビ教養番組」には114本の番組が参加、その中からWOWOWが2015年8月8日に放送した「ノンフィクションW 撮影監督ハリー三村のヒロシマ~カラーフィルムに残された復興への祈り~」が最優秀に選ばれた。第2次世界大戦前から戦後にかけて、米国と日本の2ヵ国で活躍した映画カメラマン・三村明の波乱に満ちた人生を多角的な視点で迫ったドキュメンタリー。ここでは、番組の概要とプロデューサーを務めたWOWOW制作局映画部・小野秀樹氏のコメントを紹介する。

 「ノンフィクションW」は、2009年にスタートしたWOWOW制作のオリジナルドキュメンタリー番組。“大人の知的好奇心を刺激するWOWOWオリジナル・ノンフィクション・エンターテインメント”をキャッチフレーズに、多彩な人物や事象を取り上げ、視聴者に新たな出会いを提供している。これまで映画・音楽・スポーツ・文化・科学など、さまざまなジャンルにフォーカスした作品が制作され、衛星放送協会主催のオリジナル番組アワードをはじめ、ATP賞、ギャラクシー賞、日本放送文化大賞など数多くのテレビ賞を受賞している。
 「テレビ教養番組」最優秀を受賞した「撮影監督ハリー三村のヒロシマ~カラーフィルムに残された復興への祈り~」は、1930年代から50年代にかけて日米の映画界で活躍した「ハリー三村」こと、撮影カメラマン・三村明の生き様をたどる43分の番組。三村が原爆によって被爆した広島の惨状をカラーフィルムで撮影していた事実を掘り起こし、その貴重映像とともに、プロフェッショナルに徹したカメラマン人生を関係者の証言とともに紐解いていく。
 1919年、18歳で渡米した三村明は排日運動に直面。誤った日本人像にショックを受け、「日本の正しい姿」を伝えたいという想いを胸に映画カメラマンの道を志し、執念が実り撮影技師のユニオン(組合)に日本人初の加入を許される。ハリウッドを代表する撮影監督のもとで助手として活躍するが、ユニオンのストライキ騒動に巻き込まれ1934年、米国を後にする。帰国後、ピー・シー・エル映画製作所(後の東宝)に迎えられた三村は本場仕込みの照明技術と新型カメラを使いこなす映画カメラマンとして、日本の撮影技術を飛躍的に向上させる。数々の名作に参加し、『姿三四郎』では、黒澤明の監督デビューを支えた。
 その後、戦争は終結、三村は来日した米国の戦略爆撃調査団に加わり、日本各地の廃虚や広島・長崎の被爆の惨禍をカラーフィルムで撮影することになる。戦争をまたぎ日米両国で多くの友人とともに、製作現場で活躍した三村明。彼はどんな思いで広島の人々や風景をフィルムに焼き付けたのか――。
 最優秀の受賞にあたっては、「広島を撮影した三村の想いを検証する上でヒントや分析があるものの、語り過ぎず見る者に考える余地や余韻を残している。構成の素晴らしさが印象に残る見応えのある作品である」との評価を受けた。
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 なお同番組は、11月23日(水・祝)午前10時30分からWOWOWプライムで再放送される。

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