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Inter BEE 2016 近未来ソリューションを提案 東芝

【2016年11月16日】

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▲ XAVCTMフォーマットに対応した4K VIDEOSneoTM
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高画質・低遅延を実現するHEVCエンコーダ

 今年の「Inter BEE2016」東芝ブースでは、放送局の近未来にむけて「IP伝送技術と、クラウドを活用したコンテンツ管理」を紹介する。放送局でのファイル化・大容量化が進む中、今後期待されるIP伝送とコンテンツ管理についての取り組みを紹介する。その他、4K・8K送出設備の製品ラインアップや、送信機更新需要に向けたテレビ送信機・送信ネットワーク機器を展示する。小間番号は4212。
 出展機器は次の通り。▽4K・8K送出設備▽Virtual Master▽次期SNGシステム▽テレビ送信機▽次期STL/TTL装置▽テレビ中継放送装置▽HDR入力対応レグザなど。
 放送ソリューション営業部の山口剛氏は「今年は東芝の描く近未来の放送システムとしてIP伝送と新たなコンテンツ管理のソリューションを紹介します。また、2018年のBS実用放送開始でますます身近な存在になる4K・8K放送に向け、新たに開発したVIDEOSneoTMをはじめとする4K・8K送出関連設備の動態展示を行う。
 送信機のラインナップやVirtual Masterの展示もしておりますので、最新の技術・製品を東芝ブースで体感頂ければと思います」
 NextStepコーナーは、放送局様の将来を想定した課題解決の取組みの1つとして、放送データのIP伝送デモや基礎技術の紹介と東芝のクラウドAIサービス『RECAIUS』の映像・音声認識技術を活用したコンテンツ管理の一例をデモで紹介する。
 『RECAIUS』とは、音声や映像から人の意図を理解し活動をサポートするクラウドAIサービスで、東芝が長年にわたり研究開発してきた音声認識、音声合成、翻訳、対話、意図理解、画像認識(顔・人物画像認識)などのメディア知識処理技術(メディアインテリジェンス技術)を融合し体系化したサービスであり、放送分野への活用を検討している。
 放送技術担当の加藤氏と安部氏は「東芝のクラウドAIサービス『RECAIUSTM』の音声・映像技術がすでに体系化されていましたので、この技術を活用し、SaaSで提供するソリューションを考案しました。具体的には、放送コンテンツ・プロキシ―(低解像度映像)を東芝のクラウドにアップすると『RECAIUSTM』の映像・音声処理技術よりメタデータの自動生成が行われます。そのメタデータをコンテンツ管理システム『meifyTM』で管理することにより、素材検索を効率的に行うことができ、情報番組やネット配信などの2次利用として必要な素材を容易に検索ができるので、昔の素材を価値あるものとして販売するなど、さまざまな用途で活用ができます。従来の放送システム構築には多額の初期コストがかかりますが、クラウドサービスにより初期導入コストを抑えられる可能性もあり、今回のInterBEEで東芝の考えや技術を紹介し、お客様のご意見を伺い、実用化に向けて検討を進めて行きます。将来的には現状の放送ワークフローを除々にクラウド化していくことも視野に入れて検討を進めていきたいと考えています。」と述べた。
 4K・8K送出設備では、4KコーデックのデファクトスタンダードであるXAVCに対応した4K対応「VIDEOS neoTM」から再生された『4K―SDI』や、ソニーブースからIP伝送された4K素材をSDIコンバート。その信号等を入力素材としてマスターの最終出力信号を展示して4K・8Kにおけるトータルソリューションの動態展示を行う。4K・8K送出設備を構築する上で必要な機器のラインアップが揃っていることを訴求する。
 放送ソリューション営業部部長代理の西田雄一氏は「4K・8Kでは昨年、要素技術HEVCリアルタイムエンコード/デコードの展示を行いました。更にHDのCMをREGZA超解像アップコンバートした映像なども提示し、HDをアップコンバートしたCMが受け入れられるのかなど、意見交換をさせて頂きました。今年は既に4K・8K試験放送が始まっていますので、さらに進化したかたちで、素材の入力からマスターの最終出力まで機器を取り揃えた動態展示を行います。見所は4K対応したフラッシュメモリーサーバ『VIDEOS neoTM』で、4KコーデックのデファクトスタンダードであるXAVCに対応しました。また、ソニー様のブースからIP伝送された信号を東芝4K・8K設備に入力、スイッチング、符号化、多重化、暗号化を行い、試作のMMT受信機に映し出すデモを見て頂きたい。」と述べた。
 『Virtual Master』は、昨年の展示で好評だったVTP(Virtual Test Platform)をユーザーの検証設備としてカスタマイズしたもので、マスターシステムと同等機能をPC等の簡易設備で再現し、導入前の検証やオペレーション訓練・特殊編成の事前確認などに活用が可能で、実際にコーナーで操作・体験してもらう。これは従来の2重化マスターシステムに加え第3系統目をバーチャルで構築するという発想である。
 西田氏は「昨年のVTPを展示したところ、反響が多く『マスターシステムが仮想環境でつくれたらいいですね』と好評でした。マスターシステムは、さまざまなソフトウェアが搭載されていますが、ハードウェアがシステムの基本であり、社内の製造工程でもハードウェアの完成を待ってからソフトウェアの検証を行っていました。そこで、ハードウェアの仮想環境をつくることで、ソフトウェアの検証が可能となり、品質の向上や納期短縮につながっています。その仮想環境を『Virtual Master』として紹介します。お客様の運用テスト等でお役に立てるのではないかと考えています。」と述べた。
 送信機(送信ネットワーク)コーナーではマスター・サーバ更新に続く、送信機の更新需要に向け、テレビ送信機・次期STL/TTL装置・テレビ中継放送装置・次期SNGシステムを一連で展示し、東芝の豊富なラインアップを訴求する。
 テレビ送信機は、ドハティアンプ技術とメモリ補償技術の採用による高効率性を訴求し、その消費電力は弊社従来機との比較で約50%の削減※実力値を実現し、ランニングコストの低減・CO2排出の低減に寄与する。ファンタイプとブロアタイプの2タイプを揃え、事業者様の多様なご要望に応え、東京スカイツリーをはじめ、全国の放送局様に導入いただき、その実力について高い評価を得ている。
 次期STL/TTL装置では、地デジ化から10年以上が経過し、更新需要を踏まえ、保守性の向上とシステム更新時の柔軟性を目的とした次期シリーズを展示。
 テレビ中継放送装置は、システム更新に向けてTS―TTL方式、IF―TTL方式、放送波中継方式の各方式に対応した多彩なラインアップを訴求。同システムの小電力向け一体型中継局送信機は、オールインワンで受信変換部、送信変換部、電力増幅部の機能を集約している。1・5㍗PAを内蔵し、送信出力(システム)は最大で1㍗。一体型とすることで、低消費電力化、省スペース化、高信頼性を実現しており、保守性にも優れている。
 次期SNGシステムは、歪特性を満足するため、飽和出力を向上させ、より深いバックオフで動作も可能とすること、ハーフトラポン伝送やフルトラポン伝送に対応した高い送信電力を出力可能とすることが求められている、その要件を満足するSSPAを提案する。次期SNG用SSPAは、2U/3Uの屋内型と屋外型のラインアップを展示。3U屋内型SSPAは、新変調方式であるDVB―S2Xを使用したHD狭帯域化・4K・8K伝送への更なる送信性能の向上に対応した次世代SNGシステムの構築に、最良の屋内型SSPAと考える。
今回の東芝ブースは、直近の更新需要に向けた製品だけでなく放送局様の将来を共に考えていくソリューションの紹介やデモを行い多くの来場を期待している。

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