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新春インタビュー 商用化を見据え『PS LTE』システムに注力 小池信行モトローラ・ソリューションズ社長に聞く

【2017年01月01日】

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▲ 世界最新の『PS LTE』端末を手に小池社長

 モトローラ・ソリューションズ(東京都港区芝浦4丁目6番8号田町ファーストビル)は、最先端のグローバル次世代システム『PS LTE』(Public Safety LTE)をはじめ、デジタル簡易無線、DMR規格「MOTOTRBO」、「TETRA」無線システム、有線ドローンシステムなどを事業展開している。新春インタビューで、モトローラ・ソリューションズの小池信行社長は「それぞれの事業で、これまで種を蒔いてきた。いよいよ今年は飛躍の年。大いに期待している」と話す。


 ――昨年の事業活動を振り返っていかがでしたか
 「全般的に目指していたものがほぼ実行できたと思います。個々のセグメントでみると、まず『PS LTE』ですが、私どもは、過去2年に亘って『PS LTE』の日本国内での普及活動に取り組んできました。いよいよ国内でも正式に導入される見通しが立ちましたので、具体的な導入に向けて事業活動を展開します。各種デモンストレーションや実証実験を実施します。モトローラ・ソリューションズは、同業他社に先駆けて、実際に『PS LTE』で動作する国内向け無線端末を開発中です。現在、動く端末をお見せできるメーカーは世界の中でも非常に限られています。モトローラ・ソリューションズは、業界での先進的ベンダーのひとつとして、今後、この端末をデモなどでお見せし、ご活用の検討をいただきながら、将来の商用に向けてステップを踏んでいきたいと思います。そういう意味で今年は『PS LTE』の〝導入元年〟と言えるのではないでしょうか」

 ――この端末のロードマップをお聞かせください
 「今年上期で方向性を決めます。来年には導入できるようにしたい。本格的な商用化は2019年と考えています。当社の『PS LTE』向け端末・システムは、通信の優先制御機能やグルーピング機能、一斉同報機能といったいわゆる緊急用無線、ミッションクリティカルな機能が具備されたものです。私どもは将来を見越して、すぐにでも本格的な『PS LTE』に対応できるソリューションをご提案できます」

 ――防犯・テロ対策ソリューション『スマートパブリックセーフティソリューション』(SPSS)はどうでしょうか
 「『PS LTE』の本格運用時期が見えてきましたので、ブロードバンドを活用するソリューションとしてSPSSを本格的に推進していきたいと考えています。ただ、この分野はモトローラ・ソリューションズ1社で進めるのではなく、国内ベンダーと協業して、新しいソリューションをご提案したいと思います」

 ――DMR規格「MOTOTRBO」(モトターボ)などについては、新しい事業戦略が功を奏したと聞きました
 「『MOTOTRBO』は、昨年も大企業などから大きな案件をいただき順調でした。昨年は『MOTOTRBO』『TETRA』(テトラ)などの販売施策で大きな転換を図りました。八重洲無線は、今までスタンダードブランドの総合代理店だったのですが、昨年、モトローラブランドの総合代理店にもなっていただきました。簡易無線をはじめ、『MOTOTRBO』、『TETRA』無線システムなどを取り扱っていただけるようになりました。昨年7月以降、モトローラブランドの販売強化が本格化しました。八重洲無線の営業力で、昨年10月~12月にかけて販売活動がかなり積極的になってきたと感じました。全国に販売網が広がったことで、例えば『MOTOTRBO』では、競技場やショッピングモールといったお客様をはじめ、倉庫業や電力といった新たなお客様にも評価をいただくようになりました。今後も、モトローラ・ソリューションズの通信機メーカーとしての製品開発力と八重洲無線の営業力を最大限に活かし、製品・システムのご提案、販売サポート、アフターサービスまでを含めた製販一体の体制でのぞみます」

 ――昨年は超小型・高品質なスマートデザインが特長の「TETRA」(テトラ)携帯型無線機「ST7000」を発売しました
 「昨年は、成田空港(千葉県)での業務用空港無線電話サービスの提供を行っている『日本空港無線サービス』様(NAR)に『TETRA』無線システムを導入。同空港で空港無線の商用開始となりました。導入した端末は『ST7000』です。世界最小最軽量。コンパクトで、エレガントな形、簡単なユーザーインターフェイスとクリアなオーディオを結合した画期的な新製品です。皆さまからは、スタイリッシュなデザイン、最少最軽量である点や『TETRA』の特長であるつながりやすさといった点で評価をいただき、評判が格段に良いですね。空港無線では、成田での導入実績を契機に国内の他の空港にも販売活動を展開しています」

 ――昨年も大きな地震が頻発するなど、改めて「防災行政無線」の重要性が高まっています。
 「4月14日、4月16日には平成28年熊本地震が発生しました。モトローラ・ソリューションズは営業活動とは別に、被災された熊本市様と南阿蘇村様へ、防災行政無線『Dimetra』(ダイメトラ)のシステム(基地局、携帯局)を寄贈しました。熊本市様では昨年夏から、南阿蘇村様では免許が下りる今月より、復興活動にお役立て頂きます。昨年の無線業界をみると、若干、景気の要素があるのかも知れませんが、需要は堅調傾向でした。その中でも防災行政無線に対する関心は非常に高まっています」

 ――モトローラ・ソリューションズの防災行政無線システムの強みをお話しください
 「従来の同報系中心から移動系にもデジタル化の波が広がっています。当社のシステムの大きな特長は移動系無線、同報系無線を一緒に導入することで非常に安価な予算でフレキシブルにシステム構築が実現するところです。加えて〝0・3秒でつながる〟という即時性も強みです。新たなビジネスを掴むために様々な機会を探るという意味での種蒔きの時期から今年はその成果がでるものと期待しています」

 ――米国のサイファイ・ワークス社の有線ドローンシステムを国内で展開されています。導入実績などお聞かせください
 「有線ドローンのメリットは、無線の場合は1時間程度しかもたないが、有線は24時間必要な期間、ずっと空に飛ばすことができます。加えて同社の有線ドローン『PARC』の特長は、強風でも問題なく静止できるという安定的な飛行が実現できる点です。『PARC』では、昨年2月、日本最大級のマラソン大会で警察関係のご要望で、ゴール地点に有線ドローンを打ち上げました。およそ2時間、ずっと空中約100メートルくらいの高さで飛行しながら動画を伝送。ゴール地点の監視業務を果たしました。また、ある関係省庁のご要望で、グラウンドにてデモを行い数百名に見ていただきました。ドローンを操縦する日本の技術者も育ってきました。今後は、パートナー企業様の支援もいただきながら、様々な形でビジネスを広げていきたいと思います。ドローンの特長を生かして、道路監視向けやテロ対策用としても拡大していきたい。販売だけでなくレンタルビジネスも始めたい」

 ――メーカー各社は、2020東京オリンピック・パラリンピックを大きなビジネスチャンスとして捉えています
 「モトローラ・ソリューションズは、昨年開催されたリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックで無線端末を導入しました。2012年のロンドンオリンピック・パラリンピックでも無線システムを供給しました。常にオリンピック・パラリンピックには何らかの形で関わってきました。当社には、大型スポーツイベントでの危機管理対応などで、これまでの経験ノウハウが蓄積されています。今後、関係機関からご要望がありましたら、何らかの形で関わっていきたいと思います。私どもの経験ノウハウが必ずやオリンピック・パラリンピックの成功につながるものと確信していますので、お声掛けをいただければサポートしていきたいと考えております」

 ――今年の抱負をお願いします
 「私がモトローラ・ソリューションズの社長に就任して3年目を過ぎました。ホップ・ステップ・ジャンプでいいますと、1年目は〝種蒔き〟の時期、『ホップ』の年。2年目はその事業を広げて次の飛躍への準備期間、『ステップ』の年。そして3年目は飛躍する年、『ジャンプ』の年です。今年はここまでお話した事業の柱がまさに〝開花〟する飛躍の年であると期待しています。本年もモトローラ・ソリューションズに多大なるご支援とご期待をぜひ寄せていただければと思っています」

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