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NEW YEAR ITERVIEW AI研究開発の取り組み 武田博之総務省大臣官房総括審議官

【2017年01月01日】

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武田博之・総務省
大臣官房総括審議官

 2017 年が幕を開けた。電波タイムズでは、新春にあたり、総務省のICT 分野における研究開発政策などを武田博之総務省大臣官房総括審議官に聞いた。武田大臣官房総括審議官は、2016年を振り返って、科学技術分野における政府全体の動向や、情報通信審議会から答申のあった「新たな情報通信技術戦略の在り方」について、総務省としてAI の研究開発にどのように取り組んでいくのかなどについて話した。

1年を振り返って(科学技術分野での政府全体の動向)
 ――昨年一年を振り返って、科学技術分野における政府全体の動向についてお聞かせください。
 武田 昨年1月、「科学技術基本法」に基づく科学技術振興に関する5か年(平成28年度~平成32年度)の総合的な計画である「第5期科学技術基本計画」が閣議決定されました。本基本計画では、ⅰ)未来の産業創造と社会変革、ⅱ)経済・社会的な課題への対応、ⅲ)基盤的な力の強化、ⅳ)人材、知、資金の好循環システムの構築を4本柱として推進することとしています。
 また、昨年5月には、本基本計画に定めた中長期的な政策の実現に向けて、平成28年度から平成29年度までにおいて重きを置くべき取組をまとめた「科学技術イノベーション総合戦略2016」が閣議決定されました。本総合戦略では、(1)Society 5・0(ICTを最大限に活用し、サイバー空間とフィジカル空間(現実世界)とを融合させた取組により、人々に豊かさをもたらす「超スマート社会」)の深化と推進、(2)若手をはじめとする人材力の強化、(3)大学改革と資金改革の一体的推進、(4)オープンイノベーションの推進による人材、知、資金の好循環システムの構築、(5)科学技術イノベーションの推進機能の強化の5つの「特に検討を深めるべき項目」が策定されました。
 総務省では、これらを踏まえて、サイバー空間に関連する基盤技術(人工知能(AI)技術、ネットワーク技術、データ解析技術等)の強化、革新的な基礎研究から社会実装までのAI研究開発の推進、多言語音声翻訳システムなどのおもてなしシステム等のSociety 5・0の実現に向けた取組や、若手をはじめとする人材力の強化及び新規事業に挑戦する中小・ベンチャー企業の創出強化を推進しています。

 ――昨年7月に情報通信審議会から「新たな情報通信技術戦略の在り方」について第2次中間答申を受けたとのことですが、どのような内容なのかお聞かせください。
 武田 IoT、ビッグデータ(BD)、AIといった技術革新や、それに伴う産業構造の変革に対応し、我が国の持続的な経済成長を実現するため、昨年7月に「新たな情報通信技術戦略の在り方」第2次中間答申がとりまとめられました。
 答申では、今後の重点分野である先端的なIoT分野とAI分野について、我が国の国際競争力を強化するための「スマートIoT推進戦略」と「次世代人工知能推進戦略」を策定いただきました。この他、新しい時代に若い世代が世界と伍していくための「IoT人材育成戦略」や、今後の国際標準化活動における重点領域と具体的目標を定めた新たな「標準化戦略」も策定いただきました。
総務省では、答申の提言を踏まえて、産学官により平成27年10月に設置された「IoT推進コンソーシアム(会長:村井純 慶応義塾大学教授)」や、昨年4月に設置された「人工知能技術戦略会議」の下で産学官がしっかりと連携して、研究開発や人材育成などに取り組んでまいりたいと考えています。
 また、人工知能に関する熾烈な国際競争の中で、我が国社会の生産性向上と、豊かで安心な生活を実現するため、情報通信審議会における検討を継続しています。昨年12月から情報通信審議会の技術戦略委員会に「次世代人工知能社会実装WG」を設置し、我が国が強みを持つ「自然言語処理技術」と「脳情報通信技術」の取組の現状と課題を把握し、活用分野やデータの取扱い、技術課題やロードマップ等の社会実装の推進方策について重点的に検討を開始しています。また、その駆動力となる大量データを安全、利便性高く、持続的に利用できるための環境整備(ICTデータビリティ)を推進するための方策についても検討を開始しており、本年夏頃に第3次中間答申をいただくことを予定しています。

AI/IoTなどの今後の取組について

【続きは本紙2017年01月01日号で】

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