NHK 上田会長新春インタビュー|電波タイムズ

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NHK 上田会長新春インタビュー

201815日】

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NHK 上田会長

 ――就任からこれまでを振り返っていただき、会長会見で述べられた「公共放送の公正で効率的な業務執行」および「視聴者の皆さまから信頼される公共放送としての役割をしっかり果たす」という目標についての手ごたえ、今後、特に取り組んでいく点などについておきかせください
 上田 昨年1月25日の会長就任以来、いろいろな出来事がありましたが、受信料制度等検討委員会や地域改革プロジェクト、働き方改革推進委員会を立ち上げるなど、さまざまな経営課題について、スピード感を持って取り組みを進めることが出来たと考えています。
 また、4K・8Kスーパーハイビジョンは、すでに試験放送が行われ、今年12月の本放送開始に向けて着々と準備が進んでいます。営業面でも、最終年度を迎えた今の経営計画の目標の達成に向けて順調に推移しています。この場を借りて、視聴者・国民の皆さまに感謝を申し上げます。
 私自身のことを振り返ると、公共放送としてのNHKの役割や価値について見つめ直し、説明する機会が多かったと感じています。
 昨年3月末まではNHK予算の国会審議がその舞台でした。国民・視聴者の皆さまの信頼の上に成り立つ公共放送として全会一致での承認が不可欠だと考えていましたので、4年ぶりに全会一致の承認をいただいた時は、本当にほっとしました。
 その後、8月の夏休みまでに全国53のすべての放送局長と会って、各局の現状や課題を把握するとともに、公共メディアヘの進化に向けた経営課題を共有することができました。就任以来掲げてきた「コンセンサス経営」の一つの形です。
 秋には、ルーマニアでのPBI・国際公共放送会議や中国でのABU・アジア太平洋放送連合の会議で、NHKが公共メディアとして追求する「公共的価値」を世界に向けてアピールすることができました。
 民放各社の皆さんとの意思疎通も意識的に進めました。放送の二元体制を堅持しながら、放送と通信の融合時代にいかに向き合っていくか。互いの立場の違いを認識した上で協力し合えることもあるのではないかと考えています。
 現在、今年4月からの新しい経営計画について、経営委員会と議論を重ねているところです。具体的な内容については、議決・公表まで控えさせていただきますが、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年までを見据えたものとなります。その絶好の機会をとらえて最高水準の放送・サービスを実現し、働き方改革も加速させながら、日本の放送文化・放送技術の発展に一層貢献したいと思います。
 ――公共メディアとしてNHKのあるべき姿とはどのようにお考えでしょうか
 上田 インターネットの浸透により、情報の入手やコミュニケーションのあり方は根本的な変貌を遂げ、「いつでも、気軽に、だれとでも」さまざまな情報を取得・交換できるようになりました。
 一方で、不確かな情報の拡散や、お互いの“つながり”の希薄化が深刻に受け止められ、「意見の分極化」や「社会の分断」を懸念する声もあります。社会のありようが急速に変化する中でも、NHKは引き続き、広く受信料によって支えられる公共放送の基本姿勢を堅持し、放送法を順守しながら自主自律を貫いて、健全な民主主義の発達と文化の向上に寄与していきたいと考えます。
 そのために、放送を太い幹としつつ、インターネットも積極的に活用し、正確で迅速なニュースや質の高い多彩な番組を、できるだけ多くの人にお届けすることで、「公共放送」から、「公共メディア」への進化を目指しています。
 これまで、NHKは、正確で公平・公正な情報提供や、安全安心への貢献、豊かで質の高い文化の創造といった「公共的な価値」の実現を追求してきました。これからも、さらなる実現度の向上をめざし、放送と通信の融合時代に、「いつでも、どこでも」視聴者のみなさまの期待にしっかりと応えられる「情報の社会的基盤」としての役割を果たしてまいります。(全文は1月5日号に掲載)

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