情報・通信

インテルと無線基地局の機能を汎用サーバーで実現

【2016年08月22日】

 NECは、米インテルと共同で、従来、専用機で実現されていた無線基地局の機能を汎用サーバー上のソフトウエアで実現する「NFV C―RAN(Cloud―RAN)ソリューション」を開発したと発表した。
 このソリューションは、NFV(Network Functions Virtualization、ネットワーク機能の仮想化)で実現された無線基地局のデータ処理を行う集約基地局(CU、Central Unit)と、電波の送受信を行うリモート局(DU、Distributed Unit)で構成。CUが複数のDUを集中制御することで、無線ネットワークの効率的な運用に貢献する。また従来CUが行っていた処理の一部をDUが行えるようにすることで、CUとDUでやりとりするデータを10分の1以下に削減できる。このため、CUとDUを結ぶネットワークが小容量でも従来と同水準の通信性能を実現し、5Gに求められる高速大容量・超低遅延のネットワークを低コストで構築できる。
 次世代無線通信規格である5Gは、現在普及しているLTE通信の1000倍のシステム容量、 10Gbps以上の最大伝送速度、低消費電力などが求められている。これらを実現する無線ネットワークのアーキテクチャの1つとして、通信性能の向上や低遅延を実現する「NFV C―RANソリューション」が有効だ。
 このソリューションの特長は次の通り。(1)無線基地局機能の一部機能をソフトウエアで実現:携帯電話やタブレット、IoT(Internet of Things)端末の接続制御などを行う基地局のレイヤー2以上の上位処理部分の機能をソフトウエアで実現し、インテルのマルチコアプロセッサーを搭載した汎用サーバー上に集中化している。これにより、通信容量の変動や、利用者やサービス事業者の要求に、ソフトウエアの設定変更で柔軟に対応可能なため、設備投資の効率化に貢献する。また、CUが広範囲に分散する複数のDUを集中制御するため、通信容量に応じてDUの電波の送受信を適切に制御可能だ。そのため、通信が少ない場所ではDUの稼働を抑え、通信が集中している場所では多くのDUを稼働させることで、省電力化や通信性能向上を実現する。
 (2)CUとDUを結ぶ通信の伝送容量を従来比10分の1以下に削減:従来のCloud―RANソリューションは、CUとDUを結ぶネットワークの接続インタフェースにCPRI(Common Public Radio interface、基地局内のインタフェースの標準規格)を採用している。CPRIは、データ伝送時にデータの加工が必要なため、データ容量の増大や、規格で定められている厳しい遅延許容値が課題だった。同ソリューションでは、レイヤー2の上位以上の機能をCUに、基地局の無線の制御などを行うレイヤー2の下位以下の機能をDUに配備している。DUに処理能力の一部を配備することで通信の遅延にも適切に対応可能なため、遅延許容値を緩和できる。そのため、規格が定める遅延許容値が緩いEthernetでCUとDUを接続することが可能になった。CPRIと比較するとEthernetはデータ送信時の加工を削減可能だ。これらにより、両社の検証実験では、従来の10分の1以下の伝送容量でCUとDUの通信を実現。CUとDUを結ぶネットワークが小容量でも従来と同水準の通信性能を実現するため、ネットワークへの設備投資を低減でき、5Gに求められる高速大容量・超低遅延のネットワークを低コストで実現する。
 NECはSDN/NFVソリューションを他社に先駆けて商用化している。今後、「NFV C―RANソリューション」をはじめとしたSDN/NFVソリューションと、仮想化されたネットワーク機能を一元管理するソフトウエアである「オーケストレーション」の連携を実現することで、5Gに必要な柔軟で高効率な設備運用などに貢献していく。

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