情報・通信

シンガポールで小切手の電子化を 日立製作所など

【2016年08月26日】

 日立製作所と三菱東京UFJ銀行は、シンガポール共和国において、小切手の電子化を対象としたブロックチェーン技術(分散型台帳技術。複数拠点に分散されたサーバーなどの通信機器に、それぞれ同一の記録を同期させて一つの台帳を維持する仕組み)活用の実証実験を開始すると発表した。
 具体的には、ブロックチェーン技術を用いて電子小切手の振り出しや譲渡、取り立てを行うシステムを共同で開発し、三菱東京UFJ銀行が当該小切手の発行・決済を行い、日立グループの複数拠点で小切手の受け取りや取り立てを実施する。
 両社は、この実証実験を通じて、技術・セキュリティ・業務・法制度など、さまざまな観点からブロックチェーン技術の活用における課題を抽出し、小切手の電子化をはじめとする新たな金融IT(FinTech)サービスの実現を目指す。
 ブロックチェーン技術は、金融決済などの取引に関する情報をネットワーク上の複数のコンピュータにて共有する技術で、情報の改ざんが極めて難しいとされている。ブロックチェーン技術の応用により、システム投資コストを低減しつつセキュリティを確保した利便性の高い金融サービスの実現が期待されている。
 シンガポールでは、金融監督当局主導で、FinTechサービスの発展に向けた枠組み(Regulatory Sandbox)のガイドライン策定に関する市中協議文書が公表されている。今回の実証実験は、アジア地域における日立と三菱東京UFJ銀行の協創の取り組みの一つとして、この枠組みを活用し、日立のアジア地域統括会社である日立アジア社と三菱東京UFJ銀行が中心となり開発したシステム上で、ブロックチェーン技術を活用した電子小切手の発行・決済、ならびに実用化に向けた課題抽出を行うもの。
 電子小切手におけるブロックチェーン技術の活用を実現することで、金融機関における小切手の仲介業務の自動化や取引記録の改ざん防止、小切手決済の迅速化が可能になるほか、将来的には金融以外の業界における決済やサプライチェーン・ファイナンスへの応用が期待できる。

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