情報・通信

IOTサービス基盤の国内提供開始 ノキア

【2016年09月02日】

写真
     ▲ 西原政利氏

写真
     ▲ 柳橋達也氏

 ノキアは8月25日、日本市場におけるIoT戦略に関する記者会見を東京都港区の本社で開き、IoTサービス基盤「IMPACT」の国内提供を開始すると発表した。「IMPACT」は、デバイスを単につなぐだけではなく吸い上げたデータに付加価値をつけてアプリケーションに提供する。例えば、ビデオ画像データを分析しマーケティング等に活用する。「IMPACT」は既に15億超のデバイスが接続され、8万種超のデバイスをつなげることができる。ノキアはデバイス管理業界トップの実績を武器に国内市場で積極的に販売展開する。

 IoTプラットフォーム「IMPACT」は、接続管理(CMP)、デバイス管理、データ収集及び処理、アプリケーションイネーブルメント、セキュリティの5つの機能で構成。包括的な機能をサービス基盤側に持たせることで他社製品と差別化した。特に、デバイスのデータを積極的にプラットフォームで扱うこと、プラットフォームとセキュリティの協調に注力した。「LoRa」など多様なアクセス形態にも対応する。
 取締役IoT事業推進担当の西原政利氏は「2020年の日本のIoT市場は総額で約2兆5000億円と予測している。IoT事業の成功のポイントは分析結果をどのようにソリューションにするかにある。当社は、拡張性・柔軟性・堅牢性/信頼性を備えたIoT基盤を提供する。日本がIoTで力強く成長していけるよう支援していきたい」と話した。ノキアは、コネクテッドカー、社会インフラ、コネクテッドセーフティ、コネクテッドシティ、コネクテッドヘルス&ホームの5分野で事業展開を進める。また、世界250社超が加盟するIoT分野のコミュニティ「ng Connectプログラム」の活動を強化する。革新的な企業とソリューションコンセプトからビジネスモデルの検討、トライアルまで協力するもので日本企業も参画する予定。また、役員直轄の営業、技術を合わせた専門チームを立ち上げ、年内に都内にIoTラボを設立する計画。
 テクノロジー統括部長の柳橋達也氏は「M2MやIoTを実現する仕組みの課題は、単一のデバイスのみがつながる垂直指向のサービスモデル、デバイスをネットワークに接続することのみを重視することにあった。そこで、当社では、単一データを複数アプリケーションで活用する横断的サービス、データ解析と解析結果に基づくフィードバックによるサービスを提案する。アナリティクスやディープラーニングをサービス基盤側で用意し、吸い上げたデータに付加価値をつけてアプリケーションに提供する。データの価値を高めるのがこれからのIoTの世界となる」と語った。
 IoTセキュリティの「ノキアネットガード」は、ネットワークガードソリューションで、デバイスで車をモニターする。IMPACTとの連携によりトラヒックパターンを解析し、異常を検知して不具合をデバイスに認定する。認定結果を通知されたプラットフォーム側では、必要に応じてデバイスをネットワークから切り離す。
 デバイス活用事例では、ビデオアナリティクスがある。街角の至る所にビデオカメラが増えているが、大量のビデオ画像に埋もれて本当に大事な情報を見つけるのが難しくなっている。そこで、ノキアはビデオカメラ映像をセンサーのように扱える技術をサービス基盤側で提供する。監視カメラの画像データをサービス基盤で分析するもの。ベクトル解析技術を活用して、人の進行方向、速さ、密度を画面解析する。想定したふるまいと比べることによって異常を検知する。検知結果はAPIを介して上位のアプリケーションプロバイダーに渡す。小売店に導入すれば、顧客の流れをビデオ分析することによりマーケティングに応用できる。
 「IMPACT」の導入事例では、ニュージーランドのブロードバンドプロバイダーのコーラス社が、バスの待合所で広告収入を得るというビジネスモデルを実証中だ。ブロードバンドを接続することによって待合所をIoTハブに発展させる考え。待合所の壁に設置したディスプレイにはリアルタイムのバス運行状況、ルート検索等を表示する。タッチパネルを介して情報をネットワーク側に吸い上げることによって、ユーザーが求める適切な情報を返す仕組みもできる。ユーザーが求めているものに、ピンポイント広告をインタラクティブにディスプレイに表示する。広告のほか、ブロードバンド接続料、センサー端末設置料など待合所に収益をもたらす。IoTを中心に新たなビジネスモデルを構築できる。

情報・通信一覧へ  トップページへ