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AI技術 「顧客プロフィール推定技術」 NEC

【2016年09月07日】

 NECは、顧客一人ひとりの趣味や嗜好といった詳細なプロフィールを、マーケティングの専門家が関与することなく、高精度に自動推定できる「顧客プロフィール推定技術」を開発したと発表した。この技術は、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」のひとつとなる。
 マーケティング分野では、顧客一人ひとりの価値観をとらえた〝個〟のマーケティングが注目されている。そのためには各人の詳細なプロフィール情報が必要だが、比較的容易に入手できるのは年齢、性別等の基本プロフィールに限られ、職業、嗜好、年収などの詳細なプロフィールは入手が困難だ。従来は、入手可能な基本プロフィールから詳細プロフィールを推定する、あるいは購買履歴(ID―POS)をもとに商品と顧客の特徴を結びつけて詳細プロフィールを推定していたが、これらは分析精度や手間の面で課題があった。
 今回開発した技術は、NEC独自の関係マイニング技術に基づき、基本プロフィールと購買履歴から、顧客一人ひとりの詳細なプロフィールを、高精度かつ全自動で推定する。これにより、刻々と変化するライフスタイルへの対応や、見逃していた〝個〟の真のニーズの素早い発見・施策立案が可能になる。
 NECは、公開データを用いて本技術の有効性を検証した。その結果、従来専門家が3ヵ月かかっていた分析を、専門家を上回る精度で3日で実施できることを確認した。
 今後、NECは百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、ECサイト、ポイントカードシステム事業者などの小売・流通分野への適用を視野に、同技術の研究開発を進める。
 企業のマーケティングにおいては、消費者全体をみるマスマーケティングに加え、消費者一人ひとりの価値観をとらえた〝個〟のマーケティング(マイクロマーケティング)が注目されている。〝個〟のマーケティングでは、各人のプロフィール情報に基づいて、〝個〟の潜在ニーズを発掘し、よりターゲットの興味関心や購買意向、価値観に合った商品開発・販売戦略立案を行う。消費者一人ひとりの詳細なプロフィール情報(例:職業、嗜好、年収など)を会員登録やアンケートを通じて直接収集するのは難しいため、これまでは次のような手法がとられてきた。
 一つは、年齢、性別といった比較的収集が容易な情報から残りの詳細プロフィール情報を推定する方法であるが、単純なデータ解析では精度よい推定ができなかった。
 もう一つの方法として、各商品に関する消費者視点での特徴の情報(商品DNA)をひも付けしておき、これを商品購買履歴と照らし合わせることで、消費者一人ひとりの詳細プロフィールを推定する手法がある。この手法は精度を高められるが、商品へのラベル付けにマーケティング専門家の関与が必要で、しかも膨大な手間がかかるという課題があった。
 今回NECは、これらの従来課題を解決し、顧客一人ひとりのプロフィールを自動で高精度に推定する「顧客プロフィール推定技術」を開発。NEC独自の関係マイニング技術により、顧客の基本的なプロフィール情報と購買履歴を入力するだけで、各顧客の詳細なプロフィール情報の推定結果を出力。人手による商品へのラベル付け作業等を全廃した全自動プロセスとなるため、従来3ヵ月かかっていた分析時間を3日という短時間で顧客一人ひとりの詳細プロフィールを推定することが可能だ。
 また、商品の購買履歴を参照して顧客一人ひとりの詳細プロフィールの仮説を作り出すAIと、一部の顧客が回答したアンケート結果を参照して仮説の正しさ検証するAIの2つが相互連携し、「仮説の生成→検証→仮説生成へのフィードバック」というサイクルを繰り返すことで、分析者の主観を混入することなく詳細プロフィールを推定。このサイクルを高速に何度も回すことにより、専門家の分析結果を上回る精度で顧客の詳細プロフィールの推定を実現したもの。

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