情報・通信

フルMVNOデータ通信サービス提供 IIJ

【2016年09月14日】

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     ▲ 鈴木幸一会長
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    ▲ 島上純一CTO

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は8月30日、次期MVNO事業に関する記者発表会を東京都千代田区のIIJグループ本社で開催し、新たなモバイルビジネス創出が期待される「フルMVNO」への取り組みと今後の展望について説明した。
 代表取締役会長CEOの鈴木幸一氏は「8月29日にNTTドコモに対し加入者管理機能の連携を申し込み、承諾された。ワイヤレス通信は将来、IoTを含めたネット社会の基本インフラとして大きな役割を果たす。IT社会発展のキーとなるワイヤレスは、次のIT社会を支えるネットワーク網として重要性を増す。当社が今回、管理機能を含めてワイヤレスで新サービスを開発する第一歩としてNTTドコモと連携する。2017年度下期にもフルMVNOデータ通信サービスを提供する予定だ」と話した。
 取締役CTOの島上純一氏は「MVNOは、モバイル市場全体の成長と拡大に寄与することが期待されている。格安SIMは現在、価格競争、プレイヤー増加、MNOとの近接化、サービスの類似により競争が激化し、レイヤ2接続によって実現されたイノベーションは限界に来ている。MVNOが今後更なる発展を遂げるには今までと違ったブレイクスルーが必要だ」と語った。
 SIMカードにはID番号(IMSI、電話番号)や、通信暗号化の鍵が記録されている。SIMカードを管理するデータベース「HLR/HSS」は、端末の認証・位置登録を記録するサーバーで移動通信サービスを制御する中枢機能になる。主に販売からブランディング、顧客管理を行うのがライトMVNOと呼ばれるが、独自の料金プランや、サービスをコントロールするのがフルMVNOと呼ばれ、HLR/HSSを1社で保有し、SIMカードをMVNO側でコントロールする。同社が提供するモバイルサービス「IIJmio」では、NTTドコモのSIMカードを使用していた。SIMカードの情報はNTTドコモがすべてコントロールしていてMVNOはタッチできなかった。「多様なサービス、利便性を上げる中で、SIMのハードウエア、中味をコントロールすることが、これからサービスを拡充するための大きな肝となる」と島上氏は指摘する。
 IoT時代のSIMカードには、リプログラマブル、エンベデッド、マルチプロファイルの機能が要求されている。現在IIJが借りているSIMカードは、NTTドコモのシステムを使って書き込まれるが、リプログラマブルではSIMカードの中味を書き換える機能を持つ。エンベデッドは、SIMカードを基盤上にチップとして埋め込むこと。マルチプロファイルでは、SIMのハードウエアにNTTドコモ以外の色々な情報を書き込める。「PCや車、工作機械に通信機能が組み込まれているが、出荷先に合った通信事業者のSIMカードを入れなければならなかった。フルMVNOになれば、SIMを部品として扱えるのでチップ自体を機械に埋め込んで利用シーンに合った通信サービスを提供できる。必要に応じて接続サービスを使えるよう、後からSIMをアップデート可能で、こうしたことに当社は取り組んでいきたい」(島上氏)。また、マルチカントリーMVNOとして、1枚のSIMで国内外の通信サービスをリーズナブルな料金で提供する。移動通信以外でも、NFCやFinTech、マイナンバー連携など、アプリとSIMの連携に取り組む。
 「ヒトと機械がネットワークに接続する世界は広がる。それをネットワークとして支えるのがインターネットで、創業時からの理念として持っている。移動通信が果たす役割が大きくなるためMVNOをやっている。通信だけではなく、SIMコントロールも含めた利便性向上によって世界がもっと便利になるので、そうしたものを当社は主体的に推進していきたい」と島上氏は語った。

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