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コンビニ収納向けFinTechサービス開始 NECなど

【2016年09月28日】

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左から、SMBC取締役執行役員の太田純氏、
ブリースコーポレーション社長の佐藤洋史氏、
NEC執行役員常務の西村知典氏

 NECと三井住友銀行(SMBC)は、共同出資により設立した「株式会社ブリースコーポレーション(brees)」を通じて、FinTechサ―ビスとしてスマートフォンを使用する新たなコンビニ収納サービスを開始すると発表した。サービス開始は、2017年2月~3月をメドにしている。
 ある調査によると、米国では80%以上が現金以外の決済手段(クレジットカード、デビットカードなど)なのに対し、日本では現金での決済が50%以上占めている。現金決済の中でも、公共料金やインターネットショッピングの代金をコンビニで支払うコンビニ収納が急速に増加しているという。日本のコンビニ収納市場は、2014年時点で取扱い件数は9億2100万件、取扱い金額9兆3800億円に達しており、中長期的に高成長を継続すると予測されている。一方、コンビニ収納には多くの課題を抱えている。現在、利用者は紙に印刷された払込票紙を店にもって行く必要があるが、持ち歩くのを忘れたり、なくしたりしまう他、しわくちゃになってしまうなどが多く発生している。また、請求事業者にとっても郵送代や印刷代などコストがかさむ。さらに、コンビニ側も処理や管理が負担になるという問題がある。
 そこで、NECとSMBCは、電子バーコードに関する新技術の可能性に着目し、新サービスとしての実用化に向け2014年12年にbreesを設立した。breesでは、これまで様々な種類のスマートフォンでの電子バーコードの読み取りテストや、試作アプリケーションの動作テストに加え、請求事業者の協力による実証実験など、様々な検討を進めてきた。また、NECが2015年度に新設したデザインセンターも検討に参画し、利用者にとってより身近で便利なサービスの開発に取り組んできたという。
 サービスの流れとしては、(1)請求事業者がbreesに請求情報を送る、(2)breesは利用者に電子バーコードを発行する、(3)利用者はコンビニに行き、電子バーコードを提示し、現金で支払う、(4)支払い済みの情報がコンビニからbreesに送られる、(5)breesは支払い済み情報を請求事業者に送る、となる。利用者はいつでもすぐに払うことができ、払い忘れも防ぐことができる。請求事業者はコスト低減と時間短縮、コンビニも店舗業務を効率化することができる。
 これまでもスマートフォンの画面などにバーコードを表示し、読み取らせるという試みは行われてきたが、あまりうまくいかなかった。現在、コンビニの公共料金などの収納代行システムには、国際標準「GS1―128」が採用されている。「GS1―128」は44桁のバーコードで、多種多様な情報をバーコード化することができるが、複雑なパターンになるため、POSレジのスキャナで読み取ることが難しかった。今回、NECが開発44桁のバーコードを正確に読み取れる技術を採用した。POSレジ側は一切変更や更新の必要がなく、従来通りのやり方で読み取ることができるという。紙に印刷した場合、しわがあったり、汚れがあると、読み取りにくくなるという課題がある。スマホの画面に表示することで、しわや汚れの問題はなくなる。しかし、紙へ印刷した場合は光の反射で読み取るが、スマートフォンの場合は画面が発光しているため、光の反射では読み取りにくくなるという問題が生じる。これについても、NECが培っていた技術により解決したとしているが、詳細については明らかにしていない。
 ブリースコーポレーション 社長の佐藤洋史氏は「今回のサービスはコンビニ収納における“ペーパーレス化”を実現するため開発したが、将来的にはキャッシュカードやクレジットカードと連携することにより“キャッシュレス化”も視野に入れている。また、NECが持つ顔認証など高い生体認証技術も取り入れていきたい」と述べた。ビジネスモデルについて、1処理当たりの手数料を徴収する形になるが、請求事業者やコンビニも含めて全体でメリットが出るレベルを想定している。2020年にはコンビニ収納代行市場シェアの20%を獲得し、年間取扱高は2兆円を目指している。

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