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業務用ドローンに最適なLiイオン2次電池 NECエナジーデバイス

【2016年10月03日】

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 ▲ リチウムイオン二次電池「DT005-01」
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   ▲ ドローンへの装着イメージ

 NECエナジーデバイス(神奈川県相模原市、澤村治道社長)は、業界に先駆け、業務用ドローン向けに本格的な実運用が可能な、高出力で安全性の高いリチウムイオン二次電池のプロトタイプを開発し、実用化に目処を付けたと発表した。
 この二次電池は、同社が過去20年間におよぶ動力用リチウムイオン二次電池の開発で培ったノウハウを基に新たに開発したもので、出力や安全性に加えてエネルギー密度を高め、ドローンの軽量化に貢献するとともに、長寿命化により運用面での経済性向上を可能にした。ドローン用として従来採用されているリチウムポリマー(Li―Po)二次電池に比べ、飛行可能回数が2倍以上となり、また低温での使用範囲も拡がるなど実用性能が向上している。これにより、空撮用や地形モニター用に加え、輸送用や農薬散布用など、本格的な実運用が可能となる。
 また、二次電池の実機による飛行性能試験にあたっては、国内ドローン分野で最先端の企業である自律制御システム研究所(ACSL、千葉市、野波健蔵代表取締役)が評価した。
 NECエナジーデバイスは、今回開発したリチウムイオン二次電池を、ドローンをはじめ、ロボットなど、様々な用途の駆動用電源に活用できる製品として提供する。
 昨今、テレビ番組の空撮などで注目され始めたドローンは、防災・災害現場の監視や救援物資の輸送、また宅配等の幅広い用途への導入が検討され始めている。このドローンに用いられる電源には、飛行時間や飛行距離を伸ばすため、電池容量の大型化と電池重量の軽量化、風が吹いている天候時も安定的な飛行を継続するための電力の高出力化、電池の運用コストを低減するための長寿命化などが求められている。
 今回新開発したリチウムイオン二次電池をドローンに使用することにより、風の影響を極力抑えた長時間の安定飛行や、マイナス10度Cまでの低温環境下での飛行、長寿命化による経済性の向上が実現できる。今後、物品の輸送、空撮などのドローン用途に向けて、さらに実際の自然環境下での長距離飛行や急峻な上昇下降を含む加速飛行などの試験を繰り返すことにより、性能、信頼性の向上を図り、量産化につなげる予定。
 具体的には、今回新たに二次電池の正極材として、比容量(単位質量あたりの電力容量)の大きな材料を開発・採用。これにより、高出力時の重量エネルギー密度が同社従来比で約33%向上するため、従来品と同じ重量で比較するとドローンの飛行時間や飛行距離が約33%延長でき、また従来品と同じエネルギー量で比較すると、サイズや重量を約25%小型軽量化することが可能だ。
 新開発の正極材を使用し、さらに電極の組成を最適化したことによる電極の低抵抗化により、エネルギー出力密度(単位質量あたりに取り出せるエネルギー)が同社従来比で40%向上した。これにより、ドローンの急峻な上昇下降時においても、出力電流の追従性が向上し、モーター性能を十分に引き出すことが可能となり、気流の乱れに対する飛行安定性の確保にも威力を発揮する。飛行後における電池の温度上昇も低く抑えられている。また、低温においても高出力を維持できるため、約マイナス10度Cまでの低温環境下でも電池を加温することなく飛行が可能だ。
 電極材料や電解液、添加剤などの組み合わせを最適化することにより、充放電を繰り返した際の耐久性(容量低下特性)が同社従来比で10%以上向上。これは、典型的なLi―Po二次電池の2倍以上となる。電池の長寿命化につながり飛行可能な回数も増加できるため、運用に必要な電池の購入数量が削減できる。 また、正極と負極を絶縁するセパレータに高熱に強いタイプを使用することで、高い安全性を確保している。

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