情報・通信

国内生産は5四半期連続で減少 CIAJ

【2016年10月05日】

一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)の市場調査部が公表した2016年度第1四半期(4―6月)の通信機械生産・輸出入概況によると、国内生産・輸出ともに減少傾向が継続している。2016年度の日本経済は、内閣府が8月15日発表した2016年4―6月期の国内総生産(GDP)の1次速報値によると、前期比年率0・2%だった。住宅投資や公共投資は好調を維持しているものの、個人消費はプラスで推移する勢いがなく、企業の設備投資意欲もまだ低調なことなどから、全体ではほぼ横ばいのプラス成長。その中で、通信機器市場は、国内需要の低迷、海外現地生産の継続、海外企業との競合により国内生産が大幅に減少しており、前年同期比では2015年度第1四半期から5期連続して減少となった。輸出は、中国他での携帯電話生産が鈍化したことで生産部品の輸出が減少しているが、2015年度第4四半期から進行してきた円高の影響が大きくなり、同比では2期連続して減少。また、輸入は、国内需要の低迷によって、携帯電話やデータ通信機器の減少が継続した。

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 2016年度第1四半期の国内生産金額は、1181億円となり、前年同期比21・3%減となった。住宅やオフィス・ホテル設備関連は、消費税の駆け込み需要も奏功して好調を維持したが、企業の設備投資に関連する機種は低調だった。
 機種別の実績を見ると、有線端末機器は、162億円、前年同期比20・6%増。うち電話機9億円、同7・1%増、ボタン電話装置74億円、同39・5%増、インターホン76億円、同10・0%増、ファクシミリ3億円、同17・5%減。ボタン電話は、大容量化によるPBXからのシフトや、IP化などの付加価値販売などにより前年の落ち込みから需要回復した。
 移動体端末機器は、361億円、同28・1%減。うち携帯電話は263億円、同32・8%減、公衆用PHS端末は2億円、同75・1%減となった。携帯電話は、実質ゼロ円終了により携帯端末が値上がり、端末購買意欲が低下した影響などから、大幅な減少となった。
 有線ネットワーク関連機器は、327億円、同24・4%減。うち局用交換機25億円、同68・2%減、構内用交換機42億円、同22・0%増、デジタル伝送装置110億円、同4・0%減、その他の搬送装置138億円、27・7%減となった。局用交換機はPSTN(Public Switched Telephone Network)マイグレーションによる大幅減少が継続している。
 無線ネットワーク関連機器は、206億円、同27・8%減。うち固定通信装置73億円、同38・2%減、基地局通信装置132億円、同20・3%減。基地局通信装置は、4Gのトラフィック増強などの受注が増えているが、輸入品の比率が高く、国内生産は減少した。
 ネットワーク接続機器は、59億円、同26・5%減。有線ネットワーク関連機器と同様に国内需要が一巡し、国内生産は同比で大幅に減少した。有線部品(有線機器用リレー、中継器用など)は、66億円、同1・3%減。国内の携帯電話生産の減少に加え、中国他での携帯電話生産の鈍化から輸出向け部品の生産も減少し、同比で2015年度第4四半期から2期連続で減少した。
 2016年度第1四半期の輸出総額は、1096億円、前年同期比13・5%減となり、同比では2015年度第4四半期から2期連続して減少した。電話機及び端末機器は、携帯電話の減少が継続しているため、同比で減少となった。ネットワーク関連機器は、基地局が同比で28・5%増と増加したが、データ通信機器が減少したために同比で減少となった。部品は、中国他での携帯電話生産が鈍化したことから同比で減少した。
 機種別には、電話機及び端末機器13億円、同1・7%減。うち携帯電話6億円、同25・3%減、ファクシミリ1億円、同17・1%減、コードレスフォン1億円(同14・9%減、その他6億円、同41・4%増。ネットワーク関連機器387億円、同1・5%減。うち基地局38億円、同28・5%増、データ通信機器336億円、同3・7%減、その他ネットワーク関連機器13億円、同8・6%減。部品(有線系・無線系の合計)696億円、同19・1%減。  地域別では、アジア向けが791億円、同15・9%減で、うち中国向けは486億円、同27・6%減。北米向けが160億円、同4・8%減で、うち米国は157億円、同5・4%減。欧州101億円、同5・2%増で、うちEU93億円、15・8%増。中国向けの部品輸出は439億円で、中国向け輸出全体486億円に対して90・3%を占め、また、部品の輸出全体696億円に対して63・1%を占めていて、中国に向けての携帯電話生産部品の輸出が高水準にある。
 地域別構成比を見ると、第1位はアジア72%(前年同期比2・1%減)、第2位は北米14・6%(同1・3%増)、第3位は欧州9・2%(同1・6%増)、その他地域4・1%(同0・8%減)となっている。
 2016年度第1四半期の輸入総額は、5164億円(前年同期比14・9%減)となり、同比では2015年度第3四半期から3期連続して減少した。要因としては、輸入全体の62%を占める携帯電話が、国内での購買意欲低下により需要減少したことによる。基地局は、国内での需要増に合わせ、金額は小さいものの同比11・7%増と増加した。
 機種別には、電話機及び端末機器3264億円、前年同期比11・7%減。うち携帯電話3224億円、同11・7%減、ファクシミリ11億円、同22・7%増、コードレスホン12億円、同8・7%減、その他17億円、同24・5%減。ネットワーク関連機器1291億円、同18・4%減。うち基地局44億円、同11・7%増、データ通信機器1208億円、18・9%減、その他ネットワーク関連機器39億円、同28・5%減。部品(有線機器と無線機器用部品の合計)609億円、同22・6%減となっている。
 地域別では、アジアからが4828億円、同15・1%減。うち中国は4023億円、8・8%減。北米からは172億円、同13・8%減、うち米国166億円、同12・9%減。欧州からは78億円、8・9%減。うちEU76億円、8・6%減。
 地域別構成比を見ると、第1位はアジア93・5%(前年同期比0・3%減)、第2位が北米3・3%(横ばい)、第3位は欧州1・5%(0・1%増)、その他地域1・7%(0・2%増)となっている。
 受注・出荷動向では、2016年度第1四半期のCIAJ自主統計による受注・出荷総額は4117億円となり、前年同期比10・7%減となった。ボタン電話装置、事業所用コードレスホン、インターホン、その他の移動端末機器、その他の交換機、メディアコンバータ、固定通信装置(地上系)、基地局通信装置、その他ネットワーク関連機器(ルータ・LANスイッチ)が同比で上回った。国内出荷は3135億円の前年同期比13・3%減、輸出が982億円の同比1・4%減となった。

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