情報・通信

新しいほろグラフィック3D映像技術 NICT

【2016年10月19日】

 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、坂内正夫理事長)電磁波研究所電磁波応用総合研究室は、独自に開発したホログラムプリンタにより作製した特殊な光学スクリーンと、今回新たに開発したホログラム映像を投影する技術を組み合わせることで、透明なスクリーンにホログラム映像が浮かぶプロジェクション型ホログラフィック3D映像技術を開発したと発表した。
 電子ホログラフィと呼ばれるこれまでのホログラフィック3Dディスプレイは、空間光変調器(SLM)の解像度不足から、実用的な画面面積と視野角を両立することが困難だった。また、ディスプレイ後方に大掛かりな光学系の装置が必要で、これらが実用化に対する大きな障壁となっていた。
 今回開発した技術は、SLMの解像度に依存せず、特定の観察位置に対して画面面積と視野角を自在に設計することができ、さらに、ホログラム映像をほとんど透明なスクリーンを介してユーザーに提示できることから、先述の障壁を緩和し、車載ヘッドアップディスプレイやスマートグラスのホログラム映像化、デジタル3Dサイネージの実現といった実用的な応用が期待できる。
 この研究の一部は、JSPS科研費の助成と総務省SCOPE、文部科学省COI STREAMの委託を受けたもの。  計算機の処理能力や通信技術の向上により、膨大な情報のやりとりが可能になってきた。それに伴い、情報を最終的にユーザーに提示するディスプレイの重要性も増している。特に、近年は、3Dプリンタや3Dスキャン技術の台頭を受けて、立体映像表示を可能とする〝3Dディスプレイ〟への需要が高まっている。  NICTは、電子ホログラフィと呼ばれるホログラフィック3Dディスプレイの開発を行ってきた。しかし、実用的な画面面積と視野角を持つホログラフィック3Dディスプレイの実現には、空間光変調器(SLM)の更なる高解像度化が必要だった。
 今回、NICTは、SLMの解像度に依存することなく、画面面積と視野角の両方を自在に設計できる、プロジェクション型の新しいホログラフィック3D映像技術を開発した。
 同研究室では、2014年から、特殊なホログラム印刷技術及びその複製技術によって、様々な応用が可能な光技術の実現を目指したHOPTECH(Holographic Printing Technology)という研究プロジェクトを開始した。その研究の一環として、コンピュータで設計した光の波面をホログラムとして記録できるホログラムプリンタを開発してきた。ホログラムプリンタは、3Dデータの可視化といった応用や、任意の反射分布特性を持つ光学素子DDHOE(Digitally designed holographic optical element)を作製することができる。
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 今回開発したプロジェクション型ホログラフィック3D映像技術は、ホログラム映像を拡大投影する技術と、投影されたホログラム映像の光を特定の観測位置に集光する特殊な光学スクリーンをホログラムプリンタで作製することで、実現した。ユーザーは、自在に拡大されたホログラム映像を自由な視野角で見ることができる。これまでにも、レンズや凹面ミラーといった光学素子を用いて、ホログラフィック3Dディスプレイの視野角を拡大する技術は提案されていたが、今回開発した技術は、ホログラムプリンタで作製した薄い光学スクリーン1枚で、従来の光学素子以上の設計自由度を実現することができる。
 さらに、この光学スクリーンはほぼ透明であることから、ディスプレイの使い方に応じて柔軟なシステム設計が可能となり、例えば、3D情報を提示する車載ヘッドアップディスプレイやホログラム映像を提示するスマートグラスの実現、デジタルサイネージのホログラム映像化等への応用が期待できるとしている。

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