情報・通信

つくばフォーラム2016開催 NTT

【2016年11月28日】

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  ▲ MMS
   (モービルマッピングシステム)
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   ▲ 改良型安全帯(ダブルフック)
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   ▲ 無線式クレーンカメラシステム
    「FH-120」(右)

 NTTは、アクセスネットワークに関するサービス・システムの総合シンポジウム「つくばフォーラム2016」を10月25日、26日の2日間、茨城県つくば市のNTTアクセスサービスシステム研究所で開催した。「豊かな暮らしを共に創る、進化した社会インフラへ」をテーマに、設備点検のイノベーション技術、最新の通信インフラネットワーク技術など最新の研究開発成果、計36展示を行った。

 NTTアクセスサービスシステム研究所(NTT―AS研)では、設備点検にロボット技術を活用して、センチオーダーでの構造物の定量的点検評価、現用構造物の再評価、また、設備からの状態発信と設備に近づいたらその情報を認識できる技術、事前に危険なインフラをピンポイントで検出する技術を研究している。NTTグループは電柱1200万本、ケーブル211万キロを保有する。それらの膨大な設備点検について、現在ミリ波を用いて電柱のひびを検出するイメージング装置、電柱や吊り線を点検する点検用カメラ、各種点検結果を現場で投入する点検用タブレット等を開発。設備の老朽化、団塊世代の退職に伴う有スキル者の減少が予想される中、抜本的な点検業務の改革が必要となっている。
 架空設備の点検では電柱の傾きに着目している。様々な要因で不平衡といわれる荷重が発生し、電柱が長時間傾くと電柱の表面にひびが入って雨水が染み込み、内部の鉄筋が錆びて電柱の強度が保てず電柱が倒壊することがある。そこで、「MMS(モービルマッピングシステム)」を用いて電柱のたわみを判別する。MMSの屋根上には高精度のGPSアンテナ3基、1秒間に100万点の点データを取り込む3Dレーザースキャナー、360度カメラ、車の加速度・振動を正確に伝えるセンサーを搭載。ピント合わせ、太陽の位置、影の影響、設備の正確な位置を正確に求めるため、レーザースキャナーを用いる。収集したデータは、NTTコムウェアが開発した「データキャンバス」に表示する。測定の結果、電柱の傾きが0・9度、たわみが1・9センチであることが分かった。てっぺんが2・5センチずれ、地上3メートル地点くらいから曲がり始めていることが細かく見て取れる。
 MMSは走行しながらレーザースキャナーで点群を取得し、GPS情報を基にその点群を地図上に描画する。この中から電柱、架線、ケーブル、クロージャなど必要な情報だけを自動抽出して既存設備データベース情報とともに描画する。必要な情報を抽出することにより見やすくなってデータ容量も軽減する。実測値と比べると、MMSの計測結果は傾き誤差が1度、たわみが2センチ以下の精度を実現した。電柱は樹木等に隠れることがあるので最終的には人の目で確認する。全国的に基準を揃えるため、診断センターを用いて集中的に実施する予定。経過観察が必要な場合は電柱にセンサーを取り付け、作業者が近づいた時にたわみ情報を取得できる。地図はNTT空間情報が提供する「ジオスペース」を使用する。
 タブレットPCを活用した劣化部位計測技術「Tab Scall(たすけーる)」では、とう道やマンホールなど地下設備向けにタブレットに計測機能を付加した。タブレットPCで撮影した画像を画面上で、タッチペンでなぞるだけで地下設備の劣化や、その長さ、面積を高精度で計測できる。従来はメジャーで直接ひびを計測していたため、計測画像の削減を期待できる。劣化個所の定量的な記録画像データを記録・保存できるため、劣化予測に活用できる。
 無電柱化に向けた取り組みでは、管路を使わない新たな整備手法として「直接埋設方式」、「小型ボックス方式」が実現に向けて検討されている。モデル事業として、新潟県見附市、京都市先斗町が平成28年度に着工する予定。ダクトケーブル/ドロップは、直接埋設可能でスコップ耐性がある。ドラム繰り出しで敷設できる。
 最新の通信インフラネットワーク技術として、5Gモバイルネットワークを支えるPONシステムを紹介した。5Gでは端末の通信速度を向上するため、スモールセルが高密度に配置される。モバイルフロントホールでは多量の光ファイバが必要となる。既存のPONのネットワークを有効活用することにより、効率的なスモールセル集約が期待できる。同展では、PON適用に向けて、モバイル向け上りリンク低遅延化技術、モバイルと他サービルの混在を可能とする動的帯域割当技術、WDMオーバレイ技術、遠隔監視制御技術等を紹介した。
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 日本コムシスは、改良型安全帯(ダブルフック)による改善を紹介した。ケーブルラック上での作業時、安全帯のフック掛けを容易にして安全で素早く移動することを可能とする。フックが大きく掛け替えが簡単にできるのが特長。補助ロープも本ロープ同様、収納式となり邪魔にならない。左右対称構造のため、右手、左手のどちらでも取り付けが可能。両手が塞がらないことで安全性が向上する。フック掛けに手間が掛からないため、補助ロープ使用を怠りがちな状況を改善できる。ロープを収納するリールロック式のため、引っ掛かる危険性を軽減できる。フック掛けが容易なため、ラック上で素早く移動できる。
 また、新しい防草対策として考案した「防草達人」を展示した。屋外に設置してある電気通信設備(RT―BOX、RSBM等)の敷地に同製品を施工することにより定期的な除草作業を廃止(抑制)する。同製品は、自然素材の原料に固化材を混ぜた混合物で、土壌に強度を持たせることで雑草の生えない環境を構築する。除草作業を廃止(抑制)できるため、近隣住民からの苦情や草刈による事故を防げる。敷地内を100%施工でき、電気通信設備への影響がない。除草効果についてコンクリートと同等な耐久性であり、環境汚染・人体への影響もない。透水性、保水性、安全性、コストにおいてコンクリートやアスファルト舗装より優れている。廃棄時も、細かく砕くことで細かい砂に戻るので産業廃棄物処理も不要。
 「通線キャッチャー(CCBキャブ用)」は、CCBキャブ通線作業において、管路口が深い、キャブ内部が狭い、水が溜まっている等の場所でもキャブ内に入らず、送り側、受け側ともに一人で作業ができる工具。先端がフレキシブル構造のため、角度を自由自在に合わせることが可能。伸縮範囲が長いので、深いキャブでも通線が可能となっている。
 「装置架の撤去時における接地線バイパス方法の改善」では、装置架の部分撤去時に用いる仮アース線の外れ防止及び、確実な接地ルートが確保できる工具を紹介した。保持力が強く、電源線が太い場合での取り付けも可能。アース端子が使用されている場合でも、安定した取り付けが可能。各接続ポイントで電気的に導通が可能。プラグ接続部分に養生されたL型のバナナプラグを使用しており、簡単に接続できるが抜けない。ジョイント部分は360度角度を変えられるため、コードが作業の邪魔にならない。狭くて手が入りづらい箇所でも簡単に取り付けられるのが特徴。ツールの電源部分がむき出しにならないため、安全に作業できる。仮アース線を敷設した状態でも邪魔にならず、軽微な養生での作業が可能となっている。
 ミライトは、車両飛び込まれ警告システム「ドレミ」を展示した。一般道路上で車線規制して工事を行う際に、工事規制エリアへの車両の飛び込まれによる人身事故の被害を低減するために、工事車線を高速で走行する車両を検知し、交通誘導員・作業員に警告を発する「24GHz帯ドップラー式アレイレーダーシステム」。一瞬身構えることで、人身事故の被害を低減できる確率が上がる。工事現場から「設定距離(20、30、40、50メートル)の地点で設定速度(10、50、60、70km/h)以上」の車両を検知し、青色パトライトとブザー音で周囲に警告を発する。設定速度以上で走行するドライバーにも青色パトライトにより警告を発する。
 また、太陽光発電モジュール診断装置「SolMaster(ソルマスター)」を紹介。太陽光発電システムの発電性能をオンサイトで効率的に診断するための製品で、この1台の中に劣化ストリングを特定する「ストリング診断機能」と、劣化モジュールを特定する「モジュール診断機能」を備え、発電設備の状況を可視化する。1台で発電量監視から劣化モジュール診断まで可能。操作はすべてタッチパネルなので、直感的で扱いやすい操作性を持つ。ポータブルタイプで電源は乾電池、充電電池、モバイルバッテリも使用可能。測定中のデータはリアルタイムで表示され、各種グラフ表示、SDカードに保存可能。日射計・温度センサーと本体間は無線通信を行う。
 「安全性フック視認性向上シール(意匠登録済み)」は、安全フックに貼ることでフック本体とロック可動部が円形状態に見え、何らかの原因(異物が挟まっている状態)によってフックが完全に閉じていない場合は円形が切れた状態となり、フックの開閉状態が視認しやすくなる。
 「梯子・脚立の高所作業認識表示テープ」は、梯子・脚立の2・0メートル位置に同シールを貼ることで、これ以上は高所作業の領域に入ることを作業者に一目で認識させ、昇降用転落防止器具の使用を徹底させるための表示シール。高所作業の意識付けをさせ、人身事故(転落)予防になる。テープ幅が50・0㍉のため一目で確認でき、はがれにくい仕様になっている。水に濡れた場合でもはがれにくい素材を使用している。「梯子転倒防止補助器具」は、梯子上部を補助器具により軒先に固定し、梯子を上り下りする際にあおり、ぐらつき、転倒を防止する。地上での操作が可能で、脱着が容易にてきる。雨樋の破損を防止し、多様な屋根の形状に対応する。一人作業で簡単に地上から補助器具の脱着ができる。
 協和エクシオは、WHERE社製の次世代メッシュ型ビーコン「EXBeacon」を展示した。次世代ビーコンとセンサーの組み合わせで、新しいIoTソリューションを提供する。「EXBeacon」は、アドバタイズ送信に加え、ビーコン間で相互交信するメッシュ通信機能を備え、分散配置されたビーコン群をリモートで一元的に管理できる。「EXBeacon」には、給電ユニットやセンサーユニット等が用意されており、利用用途や設置状況に応じて自由に組み合わせ、機能拡充が容易。センサー等と簡単に接続できるので、取得したセンサー情報など外部と接続しなくとも、メッシュネットワーク内で集約でき、応用範囲は無限大となっている。メッシュネットワークとエッジコンピューティングとを組み合わせることで、対象施設や空間等の自律的な環境管理ソリューションを提供する。
 また、フジ電設の無線式クレーンカメラシステム「FH―120」を紹介。これまでラフタークレーンなどへ有線式カメラシステムを取り付けるには、ケーブルを巻き取るための専用リールを作成するなど多くの手間が掛かった。有線式のデメリットとして、①カメラ以外の設備が必要になり導入費用が高くなる②取付工程が増えることにより納期が余計にかかる③リールの不具合など余計なトラブルの原因が増え作業効率が悪くなる④作業効率を高めるために自動巻きリール等を希望の場合更なる追加費用と納期が必要になる⑤専用設計のため他の車両への転用がきかない―ことが挙げられる。無線式クレーンカメラシステムを使えばそれらを解消できる。
 「フリーアクセスフロア開口注意喚起屏風」は、ビル内等でのフリーアクセスフロア通線作業の際、顧客など第三者へのフロア開口部の注意喚起が行える。視認性の良く、軽量で持ち運びと設置が容易なのが特徴。パネル接続タイプのため、予備パネルを追加すれば任意の床開口枚数に対応でき、開口部を適正に囲える。
 撤去ケーブル特定「NKリング」は、既設ケーブル撤去作業におけるケーブル特定のための「リング通し」実施の証跡が残せるリング。ポリアセタール製の丈夫なテープケースにより、テープの傷付きを防止し、テープ形状が崩れ難く最後まで使えるのが特長。識別テープは、梱包用フィルムテープを利用しているため強度があり、また、薄く、螺旋状に巻き付くため、特定したケーブルから容易にはがれない。廃棄焼却時にダイオキシンなど有害物質が生じない環境に優しいテープとなっている。「PIT72ライニング工法におけるライニング材嵌合冶具」は、これまで嵌合部が多く、人力では大変な作業だったが、インパクトレンチの使用により半機械的な作業となり著しく省力化できるのが特徴。本体部嵌合作業では作業人員を2名から1名に削減できる。

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