情報・通信

2017年は3%増の291・6兆円見込む 電子情報産業の世界生産見通し(JEITA)

【2017年01月06日】

写真
写真

 一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA、東京都千代田区)の東原敏昭会長=写真=は2016年12月21日、協会本部で記者会見を開き、「電子情報産業の世界生産見通し」を発表した。発表によると、2016年の電子情報産業の世界生産見通しは、世界生産額が対前年比9%減の284兆2450億円と見込んだ。今後は、IoTによる世界的な産業構造変革の波からイノベーションの創出に向けたITソリューションサービスの需要拡大、スマートフォンの高機能化や自動車の電装化率向上による電子部品デバイスの成長も見込め、2017年は291兆6127億円(同3%増)とプラス成長を見通した。

 2016年における電子工業の国内生産額は前年比6%減の11・6兆円を見通した。東原会長は、「円高による輸出額減少の影響を大きく受け3年ぶりのマイナスを見込んだ。今後は、電子部品・デバイスの輸出拡大や、パソコンやカーAVC機器等での国内需要の改善が期待できる」と説明した。
 また、世界生産で伸びている分野として、スマートフォン等の通信機器分野が2600億㌦から5300億㌦に、ITソリューション・サービス分野が4100億㌦から7500億㌦に伸びており、その結果世界生産額における構成比は10年間でそれぞれ6ポイント、7ポイント上昇している。
 2016年の日系シェアは13%を見込む。分野別では電子部品で38%、ディスプレイデバイスで16%の高いシェアを維持している。一方で、これまで世界で高いシェアを維持してきたAV機器をはじめ、通信機器、コンピューター等情報端末などの電子機器部門では、海外企業との競争によるシェア低下などが憂慮されている。
 2016年の電子情報産業の世界生産額における日系企業生産額が大きいのは、分野別に見ると、(1)電子部品(8・4兆円)、(2)ITソリューション・サービス(6・0兆円)、(3)コンピュータおよび情報端末(5・7兆円)となっており、製品別では(1)プリンタ(2・1兆円)、(2)薄型テレビ(1・8兆円)、(3)パソコン(1・4兆円)、(4)携帯電話(1・2兆円)、(5)カーAVC機器(1・2兆円)を見込んだ。
                            ◇
 JEITAでは、世界生産の見通しと共に中長期に期待される注目分野の調査も行っており、今回で7回目となる。今回の調査では、IoTによる産業構造変革の鍵となる製品分野に注目し、「ロボット・移動ロボット」と「人口知能(AI)」について、それぞれ世界の市場動向を調査した。
 ロボットについては、生産現場で作業する(1)産業用ロボット、(2)コミュニケーションロボット、(3)業務支援ロボット、(4)介護ロボット、(5)清掃ロボット―のロボット5種を調査するとともに 移動ロボットについては、自動運転車、ドローンの移動ロボット2種について、2025年までの世界需要を調査した。
 東原会長は、「2025年には、ロボット5種の規模が38・5兆円、移動ロボット2種の規模が93・6兆円と、大きな成長が期待されている。人とのコミュニケーションを担い、様々なサービスをサポートするパートナーとして、ロボットの用途は急速に拡大し、社会を大きくかえようとしている」などと説明し、ロボット活用の更なる促進に期待を示した。
 また、東原会長はAI市場について、「AI技術を活用した製品やサービスが産業全体に大きく拡大することが見込まれており、2025年には317・9兆円を予測している」と調査結果を報告。「AIのインパクトにより移動、買い物、会話、交流、健康維持、製造、食の安全、農業等々、私たちの生活や様々な産業はより豊かに効率的に進歩し、人とAIが安全・安心に共存する社会の実現が期待されている。従来の機器・機械は、AI搭載によって高付加価値の全く新しい製品に生まれる変わる可能性を秘めている。AI搭載ロボットを中核として、産業分野の壁を越えた、AI技術の広がりと、データの利活用の変革により、市場が大きく拡大することが期待される」と展望を語った。

情報・通信一覧へ  トップページへ