情報・通信

世界初「スライド式手のひら静脈認証技術」を開発 富士通研究所

【2017年01月25日】

写真
親指と人差し指をスライドさせるだけで
認証可能

 富士通研究所は、世界で初めて、スライド式のてのひら静脈認証技術を開発したと発表した。8㍉メートル幅の小型光学ユニットによりてのひらの静脈パターンを認証する技術で、タブレットや小型モバイル端末のフレーム部分に搭載することが可能。2017年度中に実用化するとしている。
 手のひら静脈認証技術は、富士通が世界で初めて開発した非接触型の静脈認証技術だ。近赤外帯域の波長の照明を均一に照射して手のひらを撮像し、静脈パターンを読み取って個人認証を行う。認証精度が高く、目に見えない生体内の静脈を利用することから、偽造やなりすましなどの不正行為にも有効な手段とされる。
 静脈パターンの読み取りには、照明部と撮像部からなる光学ユニットが使われる。光学ユニットは当初、手のひら全体に均一に光を照射できるよう、撮像部の周囲を照射部で取り囲んだ大きめのものだったが、富士通では、小型デバイスへの搭載に向け、光学ユニットの小型化と認証システムの開発を進めてきた。
 富士通は今回、モバイル端末のタッチパネル外周のフレーム部に搭載可能な8㍉メートル幅の光学ユニットを使い、指をスライドさせるだけで認証が行える、スライド式静脈認証技術を開発した。
 操作は、モバイル端末のタッチパネルを指でタッチして、表示された認証ガイドに沿ってスライドするだけ。手をスライドしている間に光学ユニット上を通過する手のひらが連続して撮像され、同時にタッチパネルから得られる座標情報も記録される仕組み。 
 光学ユニットを小型化したため、一度に読み取れる範囲が狭まったが、手をスライドさせることで静脈パターンを分散して読み取る。認証率が高く、他人受入率0・001%、本人拒否率0・01%(リトライ1回)としている。
◇   ◇  富士通は1月17日、東京都中央区のベルサール汐留で行った「最新パソコン・タブレット・ワークステーションの発表会」で、今回の新技術を搭載した「スライド式静脈認証タブレット」を参考展示し、デモを行った。10・1型のタブレットに光学ユニットが組み込まれており、画面に表示されたガイドに指を置き、矢印に沿って手をスライドするだけで、わずか数秒で手のひら静脈情報の登録と認証ができた。 
 開発担当者は、「高度な認証技術と簡単な操作性を両立できる。病院やオフィス、配送センターなど、高度なセキュリティと簡単操作が求められる様々な業種でご活用いただけるように、2017年度中の実用化を目指していきたい」と語った。

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