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PC/プリンター関連で新規事業展開へ 日本HP

【2017年01月27日】

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▲ 岡隆史社長
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▲ HP Indigo デジタル印刷機

 日本HPは1月13日、報道関係者向け事業者説明会を東京都江東区の日本HP本社で開催した。同社のこれまでのイノベーションの歴史と今後の事業展開等について説明が行われたほか、カスタマーウェルカムセンターとイメージング&プリンティング・ソリューションセンターの視察が行われた。
 岡隆史社長は、「日本HPは一昨年8月、ヒューレッド・パッカード・エンタープライズとHPに分社し、私どもHPはPCとプリンターを担当する会社として独立した。会社のブランドコピーは『keep reinventing』に変更し、『革新を続ける』、『新しいテクノロジーで世の中をもっと便利にする』をキーワードに据えた。本当に社会や顧客にとって意味のあるものになるかは製品で証明していく。HPは元々モノづくりの会社で、77年前にウォルトディズニーに初めて色々な音が作れるオーディオ発振器を開発して納めるところから始まった。電卓、世界初のインクジェットプリンター技術、ポータブルPCなどオンリーワン技術を次々と生み出してきた。PCとプリンターはモノ自体が他と差別化できて魅力がないと事業として成立しない。我々はモノで戦うため、製品自体の魅力を追求している。米国発の世界最先端技術について、要求レベルの高い日本の顧客に対する最適化を日本HPのミッションとして進めている。効率の良いビジネスを行う日本で新しい仕組みを考えられるので、日本は優秀であるということを世界のHPに対しても伝えていく。世界一厳しい日本の顧客ニーズに応えることが日本のHPの価値を生む。
 色々な変更をPCとプリンター、ボリュームビジネスに最適になるように変化を加え、生産と物流の拠点を日野に移転して1ヵ所にまとめる。HPにしかないような特徴的な新製品、PCでもスマホでもない新しいデバイスのビジネスをつくる。例えば、ワークステーションやデスクトップ、シンクライアント等は国内トップシェアを維持している。PCビジネスは、国内マーケットよりも常に10~15%早いペースで成長しており、今後もPCビジネスは拡張する。デバイス数はこの先コンスタントに増えていくことが予測され、業界が勢いを増すチャンスの時期にきている。
 HPは今年、PCとオフィスプリンターを中心に事業展開する。HPの強みを生かし、セキュリティ対策では、最近のウイルスやサイバーテロの攻撃対象はハードウエア自体を狙ってくるのでハードウエア自体にウイルス対策を施す。プリンターとPCにHPだけがBIOSレベルのセキュリティを守る機能を研究機関『HPラボ』で開発し、3年前から製品に機能として積んでいる。HPが優位性を持つ製品でコアビジネスを広げていく。新規事業では、スマホにもPCにもなるデバイスを開発し、この分野をマイクロソフトとともに推進する。
 産業・商業印刷では多品種少量印刷の流れの中で、デジタルプリンティング技術・製品を拡充する。HPで3年後に最も大きな成長を見込めるため、デジタル輪転機の分野に大きな投資を続ける。3次元データを簡単に扱えるイマーシブコンピューティング(没入型)で情報を2次元から3次元に扱い、膨らみを持たせることで人の感性を刺激するコンピューティングの世界が広がるため、そうしたものをつくって日本で今年発表する予定だ。ワークステーション『Sprout』を今春以降、日本でも出す。3Dプリンターは既に欧米では出荷が始まり、大手自動車会社等に導入され、プロトタイプではなく実際の製品をつくる。3Dプリンター内部の部品は3Dプリンターで作っている。HPでは、できる限りすべての製品のリペアパーツを3Dプリンターでつくる。保守部品を必要な時だけつくり修理に使い、コストメリットを出す。3Dプリンターは今年中に紹介したい。HPは今年、いま世の中にない世界のテクノロジーを変えるものを目指す」と話した。
 パーソナルシステムズ事業本部長兼サービスソリューションズ事業本部長の九嶋俊一氏は「世界では2020年に、生まれた時からパソコンがありスマートフォンを使いこなせる、いわゆるITネイティブ(ミレニアルズ)が就労人口の50%を占めるようになる。ミレニアルズが求める、よりスタイリッシュで高性能なデバイスをどう提供していくかがITベンダーの大きなテーマとなる。また、コラボレーションの効率化をIT支援するため、『働く人々、働く場所、働き方』の変革に即したテクノロジーのイノベーションを起こす。まったく新しいものとして、スマートフォンからセキュリティをコントロールする、安全で簡単に管理できるデバイスシステムを開発し、世界ナンバー1を目指す。仕事場が拡張する『未来のオフィス』をコンセプトに新しい製品を出す」と語った。
 デジタルプレスビジネス事業本部長の小池亮介氏は「グラフィックソリューション事業では幅広い製品を持ち、莫大な開発投資を行っている。いま印刷業界ではデジタルテクノロジーで印刷することが成長分野となっている。高速インクジェット輪転機は出版分野で、文庫本、単行本のほか、販売中止になった本など小ロット多品種の印刷を行っている。同輪転機は、国内では講談社が導入しているほか、KADOKAWAが導入を決めている。新たなビジネスチャンスとして今年、コルゲートインクジェット輪転機でダンボール市場に参入する。幅約3㍍、毎分200㍍の出力ができ、一枚ずつ違うものが刷れる。ダンボールは広告メディアとしても活用できる。新しいビジネスモデルがこの中にたくさんあるので、色々なブランドと連携して用途開発しながら大きなイノベーションを起こしたい。環境面と企業の利益を追求しながら、印刷産業全体ではアナログからデジタルへの変革を加速して印刷媒体の価値を上げ、消費者に新しい価値を提供する」と話した。

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