情報・通信

AIタクシー都内で実証 NTTドコモなど

【2017年03月01日】

写真
AIタクシー。(左から)NTTドコモIoTビジネス部の谷直樹部長、橋本委員長、尾林氏、沢田部長

 NTTドコモ、東京無線協同組合、富士通、富士通テンは2月17日、人工知能を利用したタクシー需要リアルタイム予測「AIタクシー」の実車デモンストレーションを東京都渋谷区のNTTドコモ代々木ビルで実施した。NTTドコモでは、人口知能を活用したリアルタイム移動需要予測技術に取り組んでいる。AI技術とドコモ人口統計、タクシー運行データで、30分後のタクシー利用需要を予測するもの。この技術の確立により、移動需要と供給を最適マッチングする運行管制の実現を目指す。その第一弾として、2016年6月から2017年3月まで都内でタクシー実証実験を行っている。
 東京無線協同組合常任理事、無線委員会の橋本栄二郎委員長は「当組合は今回、タクシー車両12台を提供しており、顧客の利便性の向上を目指す。乗りたいところにタクシーがすぐに来て、タクシーを利用しやすくなる環境を提供したい。ドライバーの労働環境の改善も考えている。新人でありながらベテランのタブレット活用でベテランと同様の結果が得られるので、若手の新人ドライバーに非常に有効だ」と話した。
 富士通モビリティIoT事業本部シニアディレクターの尾林俊文氏は「移動は時間コストの負担、時には危険を伴うが、そうしたことに対し、富士通はIoTデータと人工知能、クラウド環境を通じて、より便利で効率的な安心安全な社会を実現したい。データを使って遅延予測等を、APIを通して広げている。このAPIを使って移動支援のモビリティサービスを簡単に提供できる。本実証実験でタクシー業界に貢献したい」と語った。
 富士通テンVICT技術本部ソフトサービス技術部の沢田輝部長は「弊社は1955年からタクシー配車システムビジネスに取り組み、現在トップシェアを維持している。タクシー配車システムは電話やスマートフォンで配車をリクエストすると、顧客に最も近い車両を配車する仕組みで、今回このシステムを提供して実証を行う。配車システムはクラウドとの連携が重要で、配車センター業務の効率化、車両運行の効率化、安全安心の強化を進める」と話した。
 NTTドコモIoTビジネス部ビジネス企画技術企画担当課長の槇嶋章人氏は「実証実験の概要とこれまでの成果公開」について次のように説明した。AIタクシー実証は、タクシー乗務員に「リアルタイム移動需要予測技術」による未来のタクシー乗車台数を予測を提示し、その効果を検証するもの。顧客のタクシー待ち時間の短縮、電車遅延等の非日常的状況への対応、乗務員ごとのスキルのばらつき解消等の効果が期待できる。東京23区、武蔵野市、三鷹市を対象に500㍍メッシュに区切り、現在から30分後の需要を予測し、予測は10分ごとに更新する。AIタクシーのコア技術であるリアルタイム移動需要予測技術については、4425台のタクシー運行データ、気象データ、NTTドコモの携帯電話ネットワークの仕組みを利用して本人のプライバシーを保護した形で作成される人口統計を使っている。この人口統計とは、いつ、どこに、どのくらいの人口がいるかを示したもので、人の移動・流れを把握できる。この人口統計が移動需要予測精度を高める上でポイントとなっている。各種データと人工知能技術を組み合わせることで未来のタクシー需要を予測する。予測正解精度は92・9%を実現し、駅前や繁華街の高需要エリア、住宅街など低需要エリアでは高い予測精度を実現している。今後、中需要エリアの精度向上に取り組む。12月から開始したAIタクシーのフィールド実証については、フィールド実証開始月の売上結果は、実証実験参加者26名平均が東京無線全体平均を49%上回った。タクシー事業者からは新人乗務員の教育ツールとして有効であると成果を確認できた。また、タクシー乗務員からは経験・知識を補完・補正できた、タクシー乗客からは乗りたかったタイミングですぐに来てくれて助かったとの効果があった。

情報・通信一覧へ  トップページへ