情報・通信

NTT R&Dフォーラム2017 NTT

【2017年03月13日】

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▲ 「Kirari!」で超歌舞伎「獅子王」を演出
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▲ 「VR&触覚技術」により、錦織選手のテニスサーブを体験!
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▲  変身歌舞伎
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▲ 受付ロボ「corevoforReception」
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▲ 光を使って難問を解く「量子ニュートラルネットワーク」

 NTTの最新R&D成果を紹介する「NTT R&Dフォーラム2017」がこのほど、東京都武蔵野市のNTT武蔵野研究開発センタで開催された。今回、「Open the Way~2020とその先の未来へ~」をコンセプトに、B2B2Xモデルの促進に資するAIやIoTに関する技術、2020に向けた技術等を展示した。

 R&Dビジョン担当部長の黒川清氏は「NTTグループ中期経営戦略の実現に向けた技術を紹介する。NTTグループは、バリューパートナーとして豊かな社会の実現に向けて、社会的課題の克服や産業競争力の強化についてパートナーとともにオープン&コラボレーションで取り組む。特に、NTTの研究開発として、『Kirari!』に代表される高臨場UX、AI、IoT、セキュリティ、ネットワーク等を重点分野としている。技術革新や新たな価値創造で異業種パートナーと組みたい。昨年来、NTTグループのAI技術『corevo』をブランド展開している。研究所ではエージェントAI、ハートタッチングAI、アンビエントAI、ネットワークAIの最新成果をデモ展示し、会場全体では約100項目を展示している。2020に向けてフォーラム会場をショーケースに見立てて、おもてなしを体感していただく。ドライバーが快適な運転ができるように支援する『corevo』や、センシング技術『hitoe』、処理基盤となる『エッジコンピューティング』を紹介する。ネットワーク技術では『ネトロスフィア』構想に基づき、迅速性、柔軟性を備えた未来のネットワークについてAIを活用したスマートなオペレーション技術として紹介する。基礎研究では極限技術を目指して世の中を変革する技術として『量子ネットワーク』を紹介する」と話した。
 イマーシブテレプレゼンス技術「Kirari!」では、超歌舞伎「獅子王」やスポーツ競技のサラウンド映像を高い臨場感で伝送し再現した。被写体抽出技術はグリーンバック等のスタジオ環境を用いずに特定の被写体をリアルタイムに抽出できるもの。今年は奥行き情報を活用することにより、従来よりも環境の変化に対して頑健に被写体を抽出できるようになった。従来は背景も一緒に抽出されたが、今年はセンシング情報を活用することにより、ターゲットとなる被写体だけを切り出せるようになった。超ワイド映像合成技術は、複数の4K解像度の映像を視野角として180度以上になるように縦横方向に同時にリアルタイムに張り合わせて一つの非常に大きな高精細な映像をつくるもの。没入感の高い映像をつくることができる。画像が高精細なので、この中から見たいシーンだけを拡大しても画像の解像度感を損なうことなく、きれいな映像を楽しめる。高臨場音像定位技術は、会場の様々な場所に音を定位させることができる。スピーカーを置いていない客席近くまでに音を飛び出して聞かせることができる。超高臨場感メディア同期技術「AdvancedMMT」は、映像分割・並列処理により送出処理時間を低減し、遅延時間を大幅に削減する。再生機器の遅延まで含めた同期合わせの技術を世界で初めて開発した。この技術により、遠隔講演中継において、質疑応答など双方向コミュニケーションをスムーズに行うことができるようになった。
 「VR&触覚技術」では、錦織選手のテニスサーブを体験できる。NTTの研究所が持つ「VR&触覚技術」により、まるで錦織選手と同じテニスコートに立って、サーブを打ち返したかのような感覚を体験できるシステムを開発。選手目線の高臨場映像を提供する「スポーツ一人称視点合成技術」により、複数カメラ映像からのサーブの軌跡を合成し、仮想空間上に臨場感高く再現する。ボールを受ける感覚を提供する「触角コミュニケーション技術」では、ラケット、腹、背中に設置した振動子を適切なタイミング・強度で振動させ、サーブを受ける感覚をリアルに再現する。「ラケットとボールの当たり判定」に基づく動作に応じた触覚提示では、打ち返す際のラケット位置に応じて、振動の様子を変えることで、球の当たり具合の良し悪しまでも再現する。来年度中に、テニス選手のトレーニングに資するようなシステム化や、エンターテイメント分野でのテニス対戦システム提供の実現を目指す。
 「変身歌舞伎」では、体験者が選択し手に取った好みの隈取のお面を「アングルフリー物体検索技術」によって高精度に自動認識され、体験者の顔にAR重畳表示(変身歌舞伎)される。演出等における重要形成要素(キーポイント)を抽出して現実以上に際立たせる「Amplified Experience(AX)」というコンセプトのもと、巨大な立体顔面オブジェクトに歌舞伎特有の間や表情といったダイナミックな演出と共にプロジェクションマッピングする演出を行う。
 受付ロボ「corevo for Reception」は、音声認識・合成技術やデバイス連携制御技術「R―env:連舞」を始めとするAI技術「corevo」により、エージェントとの自然な対話を通じて、顧客の興味に合わせて展示エリアを案内する。
 一方、基礎研究では、光パラメトリック発振器(OPO)を用いて組み合わせ最適化問題を高速に解く「量子ニューラルネットワーク」を実現した。2000ノードからなる大規模グラフの最適化問題を1万分の1秒以下の時間で解くことに成功した。同技術は創薬における候補化合物の探索や通信ネットワークのリソース最適化など膨大なデータの最適化を必要とするあらゆる分野への適応が期待される。

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