情報・通信

物流情報管理プラットフォーム共同開発へ 国連WFPとNEC

【2017年03月15日】

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握手を交わすアーサリン・カズン事務局長と(右)遠藤信博会長

 WFP国連世界食糧計画とNECは3月9日、東京都渋谷区の国連大学で会見を開き、地球規模の感染症が発生した際の医療・救援物資の輸送状況を可視化する世界初の「物流情報管理プラットフォーム」を共同で開発すると発表した。共にメンバーとして参加している「地球規模感染症対策サプライチェーンネットワーク(PSCネットワーク)」の活動の一環として実施するもの。会見には国連WFPのアーサリン・カズン事務局長とNECの遠藤信博会長が出席した。
 PSCネットワークは、供給網整備や物流能力向上、情報プラットフォーム構築を通じて、医療・救援物資が需要に応じて的確に供給されることを目指す産官学連携のイニシアチブで、2014年に西アフリカで発生したエボラ出血熱発生時の教訓に、翌年の世界経済フォーラムで結成された。創設メンバーとして国連WFPとWHO、世界銀行などの国際機関と、世界各国の民間企業が参加している。
 西アフリカのエボラ出血熱への対応では、物資を供給する物流網や倉庫のキャパシティ不足、物資の需要と供給に関する情報の不足、国境の閉鎖に伴う感染地域へのアクセス制限、不十分な官民連携に起因する支援の重複や非効率性などが課題となっていた。
 PSCネットワークでは重大な感染症等の将来的な世界的流行の抑止や対処に向け、感染症等による重大な緊急事態に対応できるサプライチェーンの構築に官民連携のもと取り組み、各国及び国際的な制度の強化も後押ししている。
 共同開発では、PSCネットワークのために日本政府が拠出した100万ドルの資金等をもとに、新しいプラットフォームの開発を進める。具体的にはエボラ出血熱など致死率が高い感染症の流行地域の医療現場に、防護服などの物資を届ける物流追跡システムを構築していく。なお、AIを活用した現場の医療品需要予測にも取り組むとしている。    
 NECの遠藤信博会長は、「国連WFPや他のPSCネットワークのメンバーと共に、感染症対策のためのグローバル・サプライチェーン強化に貢献できることを光栄に思う。この取り組みは、AIなどの革新的な情報通信技術の提供を通じて、安心・安全・効率・公平な社会の実現を目指す当社の方針と完全に合致するものであり、国連の『持続可能な開発目標(SDGs)』の達成に寄与すると確信している」と述べ、NECの技術力で地球規模の課題に取り組んでいきたいとした。
 国連WFPのアーサリン・カズン事務局長は、「2030年までに『持続可能な開発目標』を達成するため、様々な組織がそれぞれの知見を持ち寄り、地球規模課題の解決に向けて革新的な方法を編み出していくことが必要。官民が連携することで素晴らしい試みが可能となる。このプラットフォームの開発は、その最良の事例と言える」と述べ、NECとの共同開発に期待を込めた。

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