情報・通信

新しいビジネスモデルの創造 CIAJ川崎新会長会見

【2017年06月07日】

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▲ 記者会見する川崎新会長

 一般一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)は、5月24日午前10時30分から東京都港区芝公園の東京プリンスホテル2F鳳凰の間で、「CIAJ第8回定時総会」及び「理事会」を開催し、新会長に川崎秀一沖電気工業会長を選任するとともに、2017年度事業計画を審議・了承した。この日、新役員として川崎新会長(代表理事・会長)の他、理事に田村直樹タムラ製作所社長、松澤幹夫電気興業社長、専務理事に片山泰祥氏、常務理事に今井正道氏、監事に石井卓爾三和電気工業社長、瀬川純日本電業工作社長が選任され、それぞれ就任した。なお、専務理事は、会長に不測の事態が訪れ、会長の任を全うできない状況に陥った場合には、代行を務める
 CIAJ会長に就任した川崎氏は、同日午後1時から東京プリンスホテル内で記者会見し、「2016年度の活動を引き継ぎ、今年度より具体的なIoT社会の普及・拡大を目指した新市場開拓の推進に取組み、特にNTTをはじめとする通信事業者や総務省、経産省等のIoT関連ステークホルダーとの関係強化を通じて会員各企業や産業における新たなビジネスモデルの創造に資する活動を行っていきたい。各施策に着実に取組むべく、政府や国内外の関係団体との連携を強化し、IoTの発展とわが国の経済社会の発展に貢献するために会員の皆様の知恵と力を結集して、CIAJの在り方の見直しも含めて取組んでいく」などと抱負を述べた。
 また、記者の質問に答え、通信機器市場の現状と展望、及びIoT社会の普及・拡大による「新市場の開拓の推進」と、成長市場への取組みとして「グローバルビジネスの推進」について要旨次のように述べた。
 ◎通信機器市場の現状と展望
 グローバルでの通信機器市場は、成長が鈍化しつつも拡大が継続している市場。CIAJの調べでは、グローバル市場に対して、日本メーカーは、高い技術力や信頼性で競争力がある製品の出荷をここ数年の間、堅調に伸ばしている。日本メーカーの2015年の通信機器海外出荷は約1兆3000億円で、2012年比で約9%の増加となっている。特に、携帯電話では高性能・高機能に特徴がある機種を中心に伸びており、また、デジタル伝送装置は、グローバルでのデータトラフィック増に対応して堅調な出荷を継続している。
 一方で、日本市場の2016年度実績見込みは約3兆2000億円で、端末機器の更新サイクルの長期化や、新興国などの景気不透明感により企業の設備投資が低調となったことから、国内需要は減少傾向となっている。しかし今後は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けて、また一方では、都市化・過疎化や少子高齢化などの社会的課題に対応していくため、IoT、ビッグデータ、AI・ロボットなどを活用した新技術や新サービスの創出が想定されている。
 これらを支えるインフラとして、5G通信や高度化された新しい通信端末、自動運転を支援する通信基地局、4K・8K高精細映像や高精細監視カメラ映像を配信するネットワーク設備などの進展が進み、通信機器の需要が回復することが期待されている。CIAJは、こうした予測を踏まえるととも、日本市場のみならずグローバルな視点も取り込んで、情報通信ネットワークに関わる産業の健全な発展に取組んでいく。
 ◎IoT社会の普及・拡大による「新市場開拓の推進」について――。
 2015年度より、事業計画の新しい柱として、「新市場開拓に向けた取組みとグローバルビジネスの推進」を掲げ、ICTによる社会的課題の解決や新市場創出に向けた様々な活動を行ってきた。2017年度は、その取組みの3年目となる。この間、IoT社会の実現に向けた様々な動きが活発になり、オールジャパンによる官民連携の取組みである「IoT推進コンソーシアム」の活動等も進展し、さらに、セキュリティやAI等の分野を中心とした動きが、関係府省やICT産業界の中で活発になっている。
 こうした中で、2017年度の事業計画における「新市場開拓に向けた取組み」は、IoTの潮流を的確にとらえてICT産業の更なる発展への貢献を目指し、次の2点を重点的に取組んでいく。1点目は、「成長拡大が期待されるIoT市場における技術課題の解決、及び政策課題提言への取組み」。様々な産業分野でIoTの活用が本格化されつつあるが、技術・サービスの方向性、関連政策やマーケットの動向等を的確に捉えて情報・知見の蓄積を図り、会員企業への展開を行っていくことで、CIAJとしての新市場開拓に向けた取組みのベースをしっかりと確立していく。その上でIoT が実現する社会のイメージを明確化し、普及拡大に対してハードルとなる産業界共通の課題の解決に向けて、戦略的な政策要望や技術基準などに対する意見発信等を進めていく。2点目は、「IoT関連分野におけるステークホルダーとの関係構築による、新市場開拓の推進」。これまで、CIAJは通信ビジネスの分野で、通信事業者等との関係強化を図ってきたが、今後は、そうした通信事業者とIoT関連分野で新たな関係構築を図っていくことが重要と考えている。
 ◎成長市場への取組みとして「グローバルビジネス推進について――。
 IoTの社会実装の動きは、ドイツのIndustrie4・0や米国のIndustrial Internet Consortiumなどをはじめとして、世界各国で官民連携の取組みが活発化している。その中で、日本が世界最先端IT国家として、世界をリードしていくためには、国際連携が非常に重要と認識している。今年の3月に、ドイツ・ハノーバーで行われたCeBIT2017展示会では、安倍首相・メルケル首相によりIoT分野に関する日独連携が、「ハノーバー宣言」として発信された。この日独連携をフォローしつつ、その他の国・地域の政府・産業団体、IoTプレーヤーや通信事業者などIoTに関する世界のステークホルダーとも国際会議などで交流・連携することで、事業領域の拡大を図っていく。

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