情報・通信

移動式ICTユニットを導入決定 ITU

【2017年06月09日】

 国際電気通信連合(ITU)は、総務省との協力により、災害時の通信途絶を迅速に応急復旧させることを目的に、世界中の被災地に提供する災害時緊急通信システムとして、移動式の通信設備(移動式ICTユニット〈MDRU〉)を導入することを決定した。
 これにより、地震、台風、洪水等によって通信が途絶した際も、緊急通信手段として、衛星通信システムとともに本移動式ICTユニットが世界各国の被災地にITUから提供されることになる。
 移動式ICTユニット(MDRU、Movable and Deployable ICT Resource Unit)とは、東日本大震災での教訓を踏まえて、平成23年度から総務省が委託して研究開発を行い実用化し、災害時に被災地へ搬入して通信を迅速に応急復旧させることが可能な通信設備。車載型、アタッシュケース型等の小型化に対応する。
 国際電気通信連合(International Telecommunication Union)は、電気通信に関する国際連合の専門機関で、現在、加盟国は193ヵ国である。
 ITUでは、世界各国で災害が生じた際の現地での緊急時の通信手段として、主に衛星通信システム(電話及びデータ伝送用)の提供を行っており、被災国で活用されている。 
 過去には、ネパールの大地震、スリランカの大雨洪水、ハイチのハリケーン等の際に提供されており、平成23年3月の東日本大震災時にも計153台の衛星通信システムがわが国に提供された。
 このほど、ITUは、世界の被災地に提供する災害時緊急通信システムとして、従来から提供している衛星通信システムに加え、総務省の協力により、災害時の通信途絶を迅速に応急復旧させることが可能な移動式の通信設備(移動式ICTユニット〈MDRU〉)を導入することを決定した。
 移動式ICTユニットは、既存の通信設備や商用電源が被災により利用できない状況であっても、迅速に通信環境を再構築し電話やインターネット等の利用を可能とする。
 これにより、地震、台風、洪水等によって通信が途絶した場合に、緊急通信手段として、衛星通信システムとともに同ICTユニットが世界各国の被災地にITUから提供されることになる。
 総務省では、フィリピン政府の要請を受け、26年12月から28年3月まで、ITUと協力して、大規模な台風被害を受けたフィリピン・セブ島において、同ICTユニットを用いた実証共同プロジェクトを実施しており、その結果、災害被災地の復旧対応における、同ICTユニットの有効性が確認されている。
 具体的には、ICTユニットを用いた実証共同プロジェクトとは、平成26年5月にITU、総務省、フィリピン科学技術省の3者で協力合意文書を締結し、同年12月から28年3月まで、ITUとの共同プロジェクトとして、フィリピン・セブ島で移動式ICTユニットを用いた実証実験を実施したもの。
 今後は、移動式ICTユニットのITUにおける活用の充実、国内外における導入・普及に向けた活動を推進するとともに、ITU等の国際機関とのさらなる連携により、わが国と同様に自然災害の脅威を有する諸外国への貢献につながる取り組みを進めていく。

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